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掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(渋谷真実子議員)

教育現場における子供の健全な育成に向けた取組について-起立性調節障害等への理解促進と児童生徒への対応について-

Q 渋谷真実子 議員(自民)

皆様は起立性調節障害という病気を御存じでしょうか。朝起き不良、めまい、失神、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に起こりやすい自律神経機能不全の一つです。午前中に調子が悪く、午後に体調が回復するという傾向もあり、夜に目がさえて寝られず起床時刻が遅くなり、悪化すると昼夜逆転生活になることもあるそうです。小学生の約5パーセント、中学生の約10パーセントがこの障害を抱えており、登校を渋ることや不登校にもつながる要因の一つであると言われております。
私は、実際に起立性調節障害と診断された子供の保護者から話を伺う機会がありました。起立性調節障害が病気であることを示しても学校の先生が理解してくれず、本人や家族は非常に悩んでしまったそうです。また、同じように周囲の理解が得にくいものとして、音や光などの外界の刺激や他人の言動に敏感に反応してしまう特性を持つ子供たちがおり、心理学上の用語ではHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とも言われ、学校内で教員や周りの児童生徒に理解されず、嫌な思いや心に傷を負って長期間登校できないこともあると聞いております。思春期に負った心の傷は簡単にはいえず、その子の人生にも大きな影響が出ます。
一方、これらは周囲の適切なサポートによって多くの場合、状況が改善されることから、子供たちが長い時間を過ごす学校における取組は極めて重要です。
そこで、教育長に伺います。
起立性調節障害など見た目だけでは判断が難しい疾患や特性について、教職員や周りの児童生徒が正しく理解することが重要であると考えます。その上で、児童生徒に対し、きめ細かい支援をしていくことも必要と考えますが、県の取組について伺います。

A 日吉亨 教育長

まず、教職員や周りの児童生徒が正しく理解することについてでございます。
起立性調節障害等の児童生徒にとっては、朝起きられない、倦怠感といった症状から、「怠け」などと誤解されることもあり、疾患や特性に対し、教職員や周囲の児童生徒が正しく理解をすることは重要と認識しております。
また、児童生徒の健康課題は多種多様であることから、各学校では、養護教諭を中心に教職員研修を行っているほか、保健の授業等において、本人の心情に配慮しつつ、周囲の児童生徒が理解を深めるよう指導しています。
県では、今後、起立性調節障害など、見た目では判断が難しい疾患等に関し、養護教諭以外の教職員が理解を深めるため、保健主事研修会や市町村担当者の会議などを通じて啓発してまいります。
また、教職員の理解不足が不登校の要因の一つになり得ることから、不登校の対応に関する教職員研修資料などにおいても、起立性調節障害などへの配慮について取り上げてまいります。
次に、配慮の必要な児童生徒へのきめ細かい支援についてでございます。
起立性調節障害などの児童生徒の健康課題に対しては、個に応じた配慮が必要であることから保護者の協力を得ながら、本人の体調に寄り添った支援を行うことが重要です。
そのため、学校では、疾患や特性により、学校生活に困難さを感じている児童生徒に対しては、主治医の指示に基づき、規則正しい生活など個別の保健指導を行うとともに、体調によっては保健室で休養させるなど、必要な配慮を行っております。
県では、引き続き、各学校が毎日の健康観察などを通じて、起立性調節障害を含めた、児童生徒の健康状態を的確に把握した上で、きめ細かい配慮を行うよう、市町村担当者の会議等で市町村や学校に対し、働き掛けてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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