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掲載日:2024年7月18日
Q 泉津井京子 議員(民主フォーラム)
私は、3年前に激しい腹痛と息苦しさに襲われ、救急車で搬送されたことがありました。全身にじんま疹が出ており、一気に血圧が低下していたとのことで、医師からすぐアナフィラキシーショックと判断されて、アドレナリン注射の処置を受けました。私自身、アレルギーの心当たりがある食べ物を食べた自覚がなかったため、大変驚きました。
このように、大人はもちろん児童生徒も予期せぬことでアナフィラキシーショックを起こす可能性があるのではないかと考えております。公益財団法人日本学校保健会の令和4年度の調査によれば、全国の公立小・中・高校には食物アレルギーがある児童生徒が約52万7,000人いるといわれており、緊急時の各学校での現場の対応もとても重要になってくるのではないかと思います。
実際にアナフィラキシーの児童に遭遇した際は、急変した児童を目の当たりにして確実な行動に結び付けることは容易ではなく、ふだんからの実践訓練が必要になると考えます。現在、埼玉県では、学校における食物アレルギー対応マニュアルを作成し、全教職員が学ぶ機会を持てるよう定期的に研修会を実施するほか、学校において実際にエピペントレーナーなどを使用した訓練を行うなど、年間の学校保健計画にアレルギー研修を盛り込むよう周知していると伺っております。
この対応マニュアルの中には、異変に気が付いたら子供から目を離さない、助けを呼び人を集める、症状から重症度を判定し速やかに行動するといったことを念頭に置き、症状から緊急性があるのか、受診が必要か、注意が必要かといったことを判断するチェックリストや、教育現場におられる教職員向けの事故発生時にとるべき対応が分かりやすく示されたフローチャートが作成されておりました。
緊急時に備えて、誰でも見られるようにチェックリストやフローチャートを教室に掲示するなど、更なるアレルギー発生時の対策を図っていただきたいと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
また、小・中学校では学校給食もありますが、給食対応を行うに当たっては、学校生活管理指導表が保護者から提出されていること、その管理指導表を踏まえた個別の取組プランを作成することが必須とされております。その上で、献立表の原材料と児童生徒のアレルギー情報を照らし合わせ、通常の給食対応が可能ではない場合は、保護者と連携しながら一部弁当対応、除去食対応、代替食対応とするなど、各学校の状況に応じて児童生徒の安全を守っていると伺っております。
特に小学校の頃などは、一緒に給食を食べていても、みんなと同じものではないと気になってしまう児童もいるかもしれません。食物アレルギーを持っていない児童に対しても、このようなアレルギーで苦しんでいるお友達への配慮を学級活動で伝え、知っていただく機会があるとよいのではないかと思いますが、教育長の御見解をお伺いいたします。
A 日吉亨 教育長
まず、緊急時に備え、チェックリストやフローチャートを各教室に掲示するなどして、更なるアレルギー発生時の対策を図ることについてでございます。
県が実施した令和5年度の調査で、ほぼ全ての県内公立小・中学校において、食物アレルギーのある児童生徒が在籍していることを把握しております。
そのため、児童生徒に食物アレルギー症状が発生した際には、教職員が速やかに、かつ適切な行動ができるよう日頃から備えておくことは、重要です。
そこで、県では、小・中・高・特別支援学校の養護教諭等を対象に、食物アレルギーに関する対応研修会を実施し、研修成果を校内で周知することで、全ての教職員が適切に対応することができるよう指導しております。
議員お話しの、チェックリストは、アレルギー症状の程度を判断する目安となるものであり、フローチャートはその対応方法についての指針となるものです。
これらを活用することで、教職員が緊急時に取るべき対応を確認し、迅速な行動につながる効果が期待されます。
今後は、食物アレルギーに関する対応研修会等において、チェックリストやフローチャートの有効性に加え、緊急時に備えて各教室への掲示などを呼び掛け、更なる食物アレルギー発生時の対策を進めてまいります。
次に、食物アレルギーでない児童に対し、食物アレルギーで苦しんでいる児童への配慮などを学級活動などで伝えることについてでございます。
児童が食物アレルギーについて知ることは、誤食事故の防止や、食物アレルギーのある児童へ共感し、配慮できるようになるため、重要であると考えます。
県では、「学校における食物アレルギー対応マニュアル」を作成し、食物アレルギーのある児童に個別対応を行う場合、周りの児童が不審に思うことや、いじめのきっかけにならない配慮をすることを示しており、各学校では、本マニュアルに基づき、指導しております。
小学校では、例えば、学級活動の時間において、給食の献立を題材に食物アレルギーについて学ぶとともに、みんなで楽しく食べるためにどうすればよいかを話し合うことで、食物アレルギーのある児童への共感や理解を深める指導を行っている学校がございます。
県では、こうした事例について、食物アレルギーに関する対応研修会で取り上げ、各学校が充実した指導を行うことで、児童が食物アレルギーについて理解を深めるよう取り組んでまいります。
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