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掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)

人口当たり医師数全国最下位を踏まえた医師確保対策について

Q   田並尚明議員(立憲・国民・無所属)

昨年12月、平成28年医師・歯科医師・薬剤師調査の結果が厚生労働省から発表されました。これは最新の医師数の数字です。本県の人口10万人当たりの医師数は160.1人で全国最下位でした。その後の新聞報道などでも人口10万人当たりの医師数が全国最下位などと取り上げられているのを散見します。このことに不安を感じている県民もいらっしゃると考えます。こうした不安を少しでも和らげるため、県民の皆様に向けて現状を示されてはいかがでしょうか。
そこで、知事にお伺いいたします。
これまでどのような取組を行い、その結果、本県における医師の確保はどのようになっているのでしょうか。また今後、どのように取り組んでいくのでしょうか、お伺いいたします。

A   上田清司   知事

まず、「人口当たり医師数全国最下位を踏まえた医師確保対策について」のお尋ねのうち、これまでどのような取組を行い、その結果、本県における医師の確保はどのようになっているのかについてでございます。
医師の数は全国9番目に多いということでありますが、10万人の対比でいうと最下位になるという、このことが新聞やあるいはニュースに出ると大変いい気持ちがしないのは事実であります。
そういう意味ではこれまでにもいろいろな形で医師を増やす取組を行ってまいりました。
直近では、平成25年12月に埼玉県総合医局機構を発足して以来、県医師会や県内医療機関、関係団体の御協力をいただいて医師確保対策に取り組んでまいりました。
中でも初期研修を受けた若手医師は引き続き本県で勤務する可能性が高まることから、初期研修医の県内病院への誘導というのに特に力を入れてまいりました。
病院で研修されればそこにそのままとどまれる、もしくは比較的その沿線沿いの病院等にとどまれる可能性が高いというのが一般的でございます。
例えば、毎年都内で開催されている全国最大規模の初期研修病院の合同説明会に県ブースを設けて県内各病院のアピールを県を挙げて行ってまいりました。
また、医学生向けの情報サイトに県特設ページを開設し本県で初期研修を受ける魅力や特徴を全国に向けて発信しています。
その結果、平成30年度に県内で初期研修を開始する医師は342人となり、現在の初期研修制度が始まった平成15年の165人からの増加数は177人、増加率は2.07倍で共に全国第1位になっております。
また、産科や小児科などの診療科や医師不足地域に勤務する医師を育成する目的で、平成22年からスタートした奨学金制度による貸与者も当初の5人から今では累計215人まで増加しております。
こうした取組もあり、医師の総数もこのところ急速に増加してきております。
平成28年12月現在、11,667人で全国第9位に総数でなっています、前回調査からの2年間の増加数が609人、増加率5.5%で共に全国3位になっております。
また、医師のパートナーである看護職員も2年間で5,785人で全国2位の増加数、増加率も9.9%増で第1位になっております。
次に、今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。
これまで確保した初期研修医などの若手医師が初期研修終了後、専門医となるために必要な専門研修を引き続き県内で受講できるような支援体制や仕組みを作っていくことが大変重要であるということは先ほども申し上げたところでございます。
このため、医局機構において県内全ての専門研修を網羅したガイドブックを作成し、本県で専門研修を受けることで豊富な病床経験が積めるなどキャリアアップの上での本県の優位性をアピールしているところでございます。
また、指導経験が豊富な医師3人をキャリアコーディネーターとして配置し、将来、専門医として本県の医療を担っていただく若手医師のキャリア相談やアドバイスが行える体制を整えたところでもございます。
このほか、若手医師が専門手技の向上を図れるよう平成29年さいたま新都心にオープンした地域医療教育センターに、各種内視鏡検査など大学病院に引けを取らない高度シミュレーション機器を用意いたしました。
こうした取組により、県内において完結可能な専門医育成体制を充実させ、若手医師の県内定着を図ることにより、必要な地域や診療科に医師が確保されるように進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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