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掲載日:2023年5月2日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(細田善則議員)

高断熱窓の普及を

Q   細田善則議員(自民)

環境省が推進しているネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ZEHは、住宅の発電量とエネルギー消費量の収支をプラス・マイナス・ゼロにするものであります。エネルギーの支出を抑えるためには、家全体の断熱性能を高めて、冷暖房機器の負荷を減らすということが重要になってまいります。せっかく冷暖房を適温にしても、エネルギー保存の法則で温度差のある外気から熱が侵入、また放出されてしまいます。
その熱を一番逃がしているのは窓であり、家全体の熱損失の50%以上を占めるということです。高断熱対策で一番対策すべきなのは、窓です。私もこれを知るまで、日本は省エネの分野で先進国であると信じたかったのですが、こと、住宅の窓においては、海外の基準と比べると非常に甘く、断熱窓の後進国と言わざるを得ません。
それを示すのが熱の通しやすさを数値化した熱貫流率で、単位はワット・パー・平米・ケルビンという数値なんですが、数字が低いほど高断熱ということになります。日本中で一般的に出回っている窓、アルミサッシの一枚ガラスでは6.51、アルミサッシで二重のガラス、ペアガラス、最近普及しておりますが4.65まで下がります。既存の建物だと、このあたりの商品が多く使われていると思います。そして、アルミサッシの中に樹脂のカバー、複合のサッシになると2.33、寒さの厳しい北海道などは樹脂サッシが大変普及して、9割以上普及しているとのことですが、埼玉県ではなかなか、使われ始めたというところであります。そして100%樹脂サッシになると、熱貫流率は2を切ってくるということになります。
県内でも、先ほど申し上げたとおり、新築の注文住宅等々ではアルミの複合サッシが使われるようになってまいりましたが、既設の住宅や賃貸物件では低断熱のアルミサッシが大量に使われていると指摘がされております。それを示すデータ、樹脂サッシの窓の普及率になりますが、日本はたったの17%です。海外を見ると、建築基準で熱貫流率2を切るという水準の国が多いため、必然的に樹脂サッシが主流に使われてまいりました。アメリカやイギリスで60%以上、気温もさほど変わらないお隣の韓国でも80%普及しているということを考えると、国、国交省の建築基準による政策誘導が失敗した結果ではないかと思っております。
また、別の視点として、健康への影響という視点で考えても、入浴時の寒暖差でヒートショック、脳卒中で亡くなる方が推計で年1万9,000人もいること、また、結露でカビが発生し、多くの方がぜんそくやアレルギーに悩まれていることなど考えても、高断熱窓の普及によって、かなり解消できるものではないかと考えております。
また、樹脂と並んで有効な素材が木材で、昨年、株式会社日本の窓という会社が青森で木製の窓サッシの生産を始めるなど、県産木材の活用という点で新たなチャンスを見逃してはならないと思っております。
私は、省エネ、イコール暑さ、寒さを我慢してエアコンをつけないという禁欲的なものではなくて、熱の逃げない住宅にして、最小限の電気代で健康的で快適な環境をつくるものであるべきだと考えております。そういったことを踏まえ、高断熱窓の有用性をどのように考えておるのか、環境の視点から環境部長、そして住宅供給の視点から都市整備部長に、それぞれお考えをお伺いいたします。

A   加藤和男   環境部長

家庭におけるエネルギー消費のうち、約3割が冷暖房で使われており、このエネルギーの削減が住宅の省エネ化に大きくつながります。
一般的な住宅では、窓を通じて夏には熱の73%が室内に入り、冬には熱の58%が室外へ逃げることにより、住宅のエネルギー消費を増大させることになります。
このため、窓を高断熱化することは、住宅の省エネ対策という観点から大変重要であるというふうに考えております。
国では、2020年までに戸建住宅の半数以上を、議員お話しのネット・ゼロ・エネルギー・ハウスいわゆるZEHに変えていくことを目指しています。
ZEHの実現には窓の高断熱化が欠かせない取組であり、今後、ZEHが普及することで、新築住宅では窓の高断熱化が進んでいくものと考えております。
一方、既存の住宅については、窓の高断熱化が進んでおりません。
この理由のひとつとして、窓の高断熱化による効果が県民に十分浸透していないということがあります。
この点を踏まえ、現在、県では、築年数が古く窓の断熱性能が十分でない老人福祉施設の窓改修を支援し、省エネ効果だけでなく、窓際の温度改善や結露の解消などの効果把握に取り組んでおります。
窓改修を支援した老人福祉施設の中には、断熱性能の高い樹脂サッシの内窓を取り付けた事例もございます。
県では、こうした取組で得られた結果を広く県民に周知していきたいと考えております。
また、県内の戸建住宅の半数を手掛ける中小工務店に対しまして、窓の高断熱化による効果を広く知らせていくことも重要です。
このため、今年度から県内中小工務店を対象に、実技指導も交えた省エネリフォーム講習会を開催し、窓の高断熱化の重要性を周知してまいります。
このような取組を着実に進めることで、樹脂サッシの使用を含めた窓の高断熱化が進んでいくよう努めてまいります。

A   野川達哉   都市整備部長

地球温暖化が進展し、温室効果ガスの排出削減が求められる中、住宅の省エネルギー性能を向上することは、環境にやさしい快適な住まいや健康的な暮らしを実現する上で大変重要でございます。
省エネルギー性能の高い住宅の供給を促進するためには、先程の環境部長からの答弁にもございましたとおり、樹脂サッシなど、窓を高断熱化することが非常に有用であると認識しているところでございます。
県では、特に既存住宅の窓の断熱化が重要であることから、平成21年度にエコリフォームの手引を作成し、ホームページにより、樹脂サッシを含めた窓の改修効果を紹介するなど、普及に努めてまいりました。
新築住宅につきましても、平成21年度に環境住宅賞を創設し、環境にやさしい先導的な住宅を表彰することで、省エネルギー性能の高い住宅を普及してまいりました。
平成29年度は、表彰式に併せ住宅メーカーなどに向け、応募作品集を配布するとともに、樹脂サッシを活用することで高い断熱性能が評価された受賞住宅の説明会を開催したところでございます。
また、県や市町村、住宅業者などで構成する「埼玉県住まいづくり協議会」では、住宅の省エネルギー化を普及するための検討部会による調査研究を行っております。
平成30年度の検討部会では、メーカーのショールームにおいて、樹脂サッシなど、窓の高断熱化に関する勉強会を実施する予定としております。
このような、住宅の省エネルギー性能の向上に向けた官民連携の活動の展開を進めてまいります。
さらに、手引きの周知とともに、エコリフォームの最新データの更新などと併せて情報提供できるようホームページの充実を図り、有用性の高い高断熱窓が多くの住宅に普及されるよう取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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