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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(吉良英敏議員)

子ども食堂の支援について

Q   吉良英敏   議員(自民

子ども食堂は今、全国に広がっています。3年前の2016年に全国で319カ所だったものが、現在は3,500カ所、3年で10倍以上です。いかにニーズがあるのか、この数字が如実に表わしています。県は、全国に先駆けて子ども食堂を県内全ての小学校校区800カ所に設置する目標を掲げています。しかし、地域によって状況は様々、統廃合目前の地域も少なくない中で、なぜ均一設置なのか。地元のあるPTAの総会で全校区に設置する、その話をしたときに明らかに首をかしげられる場面もありました。埼玉県はこの4年間、地域包括ケアシステムをはじめとする福祉政策で市町村単位で任せる御当地主義、あるいは部局横断的に取り組む方針を掲げてこられました。
そこで、福祉部長に伺います。子ども食堂のニーズをどのように把握をして今回この目標、計画を立てられたのか、なぜ今回の場合は御当地主義でなく均一設置の目標にしたのか、根拠を教えてください。さらに、全校区に設置するのであれば、子供の移動負担などを考慮すると学童もある学校内でやることが安心で効率的と考えますが、なぜやらないのか、御答弁をお願いいたします。
次に、子ども食堂の拡大が更にニーズを掘り起こしてしまっている現状について質問します。
幼児教育も無償化、学童クラブも増やす、食事も提供する、ただならもらう、無償なら預ける、自腹を切るのはあほらしい、作れば作るほど、無償化すればするほど需要が増えていく。時としてまじめに頑張っている人がばかを見ることにもつながりかねない。かえって家庭や地域の責任や力を弱めてしまうときもある。昭和のときに貧しくても子供たちのために我慢をし、頑張れたのは希望があったからです。今は希望のない社会、夢のない政策を行っている、そう言っても過言ではないかもしれません。
そこで、以下、福祉部長に質問いたします。
一つ目、子ども食堂が本当に必要な子供に当てられる工夫はどのようにされていますか。
二つ目、そもそも子ども食堂のニーズが起こらないために、要は子ども食堂がなくてもいい世の中にするための県の希望ある方針と、子育て環境はこうあるべきだと、基本的な考え方を教えてください。

A   知久清志   福祉部長

まず、どのようにニーズを把握して800という計画を立てたのか、ご当地主義でなく均一設置にしたのかについてです。
子ども食堂の運営に携わる方や利用者からは、「子供が歩いて行ける距離で欲しい」という声が多くございます。
県ではこうした地域の声を踏まえ、子供の居場所の望ましい数として各小学校区に一つの割合、約800カ所が一つの目安となると考えています。
子ども食堂は、地域に対して強制するものではなく、地域住民による自主的な取組として行われているものでございます。
また、県内全ての地域において均一的に居場所を作ることを押し付けるものでもございません。
次に、子ども食堂は、学童もある学校内でやることが効率的と考えるが、なぜしないのかについてです。
子ども食堂をはじめとする居場所は、一律に効率を求めるのではなく、地域の特色や運営者の自主性を生かしながら多様な形で展開されていくことが重要と考えます。
例えば、お寺でお供え物を有効活用している子ども食堂もあれば、農業体験を取り入れた畑付き子ども食堂もあります。
なお、学校内での実施については、他県で好事例もありますので、今後、市町村や教育委員会など関係機関と情報共有をしてまいります。
次に、子ども食堂が本当に必要な子供にあてられる工夫などはどのようにしているのかについてです。
現在、我が国の子供の7人に1人が貧困状態にあります。
3食きちんと食べられない、部活動の道具などが買えないなど、当たり前の生活が営めない子供が数多く存在します。
こうした経済的困難を抱えている家庭には、必要な情報が届きにくい実態がございます。
そこで、民生・児童委員や社会福祉協議会には、家庭訪問を通じた相談支援の中で、子ども食堂につなぐ役割を担っていただいております。
また県では、今年度新たに「ポータルサイト」を構築し、子ども食堂を必要とする方が、簡単に情報を入手できるよう支援してまいります。
次に、子ども食堂のニーズが起こらないようにするための、県としての希望ある方針、子育て環境に係る基本的な考え方についてです。
県では、貧困の連鎖を断ち切り、全ての子供が夢や希望を持って前向きに生きていけるようなきめ細かな支援を行っています。
平成22年度から全国に先駆けて実施したアスポート事業は、対象を小学生にまで拡大し、学習支援だけでなく、生活支援、体験活動などを通じて生きる力を育んでいます。
一方、核家族化による子育て家庭の孤立や、子供がいる共働き家庭の増加など、子供をめぐる環境が変わり、ニーズも多様化しています。
このような中、子供の利益を第一に、誰もが子供を産み育てやすい社会を実現していくべきと考えております。
県では、子供が誰ひとりとして取り残されない社会の実現に向け、地域の子育て支援の充実から貧困の連鎖の解消まで全力で取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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