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掲載日:2024年10月23日
Q 栄寛美 議員(自民)
学校教育においては、きめ細やかで質の高い教育を保障し、子供にとってより良い教育環境の整備に努める必要があります。その中でも、学級編制及び教職員定数の改善は、その中核をなす極めて重要なものであると考えます。
まず、学級編制について伺います。
現在、各学校では児童生徒の実態に応じた個別指導に重点を置いており、その充実に努められておりますが、家庭環境や育成歴が複雑な児童生徒が年々増加傾向にあり、十分な対応ができていない状況があると地元の方から伺っています。特に、不登校や発達障害のある児童生徒への対応として保護者との連携は欠かすことができず、連絡や家庭訪問に多くの時間を費やしている状況です。そのほかにも、保護者からの様々な要望、要求への対応に苦慮する場面も増加していると伺っています。
このように、子供たちの抱える課題が複雑化・困難化し、保護者や地域からの教師や学校に対する期待が高まっている中、埼玉県の学級編制基準は小学校では40人学級から35人学級の実現に向けて学年進行で引き下げられていますが、中学校では40人学級のままです。折しも令和5年に開催されたG7、富山・金沢教育大臣会合においても、少人数学級の推進や教師が担う業務の適正化などが成果文書として示されているところであります。
そこで、学校の望ましい教育環境や指導体制を構築していくために中学校の学級編制基準を改善すべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。
次に、日本語指導担当教員、通級指導教員、養護教諭、栄養教諭等の教職員の配置基準の改善についてです。
まず、日本語指導担当教員ですが、今年9月5日の埼玉新聞の記事によりますと、公立の小中高校や特別支援学校に在籍し日本語指導が必要な子供が、2023年5月時点で外国籍と日本国籍合わせて6万9,123人に上り過去最多となり、うち1割程度が補習などの指導を受けておらず、学校現場の支援が追いついていない状況であるとのことです。
文部科学省による令和5年度日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の結果でも、指導が必要な児童生徒がいる学校数が全国的に増加傾向にあり、本県は全国で6番目に多い状況です。本県の日本語指導が必要な児童生徒は年々増加傾向にあり、今後も増える可能性が高く、また、日本語指導教員の配置がゼロの場合もあるため、ある程度の児童生徒の人数がいないと配置されないといった状況は是正した方がよいと考えます。
次に、通級指導教員ですが、通級による指導実施状況調査等によれば、公立の小中学校で通級指導を受けている児童生徒数は平成5年から令和3年にかけて約14.8倍となっており、本県においても特別の教育支援を必要とする児童生徒の数が増加傾向にあります。発達障害のある児童生徒を指導する通級指導教員の配置基準では、通級指導を受ける児童生徒が12人までは配置されないことなど、多くの課題があります。また、養護教諭については、児童生徒の身体的・精神的な課題へ対応するためにも、その役割は重要です。
しかし、地元の春日部市では、一番規模が大きい上沖小学校でも配置基準の複数配置の基準である児童数に満たないので、養護教諭は1人の配置になっています。また、春日部中学校では、これまで2人配置であったものが、来年度から1人配置の見込みであると伺っております。現在の養護教諭の配置基準では十分な対応が困難な状況にあります。
さらに、栄養教諭等については、食育の充実が叫ばれて久しいですが、平成13年度以降、配置基準が見直されていないため、春日部市内では給食センター方式の学校を除き、県費負担の栄養教諭や学校栄養職員を配置している学校は半数以下となっており、十分な配置とは言えない状況です。
種々申し上げましたが、多様化、複雑化する課題にきめ細かく対応していくためには、日本語指導担当教員、通級指導教員、養護教諭、栄養教諭等の教職員の配置基準の大幅な見直しが必要と考えますが、教育長の御所見を伺います。
A 日吉亨 教育長
まず、学校の望ましい教育環境や指導体制を構築していくために、中学校の学級編制基準を改善すべきについてでございます。
本県における公立中学校の学級編制基準は、原則として1学級当たり40人としております。
また、平成14年度から、特例として、市町村教育委員会の判断により小・中学校の円滑な接続を目指し、中学校1年生においては、38人で学級編制できるようにしております。
子供たちを取り巻く課題が複雑化・困難化する中、それらに十分に対応し、子供たちをきめ細かく支援していくためには、中学校における更なる少人数学級の推進も重要と考えております。
一方、学級編制基準の改善には、教職員定数の改善が必要であり、県では、国に対し、強く要望してまいります。
次に、教職員の配置基準の大幅な見直しについてでございます。
日本語指導教員、通級指導教員につきましては、国の基準に基づき、市町村ごとに支援を必要とする児童生徒の人数に応じて配置しており、配置されない学校については、配置校の教員が他校へ巡回して指導するなどの工夫をしております。
また、養護教諭や栄養教諭等につきましても、国の基準に基づき、児童生徒の人数に応じて配置しており、養護教諭においては、複数配置の基準に満たない学校からモデル校を指定し、退職された養護教諭を、負担軽減のため健康診断時に数回、派遣しております。
一方、日本語指導教員、通級指導教員、養護教諭や栄養教諭等を含めた、教職員の配置基準の大幅な見直しのためには、国による教職員定数の改善が必要と考えております。
県では、今後も、あらゆる機会を捉えて、教職員定数の改善を国に強く要望してまいります。
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