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掲載日:2024年7月4日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(吉良英敏議員)

ヤングケアラー支援を推進するための施策について

Q 吉良英敏 議員(自民)

6月18日の閣議決定で、ヤングケアラー支援が骨太方針に明記されました。国が本格的に支援するということです。お金が付いてくるということです。
一方、ヤングケアラーの認知度は、令和2年度16%にとどまっており、まだまだ認知されていません。そこで、本年度のケアラー支援普及啓発事業では、小学4年生から高校3年生までの全ての児童生徒及び教職員を対象として、70万部のヤングケアラー支援のためのハンドブックを作成、配布するとしています。
全員に配布するということで非常に強い意気込みを感じる一方、作成は福祉部、配布は教育局、それぞれが対応するということで、福祉部との連携がとても重要になると思います。
このハンドブックを通じて適切な知識を行き渡らせ、社会全体で支援するといった目的をどのように果たしていくのか、教育長に伺います。

A 高田直芳   教育長

児童生徒に対しヤングケアラーについて正しい知識を指導する上で、ヤングケアラー支援のためのハンドブックを活用することは大変効果的であると考えております。
ハンドブックの作成に当たっては、教育局も協力しながら福祉部で作成を進めており、ヤングケアラーの定義や相談窓口などの内容が盛り込まれることとなっております。
このハンドブックを活用することにより、児童生徒自身がヤングケアラーである場合には、気軽に悩みを相談できる人や専門の窓口があることを知ってもらうことを期待しております。その他の児童生徒には、周囲には家族の看護や介護をしている友人がいて、理解や支援を必要としていることを知ってほしいと考えております。
また教員には、このハンドブックを活用して、ヤングケアラーがどの学校、どのクラスにもいるという認識の下、児童生徒が自分自身や他人を共に尊重する態度や良好な人間関係を築く力などを身に付けられるよう指導することが求められています。
そのために、ハンドブックを配布する際には、作成の目的はもとより授業などでの活用の方法、留意点などについて具体的に示し、各学校で積極的に活用されるよう促してまいります。
県といたしましては、このハンドブックを活用した指導を通して、ヤングケアラーに対する理解と支援が社会全体につながるよう、積極的に取り組んでまいります。

再Q 吉良英敏 議員(自民)

教育長から何度も積極的に取り組むと御答弁いただいたんですけれども、再質問させていただきます。
これは言葉で言うほど簡単ではないと、私は思っております。これは教育長が一番分かっていらっしゃるのではないかなと思います。要は教員の負担の問題があります。教育長は今年、予算委員会で教員の負担軽減が叫ばれる中でも、ヤングケアラー支援はやはり教員が中心となってやるべきと答弁されました。
先日、あるスクールソーシャルワーカーさんと話す機会がありましたが、その方が「疲れているのは、病んでいるのは学校のほうじゃないか」、そんなこともおっしゃっていました。ヤングケアラー支援の前に教員支援をするべきではないか、そうも思うくらいです。
それでもしっかり取り組めるのか、再度教育長の御答弁をお願いいたします。

再A 高田直芳   教育長

教員の多忙化につきまして言及をいただきましたことありがたく思います。
ただ、教員はやはり目の前の子供たちが困っているという状況があれば、それは放っておけないというのが教員の本来の姿であると思っております。現場の働き方改革を進めながら、ケアラー支援が適切に進むよう取り組んでまいります。

再々Q 吉良英敏 議員(自民)

もうそれ以上、教育長、お答えになれるところはないと思いながらも再々質問させていただくのは、これは「ヤングケアラー」という言葉が浸透しづらいからであります。新しい言葉、概念、しかも横文字であります。
昨日、浅井議員にも取り上げていただきました。例えば若者の自殺が減っていない問題であったり、あるいは不登校の問題、改めて言うまでもなく貧困、様々な問題がある。これは子どもの権利条約に関わるこのヤングケアラーというのは重大なことでもあります。これでヤングケアラーの支援にしっかりと取り組めなかったら、私はSDGs、ましてや埼玉版SDGsと掲げている意味がないと思っております。
1つ、思うことがですね、教育長は例えばヤングケアラーを減らすべきだと考えていますか。それともそうでないと考えていますか。これはまだ質問ではありません。
私の自論というか思いなんですけれども、ヤングケアラーを少なくしなくてもいいと思うんです。ただ、ヤングケアラーになっても大丈夫だよ、あるいはそんな安心してみんなでケアできるような社会にする、福祉教育ですね。あるいは子供たちが大人になったときに、例えば子供が障害を持って生まれてきても大丈夫なんだよ、みんなで支えるよ、支援するんだよ、そういう社会を目指していく。非常に深いものであると思っております。あるいは現場では、お前、ヤングケアラーじゃないのか、家庭内介護なんかしなくていいんだよ、大丈夫なんだぜ、そういうような間違った認識を届けてしまう可能性もあるんです。そのためにもしっかりとした適切な福祉教育はしなければいけない。それぐらいの思いを持っております。
改めて、教育長の御見解を伺います。

再々A 高田直芳   教育長

様々な家族の状況の中で、家族に対して親御さんですとかあるいはおじいちゃんおばあちゃんですとか兄弟ですとか、いろんな家族に対して自分が家族の中で果たすべき役割として看護や介護を担っていると、そのことを家族から感謝されて誇りに思っているという生徒もいるかもしれません。
ですから一概に私も議員お話しのとおりヤングケアラーを減らすべきだという考えは持っておりません。
ただ、そうした状況の中で自分の思いとは別に、学校に行けないとか、あるいは勉強に時間が割けないとか、部活動が満足にできないとかいう状況があれば、それは学校としては放置できないというふうに思っております。
ヤングケアラーとしての気持ち、立場をしっかり理解しながら子供一人ひとりに合った支援ができる学校にしてまいりたいと存じます。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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