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掲載日:2024年7月12日
Q 泉津井京子 議員(民主フォーラム)
「お客様は神様です」という言葉があります。数ある会社の中から自分の会社をお選びいただいたことに心より感謝をお伝えし、対応させていただきます。このことを前職の客室乗務員のときに一番心掛けておりました。
しかしながら、一生懸命に誠意をお伝えしても理不尽なことで返ってくるケースも経験いたしました。例えば、機内で出てきた食事がまずいと私の腕をつかみ、30分以上拘束し、調理方法や加熱時間、調味料までを事細かに質問され、お叱りを受けたこともありました。目の前で怒鳴られたり、腕をつかまれたり、手を上げるしぐさをされるなど、たくさんの経験をいたしましたが、今でも心に残るとても傷つく出来事でした。
これらの問題はもちろん航空業界だけではなく様々な業界で起こっており、社会問題となっております。日本労働組合総連合会は、カスタマーハラスメントの実態を調べるため、2022年に直接被害を受けたことがある675人と、同僚が被害を受けたことがある325人の合わせて1,000人を対象に、インターネットによるアンケート調査を実施しております。
直接被害を受けたことがある675人のうち、76.4パーセントに当たる516人がカスハラを受けたことで「生活上に変化があった」と回答しております。このうち最も多かったのが「出勤が憂鬱になった」、次いで「心身に不調を来した」「仕事に集中できなくなった」「眠れなくなった」などとあります。
国では、厚生労働省が労働施策総合推進法を改正し、従業員を守る対策を企業に義務付ける検討に入っており、また、東京都でもカスハラ防止条例制定に向けた動きがあるとも報じられています。
埼玉県としても、県で作成されたカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを専門家が分かりやすく解説している動画を令和4年度に作成し、県ホームページで配信するなど様々な啓発を行っていただいております。しかしながら、事業者向けとはいえ、作成した動画の再生回数は累計で300回程度であると伺いましたが、とても少なく、県内企業に問題意識があまり浸透していないのではないかという印象があります。
また、国が令和5年度に行った職場のハラスメントに関する実態調査によると、カスタマーハラスメントを経験した割合については、生活関連サービス業、娯楽業が16.6パーセント、卸売業、小売業及び宿泊業、飲食サービス業が16パーセントなど、接客頻度が高い業種ほど迷惑行為を受けていることが分かります。これらの特に相談、訴えの多い業種へのケアをするとともに、対策が県内企業へ広がるよう支援する必要があると思いますが、知事に御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
まず、「カスタマーハラスメント対策について」のお尋ねでございます。
顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントは、労働者に大きな精神的ストレスを与えるのみならず、業務の遂行に支障を生じさせるなど、従業員と企業の双方にとって切実な問題であります。
また、人手不足が深刻化する中、安心して働くことができる職場環境を整備することは、人材の確保・定着の面からも重要であると認識をしております。
対策の推進に当たっては、何よりも、企業のトップがその重要性を理解し、企業として組織を挙げて取り組むことが重要であります。
そこで、県では、相談や訴えの多い業種の先進事例の共有や対策のポイントなどをテーマとした経営者向けセミナーの開催や、社会保険労務士等の派遣により、支援を強化してまいります。
議員お話しの動画につきましては、改めて、経営者のカスタマーハラスメント対策の重要性の意識を啓発すべく、要点を短くまとめた新たな動画を作成し、経済6団体や労働団体、飲食、宿泊、旅客等の接客を業務とする業界団体等へ視聴を呼び掛けるほか、県の事業者向け公式ライン等を活用して、周知を徹底してまいります。
加えて、埼玉県公労使会議の枠組みで、12月の「職場のハラスメント対策強化月間」を中心に、セミナー開催や個別相談、国や県の支援策の周知等を集中的に行い、構成団体と連携して、企業の取組を支援してまいります。県といたしましては、法整備に向けた国の動向を注視しつつ、安全で働きやすい職場環境が確保され、企業が適切な事業活動を行えるよう必要な支援をしてまいります。
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