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ページ番号:201444
掲載日:2024年7月4日
Q 吉良英敏 議員(自民)
実態調査では、ヤングケアラーのうち6割が支援を求めており、求められている支援の中身はというと、ざっくり言うと半分は物理的なサービスではなくて心の問題であるということが分かりました。正に心のケアを充実させなければいけない。
ただ治すということではなくて、例えば共にいることとか、あるいは生きる意味だとか、様々な人生相談などもあるでしょう。また、ケアの仕方も例えばハンドセラピー、さすってもらうだけで落ち着くとか、あるいはヤングケアラー支援で進んでいるイギリスなどでは支援の一環で瞑想の時間もあります。すなわち、答えを用意している専門職につなげることばかりではないと思うんです。
こうした心のケアについてどのように取り組んでいくのか、教育長に伺います。
A 高田直芳 教育長
ヤングケアラーは悩みや不安、葛藤など様々な思いを胸に納め、自分一人で辛さを抱え込んでいることが多いため、心のケアを適切に行っていくことが大変重要です。
学校では、教員やスクールカウンセラーなどが日頃の児童生徒の様子を把握した上で、親身に話を聞くなど児童生徒の気持ちに寄り添った支援を行っております。
また、ヤングケアラーにとって自分の生活や時々の気持ちを素直に伝えられる友人がそばにいることも心の支えになり、何でも話し合うことができ、互いに悩みを打ち明けられるような人間関係をつくることも大切です。
私は、ヤングケアラーを含めた全ての子供たちにとって、学校は学びの場であるとともに、教員と子供たち、あるいは子供たち同士の信頼を基にした良好な人間関係の中で、安心して一日を過ごせる居場所であってほしいと考えております。
議員御指摘のヤングケアラーの心のケアにつきましては、このような学校づくりを進める中で、児童生徒一人ひとりに寄り添いながら、丁寧に対応してまいります。
再Q 吉良英敏 議員(自民)
スクールカウンセラーが寄り添う、あるいは丁寧にというお言葉をいただきました。ただ一方で、先ほど申し上げたとおり、教員の負担、こういった問題もあります。また、私たちはすぐ専門職につなぐという言葉を使ってしまうんですけれども、例えばカウンセリングにしてもどこか治療という感じがあって、すごく抵抗があるという声が非常に多い。あるいはスクールカウンセラー、先ほど寄り添うという話ありましたけれども、スクールカウンセラーにあまり相談していないという調査結果もあるんですね。でも一方で、実態調査では、相談したい、話を聞いてほしいと、そういうニーズがあることが今回分かったんです。
これは私の自論なんですが、学校とか社会の中に例えば目的のない場所、こういったところが必要なのではないかと思うときがあります。例えば家族や家庭、こういったものに目的があるか、あるいは成果指標が家族とか家庭にあるか。ただ安心して、ただほっとする場所が子供たちに必要になっているのではないかと思うときがあります。社会全体で心のケアに取り組むとは、そういうことなのではないかと思うことがあります。
神奈川県立田奈高校とか、あるいは神奈川県立大和東高校では、地域の人が中心となって学校の図書館にサロン、カフェみたいなものを開設して、昼休みとか放課後には何か甘いものを食べたりとか、あるいは音楽が流れていると、そういったくつろげるような場所ができ始めております。
ふだん執行部の皆さんには、成果指標とかPDCAとかと言っている我々でありますけれども、こういった広い意味での目的のない場所というか、そういったものも必要ではないかなと思うところでございます。
もう少し先ほどの再質問となりますけれども、具体的な考えも含めてそういった取組はないのか、お伺いいたします。
再A 高田直芳 教育長
ヤングケアラーといわれる世代は思春期でございますのでどうしても、自分のことを周りによく見せたいという思いが強い世代でございます。
したがいまして、ケアラーとして家族の介護に当たっている中でも、そのことをあまり人に知られたくない、ほうっておいて欲しいという思いがある子供もいます。
あるいは、そのことを理解して寄り添って欲しい悩みを聞いて欲しいという子供もいます。一人ひとりの寄り添い方、黙って側に座っていてくれればいいという生徒もおります。
そうした中で、様々な、生徒それぞれの性格などもございますので、その一人ひとりの人間性にあった支援をしていく必要があるかと思います。
その中で、議員から御提案のありました図書館ですとか、あるいは、子供によっては部活をやっていれば部室ですとか、自分が肩の力を抜ける場所があるということが、非常に大事だというふうに思っております。
学校の中でなかなか場所に制約があるかもしれませんが、そうした場所を見つけられるように学校にも指導してまいります。
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