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掲載日:2025年3月26日
Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
本県では、令和元年9月に学校における働き方改革基本方針を策定し、令和3年度までの3年間の評価・検証を行い、さらに同年度に全校種で実施した勤務実態調査の結果を踏まえ、基本方針を改定しました。
令和4年度からは新たな基本方針の下、様々な取組を進めており、今年度(令和6年度)がその最終年度に当たります。基本方針では教員の時間外在校等時間を月45時間、年360時間に抑えることを目標に掲げ、100パーセントの達成を目指してきました。
しかし、全国的にも教員の長時間労働は依然として課題となっており、本県においてもこの目標がどの程度達成されているのか、具体的な検証が求められます。
そこで、まず、現基本方針の最終年度である今年度までの取組について、実際に月45時間、年360時間以内の教員の割合がどの程度達成されているのか、最新の達成状況とその評価についてお聞かせください。
次に、長時間労働の要因としては、授業準備、部活動指導、事務作業、保護者対応などが挙げられます。これらの負担軽減に向け、文部科学省の事務次官通知(平成31年3月)に基づき、学校教員が担っていた業務の仕分が行われました。
この通知では業務を、(1)基本的には学校以外が担うべき業務、(2)学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務、(3)教師の業務だが、負担軽減が可能な業務の3分類14項目に整理し、教員の業務負担軽減の方向性を明確化しています。
この方針を受け、本県でも教員業務支援員(スクールサポートスタッフ)の活用による事務作業の負担軽減や部活動指導員の配置による部活動の指導負担軽減を進めています。また、部活動の地域移行やICTの活用による業務の効率化、分業化も併せて進めているところです。
そこで、現基本方針の下、教員の負担軽減策がどの程度進んでおり、どの程度の効果を生んでいるのか。また、そもそも本県では長時間労働の一番の要因を何だと考え、今後どのような過程や方策を経て最終的に長時間労働を解消していくお考えなのか、見解をお伺いいたします。
さらに、県立学校に比べ、市町村立学校では、予算の制約から学校現場での対応にばらつきが生じることが懸念されます。こうした状況を県としてはどのように捉え、各市町村へ支援を今後どのように進めていくお考えなのか、方針をお聞かせください。
最後に、次期基本方針の策定に当たり、目標達成に向けた施策の効果検証がどのように行われているのか、その検証手法について。また、次期基本方針において、更なる働き方改革に向けて本県が特に重視する取組について、併せてお聞かせください。
以上、教育長にお伺いいたします。
A 日吉亨 教育長
まず、目標の最新の達成状況とその評価についてでございます。
時間外在校等時間月、45時間以内の教員数の割合は、令和6年11月時点で、小学校で81.7パーセント、中学校で61.8パーセント、高等学校で74.1パーセント、 特別支援学校で91.9パーセントとなっております。
令和3年11月時点と比較し、小学校で29.8ポイント、中学校で20.4ポイント、高等学校で9.2ポイント、特別支援学校で7.3ポイント改善しております。
また、年360時間以内の教員数の割合は、令和5年度末で、小学校で43.0パーセント、中学校で31.2パーセント、高等学校で56.7パーセント、特別支援学校で77.4パーセントとなっております。
令和3年度末と比較し、小学校で12.1ポイント、中学校で3.6ポイント、高等学校で3.1ポイント、特別支援学校で8.5ポイント改善しております。
一定の改善が見られるものの、最新の達成状況からは、令和6年度末での目標達成は厳しいものと認識しております。
次に、教員の負担軽減策の進捗状況とその効果についてでございます。
現基本方針では、目標達成に向けた四つの視点に基づき、教員の負担軽減策として、約120の取組を行っております。
具体的な進捗といたしましては、県立学校では、令和5年度にペーパーレス支援ソフトを全校導入するなど、65の取組を行っております。
これらの取組により、令和6年11月の時間外在校等時間の平均が、令和3年同月比で、高等学校、特別支援学校ともに約5時間減となっております。
市町村立学校では、教員業務支援員を令和3年度から令和6年度にかけて、306人拡充して、現在704人配置するなど、56の取組を行っております。
これらの取組により、令和6年11月の時間外在校等時間の平均が、前年同月比で、新規に配置した小学校で約4時間減、中学校で約6時間減となっております。
次に、時間外労働の一番の要因や、今後どのような過程や方策を経て、時間外労働を解消していくのかについてでございます。
令和6年6月に実施した勤務実態調査において、授業準備、部活動指導、会議、校務分掌に伴う事務作業など、多様な業務に教員の時間が割かれていることが明らかになっております。
このことから、時間外労働の一番の要因は、教員が担う業務の種類と量、それぞれの多さであると考えております。
今後の過程や方策につきまして、県では、国が示した「学校・教師が担う業務に係る3分類」に基づき、教員の業務の適正化に向けて、業務の切り分けを徹底してまいります。
併せて、ICTの効果的な活用や県が行う学校への調査の削減などに取り組み、長時間労働の解消を図ってまいります。
次に、市町村立学校では、予算の制約からばらつきが生じることが懸念されることについて、どのように捉え、今後どのように市町村を支援していくかについてでございます。
各市町村では、限られた財源の中で、創意工夫し取組を進めておりますが、進捗状況にばらつきが生じることは望ましいことではないと捉えております。
県といたしましては、予算の状況も含めて市町村から丁寧に話を伺い、その状況に合わせた効果的な事例を紹介するなどして、市町村を支援してまいります。
また、市町村ごとの取組状況や時間外在校等時間をホームページで公表するなど、見える化を進め、市町村が目標達成に向けた取組の進捗状況を客観的に把握しながら働き方改革を推進できるよう、強く働き掛けてまいります。
さらに、管理職が自校の状況を分析し、課題解決に主体的に取り組むことが重要であることから、市町村の要請に基づき、管理職対象の研修会などにおいて、管理職のマネジメントについて指導・助言してまいります。
次に、次期基本方針策定に当たり、施策の効果検証がどのように行われているのか、また、次期基本方針において特に重視する取組についてでございます。
目標達成に向けては、これまでの取組の効果を的確に検証し、更なる改善を進めることが必要だと考えております。
取組の効果については、教育局幹部職員で構成する「働き方改革に係るフォローアップ委員会」において、各取組の達成状況に対し、業務削減の程度等、客観的な指標を用いて毎年度検証を行っております。
さらに、有識者や保護者の代表などで構成する「多忙化解消・負担軽減検討委員会」においても、取組の達成状況などについて意見をいただいております。
次期基本方針では、特に3分類を踏まえた業務の更なる適正化を重視し、あらゆる手段を用いて教員の長時間労働の解消を図ってまいります。
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