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ページ番号:200742
掲載日:2024年7月4日
Q 岡村ゆり子 議員(県民)
埼玉県警が昨年1年間に認知対応した児童虐待疑いの事例が1万272件と、2004年以降で最多、全国でも2番目に多く、一時保護所に入らざるを得ない子供も増えております。
県が設置している一時保護所は現在四か所あり、入所率は97.4パーセントとほぼ満員状態です。
この状況を受け、令和5年度には熊谷児童相談所に一時保護所を設置する予定となっております。
一時保護といっても子供たちの生活の場となるわけですから、新設される一時保護所はプライバシーが守られ、家庭的な雰囲気、多様性に配慮したものになることを期待し、現状の課題を少しでも解消できるよう今回質問いたします。
一時保護所の入所期間は原則として2か月以内とされております。
厚生労働省の資料によりますと、入所期間の全国平均日数は31日ですが、本県は40.3日と平均を超えている現状です。
最長になると1年近い子もいると聞き及んでおります。
平成25年度の48日と比べますと改善されておりますので、現場の皆様の御努力は見られますが、より一層の取組が必要です。
そこで、入所期間を短縮させるための取組についてお伺いいたします。
入所の期間の短縮、つまり一時保護状態をいかに早く解除するかということですが、子供及び家族等の状況等を踏まえ、子供の安心・安全が再び損なわれることのないよう慎重にアセスメントが行われるべきであり、親子再統合に向けた支援や適切な措置の受皿の確保など継続的な支援体制を整えることが必要であるため、簡単に短縮できるものではないことは理解しております。
しかしながら、突如親や兄弟と離れて暮らすこととなり、友人と連絡をとることも、学校にも行くこともできず、外出も制限され、自分の意思で日々の生活を送ることができない現状は、子供にとっては大変つらく、納得できないと心が荒れ、自らの存在意義を見いだせなくなってしまう子もいるでしょう。
兵庫県では入所後3週間以内に援助方針を決定し、退所するための3週間ルールを設けているとのことです。
あわせて、一時保護に特化した研修を適宜実施し、専門性の向上を図ることで迅速な対応につながる取組を強化しているとのことです。
そこで、知事にお伺いいたしますが、本県の現状をどのように捉え、今後どのように改善していくべきとお考えになっているのか、御答弁を願います。
A 大野元裕 知事
一時保護は通学や外出などに制約を強いることから児童にとっては極めて大きな環境の変化であり、精神的にも大きな不安を伴うものと認識しております。
児童本来の生活に1日も早く戻してあげたいという気持ちは、議員と共有していると思います。
他方で、首都圏に位置している本県では、一時保護件数が増加しているほか、御指摘のとおり入所日数も長くなっている状況にあります。
一時保護においては児童にとって最善の支援方針を決定することが何より重要であり、一義的に解除を優先させるだけとはなりません。
このことは議員にも言及をいただきました。
一時保護の解除に当たっては家庭環境の調査や児童の心理診断などのアセスメントを丁寧に行うとともに、児童・保護者への十分な説明を行い、その理解を得る必要があります。
一方で、適切な対応を迅速に行うことも、また必要です。
本県では個々の児童の状況に対応するため、職員に対して一時保護に関する専門研修を実施し、児童が適切な期間で退所できるように努めております。
私は、児童が安心・安全に過ごせる環境の整備や児童の成長を社会全体で支えていくことが極めて重要であると考えており、知事就任以来、児童虐待対策に力を注いでまいりました。
児童虐待対策の中心となる児童福祉司を令和2年度は52人、令和3年度は43人、それぞれ増員いたしました。
引き続き、児童福祉司について新たな配置基準が適用される来年度に向け増員を図り、適切かつ迅速な対応に努める体制を構築します。
また、令和5年度に熊谷児童相談所に新たな一時保護所を整備するほか、令和7年度には南西部地域に一時保護所を併設した県では8番目の児童相談所を新設するなど、児童相談所全体の体制強化も図ってまいります。
今後とも児童の安全確保を前提とし、こうした取組や体制の整備を通じて一時保護日数の短縮など、児童の最善の利益を守れるよう全力で取り組んでいきたいと思います。
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