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掲載日:2019年6月26日
Q 諸井真英議員(自民)
野党が提出した法案にあるように、保育園の受入枠を40万とか50万人増やして、それに対応する保育士を増やせたとして、月5万円とか10万円とか給料を上げたとして、毎年兆を超える単位の恒久財源が確保できるのでしょうか。消費税を10%に上げたとしても現状で4,000億足りないと言っていたのに、できるとは到底思えません。消費税引き上げを2年半延期することが決まった中、ない袖は振れない、今のままの路線で福祉を充実させていくことはどこかで行き詰まる、無理なのではないでしょうか。
また、この問題のためなら、北欧諸国のように消費税20%とか25%になってもいいという考え方なのか。受益者負担の観点や福祉のあり方、地方の役割を考えたとき、県のあり方として今のままでいいとはとても思えません。
埼玉県でも待機児童を減らそうと本年度は86億かけて6,500人の受入枠の拡大、小規模保育の規制緩和、ワーク・ライフ・バランスの推進などいろいろな政策を行ってはいますが、現実には待機児童は増え、しかも女性活躍とか、ウーマノミクスとか言っていたにもかかわらず、ここ数年25歳から44歳の女性の就労者数は横ばいであり、2014年から15年は減っております。出生率も増えておりません。つまりはイメージだけの税収増対策、少子化対策であり、以前知事が御答弁されたとおり、ウーマノミクスとは機運を高めているだけのものであって、実際の数字にその効果が出ていない。女性の就業者数は増えていないのに待機児童は増えている。結局、この二つには因果関係がない。さらには税収増にもつながっていない、子供も増えていないのだとすれば、これは政策的には誤り、今まで投じた予算は無駄ではないのでしょうか、知事の御所見を伺います。
結局のところ、保育士不足を解消し待機児童を減らすには、保育園で死ぬ子供を減らすには、親が働き方を変えて11時間も預かったり延長保育などしないで、0、1、2歳をできるだけ親と一緒に過ごせるようにする、保育所整備にお金を使うのではなくて、自分で育てる親にこそお金を使うべきだと思いますが、併せて知事にお伺いをいたします。
A 上田清司 知事
諸井議員の、大人の都合ではなく、子供の視点に立った保育政策をという常に本質をついた議論に敬意を表したいと思います。
保育の本質は、幼児が親の愛情を受けて、健やかに、はつらつと育つことであることは言うまでもありません。
同時に女性がその才能や天分を生かしながら子育てをする、そういうことをしっかり支えることも重要ではないかという問題もございます。
両方とも同時に進めることは困難ではありますが、この困難に挑戦する女性を支えることも政治や行政の大事な仕事だと思っております。
このため、育児介護休業法や女性活躍推進法などの法律が整備されてきたものと認識しております。
まず、ウーマノミクスについてでございます。
議員のお話では、全国では25歳から44歳までの女性の就労者数は横ばいで、2014年から2015年の1年間は減っているとのことでございます。
総務省の労働力調査によると、ウーマノミクスプロジェクトを展開する本県のこの世代の就労者数は、2014年から15年に掛けて約1万5,000人増えております。
2010年から2015年にかけて、本県におけるこの世代の就労者数の増加率が4.0%で、全国の増加率1.2%を2.8ポイント上回っております。
発射台が低かったという課題もありますが、ウーマノミクスプロジェクトの効果は確実に出ているものと認識しております。
次に、保育所整備にお金を使うのではなく、自分で育てる親にこそお金を使うべきではないかというご質問でございます。
乳幼児期は、心情、意欲、態度、基本的生活習慣など、生涯にわたる人格形成に大変重要な時期であると思っております。
子供の立場に立てば、母親が子育てに専念する方がよいという意見もあります。
しかし、今日では都市においては、住居の形態もオートロック型のマンションなども多くなっております。
兄弟やいとこなどの数も少なく、また、近所の子供と遊ぶ機会も少なくなっています。
そうした中で、より多くの子供や大人に囲まれて育つことが子供の社会性や人格形成上、必要だという議論もございます。
愛情深い両親であれば自宅に帰ってから、あるいは休日なども含め、立派に子育てをされているのではないかと思います。
昨今の経済状況もあり、経済的な理由からやむを得ず子供を保育所に預けて働かなければならない家庭もございます。
また、一人の人間として社会参加を望んだり、仕事を続けてキャリアを積みたいと考える女性もいらっしゃると思います。
女性が働きながら子育てするためには、ある意味では保育所を整備する必要がございます。
一方、県内では3歳未満の子供の約7割が家庭で育てられている状況がございます。
私は保育施設を利用していない家庭に対しての施策も極めて重要であると考えております。
例えば、子育て中の家庭が地域で気軽に利用し、悩みを相談できる「地域子育て支援センター」の設置数は、平成17年度末の176か所から10年後の平成27年度末には543か所となり、3倍以上に増加しております。
また、平成28年度は約10億円の予算を確保し、運営費を助成しております。
私もこれまで何か所もこの子育て支援センターを訪問してまいりましたが、どの施設も、お母さんたちや保護者にとっては極めてよい評価を受けておられる、こんなふうに認識をしました。
また、向こう三軒両隣の助け合いの仕組みで、子供を預けたい人と預かることができる人をつなぐ「ファミリー・サポート・センター」の設置も推進しております。
平成27年度は60市町で実施されており、会員数が約4万4,000、利用件数も約16万件に上り、年々増加しております。
平成28年度は運営助成費として約1億4,000万円を計上しております。今後とも、親の就業の有無にかかわらず、未来を担う子供たちが十分な愛情の中で健全に育っていけるような子育て支援策を推進していきたいと考えております。
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