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掲載日:2024年7月12日
Q 松井弘 議員(自民)
都市農業は新鮮な農産物の供給、地産地消の推進、良好な景観の形成、農業体験の場の提供など、多様な機能を有しています。
また、国では都市農業の安定的な継続、また、良好な生活環境の確保を図るとともに、この多様な機能を適切かつ十分に発揮し、良好な都市環境の形成に資することを目的として都市農業振興基本法を定めており、さらに生産緑地法や租税特別措置法の改正等により、保全されるべき農地の面積要件の引下げを可能としたり、相続税等の納税猶予の適用拡大をするなど、都市農業の計画的な保全を図っているところです。
私の地元朝霞市では、ニンジンなどの野菜を中心に様々な農産物が生産されており、都市近郊の立地を生かした庭先販売や農協への出荷など、地産地消の取組が積極的に行われています。また、市内の小・中学校において児童生徒が野菜栽培や米づくりなどを行う学校ファームに取り組んでおり、都市部の農地は子供たちへの食育の場として体験ができる重要な役割を果たしています。
しかし、農業従事者から現状について話を聞きますと、「都市部においては、今後10年を過ぎると畑がなくなると思う」「生産しても毎年赤字になっている」「不動産所得の収入がないと生活できない」という声が返ってきます。また、後継者の若手農業従事者からは、「様々な法改正はありますが、都市農業の手助けとはならない」とも言われました。これが都市農業の現状なのです。
県内の市街化区域における農地は、平成29年に4,101ヘクタールであったものが、令和4年には3,422ヘクタールと5年間で679ヘクタール、東京ドーム約145個分が減少しており、このままでは都市部の農業は衰退の一途をたどることが懸念されます。
生産緑地法には災害の防止の観点も含まれておりますが、災害が激甚化する中、今後、避難場所やオープンスペースの提供、火災時の延焼防止などの役割を担う畑など緑地がなくなることは、災害時対応の機能低下になるおそれがあると思います。県としても都市部の農業の現状を踏まえ、改めて必要性を国に対して働き掛けていただきたいと思います。
そして、このような都市農業の現状を踏まえ、都市部における農業の振興を図るための県の取組について、農林部長に伺います。
A 横塚正一 農林部長
都市部の農地は、新鮮な農産物の供給や防災空間の確保など多様な機能があり、県としても都市農業の振興は重要な課題と認識しています。
県は、これまで、都市農業の振興のため、新規就農者や6次産業化の支援、地産地消の推進等に取り組んできました。
また、令和5年11月には、関東地方知事会を通じ、都市部の農地保全のため、相続税納税猶予制度の適用拡大を国へ要望いたしました。
都市農業は農地に限りがあり規模の拡大が難しい一方、消費地に近いという販売面での優位性があり、この強みを生かすため、付加価値の高い農産物を生産し、多様な販売先を確保することが重要です。
このため、生産面では、都市部においても導入が進むいちごの栽培をはじめ、付加価値の高い新たな農産物の導入などを支援しています。
また、販売面では、量販店等における県産農産物コーナーや県産農産物を活用した食品や料理を積極的に取り扱う県産農産物サポート店を増やすなど、販売先の確保を支援しています。
貴重な都市部の農地を守るため、機会を捉え、国に対し、多様な機能を持つ都市農業の必要性を働きかけるとともに、限られた農地においても、より高い収益が得られる持続可能な都市農業の振興に取り組んでまいります。
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