埼玉県四半期経営動向調査(令和4年7~9月期)
埼玉県は、県内中小企業2,200社を対象に四半期ごとに経営動向調査を実施しています。このほど、令和4年7~9月期(調査日:令和4年9月1日時点)の調査結果を取りまとめました。
今回は、景況感等に関する定例の調査に加えて、「新型コロナウイルス感染症の影響」、「SDGsの認知・取組状況」、「円安が経営に与える影響」についても調査しました。
調査結果のポイント
県内中小企業の景況感
県内中小企業の景況感は、持ち直しの動きに足踏み感がみられる
先行きについては、慎重さがみられる
アンケート結果
- 景況感DI*は、▲50.2と、前期比で2.1ポイント減少し、2期ぶりに悪化した。
* 調査対象企業に自社が属する業界の景況感を調査。「好況である」-「不況である」の企業割合。
- 製造業は2期連続改善し、非製造業は2期ぶりに悪化した。
- 製造業では「食料品製造」「パルプ・紙・紙加工品」「鉄鋼業・非鉄金属」「電気機械器具」「一般機械器具」の5業種が改善し、それ以外の7業種は悪化した。非製造業では「建設業」が改善し、それ以外の6業種は悪化した。
- 売上げDI、資金繰りDI及び採算DIは2期ぶりに悪化し、設備投資実施率は2期連続増加した。
- 10~12月期の先行きDIは、▲23.3で、前回調査比で2.8ポイント減少し、2期ぶりに悪化した。
景況感DIの推移
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当期DI
(R4.7-9)
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前期比
(R4.4-6)
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前年同期比
(R3.7-9)
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来期見通しDI
(R4.10-12の見通し)
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前期比(前回調査)
(R4.7-9の見通し)
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全体 |
▲50.2 |
▲2.1 |
+6.4 |
▲23.3 |
▲2.8 |
製造業 |
▲48.9 |
+0.7 |
+2.0 |
▲19.7 |
+2.4 |
非製造業 |
▲51.2 |
▲4.1 |
+9.9 |
▲25.9 |
▲6.7 |
ヒアリング企業の声
- 業界の景気について、企業からは「半導体製造装置向けの受注は安定しており、好況である。」(一般機械器具)、「受注は増えているが、材料の出荷遅れや値上がりの影響が大きく、普通である。」(輸送用機械器具)、「民間の大型案件は価格高騰の影響で不透明感が出てきている。」(建設業)などの声が聞かれた。
- 先行きについては、「10月以降、乗用車の生産は上向くとみている。」(輸送用機械器具)、「原材料費の高騰は今後も厳しい状況が続き、悪い方向に向かうとみている。」(食料品製造)、「資材価格高騰の影響で設備投資を控える動きが予想され、どちらともいえない。」(建設業)などの声が聞かれた。
特別調査結果
新型コロナウイルス感染症の影響について
- 新型コロナウイルス感染症の経営への影響について、「マイナスの影響が続いている」の回答割合が53.5%で、前回調査(令和4年4~6月期)から0.3ポイント減少した。
- 「影響はあったが、既にコロナ前の水準に回復」の回答割合は11.5%で、前回調査から0.1ポイント減少した。
SDGsの認知・取組状況
- SDGsの認知度は89.1%で、前回調査(令和3年7~9月期)から7.9ポイント増加した。「SDGsについて既に取り組んでいる」の回答割合は14.5%で、前回調査から6.6ポイント増加した。
- SDGsに取り組むに当たっての課題は、「具体的な目標の策定や評価が分からない」(33.5%)が最も多く、次いで「社内の認知度・理解度がまだ低い」(33.1%)、「資金的余裕がない」(28.6%)の順となった。
円安が経営に与える影響
- 「悪い影響がある」(55.4%)が最も多く、次いで「影響はない」(18.0%)、「良い影響、悪い影響両方ある」(11.8%)、「良い影響がある」(0.9%)の順となった。
- 悪い影響の内容は、「仕入れ価格(原材料、製品等)の上昇」(89.2%)が最も多く、次いで「燃料費や電気料金の増加」(70.7%)、「売上減少」(24.2%)の順となった。
- 円安傾向が続いた場合の対策は、「コスト上昇分を販売(製品)価格に転嫁」(73.8%)が最も多く、次いで「固定費の削減」(42.3%)、「仕入れ先の変更・分散」(25.1%)の順となった。
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