埼玉県四半期経営動向調査(令和6年10~12月期)
埼玉県では、県内中小企業2,200社を対象に四半期ごとに経営動向調査を実施しています。このほど、令和6年10~12月期(調査日:令和6年12月1日時点)の調査結果を取りまとめました。
今回は、景況感等に関する定例の調査に加えて、「取引先金融機関の貸出姿勢」、「カスタマーハラスメント対策の取組状況等」についても調査しました。
調査結果のポイント
県内中小企業の景況感
県内中小企業の景況感は、持ち直している。
先行きについては改善の動きがみられる。
アンケート結果
- 景況感DI*は、▲38.0と、前期比で2.0ポイント増加し、2期連続で改善した。
*調査対象企業に自社が属する業界の景況感を調査し、「好況である」と回答した企業割合から「不況である」と回答した企業割合を差し引いた指数。
- 業種別では、製造業、非製造業ともに2期連続で改善した。
- 製造業では「印刷業」「食料品製造」等の8業種が改善し、「一般機械器具」「電気機械器具」等の4業種は悪化した。
非製造業では「不動産業」「運輸業」等の4業種が改善し、「飲食店」「卸売・小売業」等の3業種は悪化した。
- 売上げDI及び資金繰りDIは2期ぶりに改善し、採算DIは3期連続で改善した。また、設備投資実施率は2期連続で増加した。
- 来期(1~3月期)の先行きDIは、▲17.7と、2期ぶりに悪化した。
景況感DIの推移
|
当期DI
(R6.10-12)
|
前期比
(R6.7-9)
|
前年同期比
(R5.10-12)
|
来期見通しDI
(R7.1-3の見通し)
|
前期比
(R6.7-9の見通し)
|
全体 |
-38.0 |
+2.0 |
+3.9 |
-17.7 |
-7.5 |
製造業 |
-43.9 |
+2.4
|
+0.6 |
-16.6 |
-5.0 |
非製造業 |
-33.5 |
+2.0 |
+6.5 |
-18.5 |
-9.3 |
ヒアリング企業の声
- 業界の景気について、企業からは、「受注は堅調だが、コスト上昇に対し価格転嫁が追い付かず、好況とは言えない。」(一般機械器具)、「新規の引き合いが増えており、今後良い方向に向かうとみている。」(輸送用機会器具)、「物価高が続く中、中小スーパーは厳しい状況にある。」(スーパー)などの声が聞かれた。
- 先行きについては、「中国経済の低迷をより大手企業も業績予想を下方修正しており、不透明感が強い。」(一般機械器具)、「売上げが増える見込みはなく、引き続き厳しい状況が続くとみている。」(その他の小売業)などの声が聞かれた。
特別調査結果
取引先金融機関の貸出姿勢について
- 取引先金融機関の貸出姿勢について聞いたところ、85.0%の企業が「ほとんど変わらない」とする中、「厳しくなった」は9.1%で、前回調査(令和5年10~12月期)より0.2ポイント減少した。また、「緩やかになった」は5.9%で、前回調査より3.1ポイント増加した。
- 金融機関に期待することについて聞いたところ、「金利の優遇」(48.4%)が最も多く、次いで「安定した資金供給」(38.2%)、「担保・保証条件の柔軟な対応」(21.3%)の順となった。
カスタマーハラスメント(以下:カスハラ)対策の取組状況等について
- ここ数年(3年程度)でのカスハラ被害の発生状況について聞いたところ、「発生した」が(8.6%)、「発生していない」(83.3%)であった。
- カスハラ対策の実施状況について聞いたところ、「対策を講じていない」(35.0%)が最も多く、「分からない、把握していない」(24.9%)、「現場において対策を講じている」(15.8%)の順となった。
- カスハラ被害の防止に向けて行政に期待する支援について聞いたところ、「対策に関する情報発信」(40.6%)が最も多く、「企業向けガイドラインの整備」(33.8%)、「カスハラ防止に向けた社会的気運の醸成」(31.5%)の順となった。
報告書
アンケート調査集計表(Excel形式)
時系列データ(Excel形式)