トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(武内政文議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 武内政文議員(自民)
県の5か年計画では、平成27年の合計特殊出生率1.34を平成33年には1.5にする目標を立てております。この目標達成のために、様々な少子化対策のメニューを用意して取り組まれております。しかし、先頃発表された平成29年の本県の合計特殊出生率は1.36で、1.5の目標達成は容易ではありません。
県の5か年計画では、まずは県民の結婚、出産、子育ての希望を実現することが重要であるとしておりますが、県の少子化対策は、この3分野のうち、子育て支援策がほとんどとなっているようであります。子育て支援を充実すれば結婚する人が増えるのでしょうか、私は疑問を感じております。
そこで、まず、県は各種の子育て支援事業がどの程度少子化の歯止めに効果があるのか、どのように把握しているのか、福祉部長にお伺いいたします。これは、事業のPDCAサイクルを回すためにも必要であると思います。
少子化対策には、子育て世代だけではなく、特にこれから結婚、出産する世代を対象にした施策の充実が必要であると考えます。しかし、県では、結婚と出産は個人の自由ということでタブー視して、子供の増加につながる直接的な対策が講じられていない感があります。県は、平成27年度から婚活支援事業を始めましたが、その効果のほどは不明です。また、出産に関しては、啓発や不妊治療対策が中心であります。
国立社会保障・人口問題研究所が平成27年に実施した出生動向基本調査によりますと、男性独身者の約86%、女性独身者の約90%が結婚を希望しているということから、結婚や子供を産みやすい環境をつくることが必要なのは明らかであります。例えばアンケートにあるように、結婚資金がネックであれば、その資金の支援や結婚祝金の支給、あるいは出産に係る費用の無料化、保険適用化などの経済的支援により、行政が結婚や出産を奨励する政策を行うことはできると思います。
こうした観点から、県の少子化対策を子育て支援中心から、結婚、出産の支援に政策の力点を移すべきと考えますが、福祉部長の御所見をお伺いいたします。
A 知久清志 福祉部長
まず、子育て支援事業がどの程度少子化の歯止めに効果があると把握しているのかについてでございます。
少子化が進む背景には、雇用状況や社会経済情勢、子育ての負担感、住宅の問題など様々な要因があります。
このため、本県では、平成27年度に「埼玉県子育て応援行動計画」を策定し、子育て支援だけではなく、雇用、住宅、結婚、出産など切れ目のない支援を実施しています。
このような取組の成果として、本県の合計特殊出生率の動向としては、5年前の平成24年と直近の平成29年を比較すると0.07ポイント上昇しております。
一方で全国の伸びは0.02ポイントに留まっており、本県の伸びは全国平均を上回っています。
さらに施策の実効性を高めていくためには、少子化に影響を与える要因を丁寧に分析するとともに、これまで実施してきた少子化対策の効果を可能な限り検証していく必要があると考えます。
このため、今年度は日本社会事業大学などと連携して、人口動態や就業、住宅などの社会環境要因が出生動向に及ぼす影響やこれまでの少子化対策の効果を分析したいと考えております。
少子化対策の効果を検証することで、PDCAサイクルを回し、施策を効果的に実施してまいります。
次に、県の少子化対策を子育て中心から結婚、出産の支援に政策の力点を移すべきについてでございます。
結婚や出産は個人の価値観に係る問題である一方、多くの方が結婚や出産を希望しているにもかかわらず、未婚化、晩婚化が進む状況があります。
このため、結婚や出産をしやすい環境づくりを進めていく必要があると考えます。
県では、平成28年度に少子化対策協議会を設置し、63市町村と協議しながら対策を具体化してまいりました。
出産に係る支援といたしましては、平成29年度から「ウェルカムベイビープロジェクト」を立ち上げ、妊娠、出産、不妊に対する総合的な支援を進めています。
また、結婚に係る支援といたしましては、平成30年度、結婚を希望する男女の出会いの機会を広げ、成婚に向けた支援を官民連携で実施する「SAITAMA出会いサポートセンター事業」を新たに立ち上げます。
この事業では、20代の若者を中心にライフデザイン構築のためのセミナーなども開催し、結婚や出産、子育ての具体的なイメージが持てるよう働きかけてまいります。
今後も市町村などとともに、結婚から出産、子育てまで切れ目ない支援に取り組んでまいります。
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