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掲載日:2019年6月26日
Q 大嶋和浩議員(県民)
2019年にラグビーワールドカップが開催される熊谷市では、平成19年8月16日に、当時の日本最高気温である40.9度を記録したことから、「日本一暑いまち」として認知されるようになりました。しかし、この気温の高まりは、熊谷市に限ったことではありません。都市のコンクリート化や建物の冷暖房、自動車の利用などによる排熱などが原因によるヒートアイランド現象は、今日では日本のみならず、世界的な課題です。
2019年のラグビーワールドカップの開催の際には、特に交通アクセスの起点として多くの利用が見込まれる熊谷駅周辺から大会会場となる熊谷スポーツ文化公園までの対策が求められます。
そこで、私からも御提案させていただきますが、近年、熊谷市及び周辺地域を会場に埼玉サイクリングフェスティバルが開催され、自転車利用の機運醸成が図られました。また、熊谷駅から熊谷スポーツ文化公園へ向けた自転車レーンも整備され、自転車の利用が進むと考えられます。さらに、現在整備中の環状線の役割を果たす第2北大通りから環状線の整備が更に推進されますので、熊谷駅を起点とするバス路線も利用しやすくなります。熊谷駅を起点として、自転車による移動やバスの利用を促進し、市街地への自動車の大量流入とそれに伴う渋滞を緩和し、自動車の排熱を低減させることにより、ヒートアイランド対策も一層進めることができると考えるものです。気温の高い時期にその開催を迎えるラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックでの開催時には、開催都市として十分な暑さ対策を行う必要があります。
そこで、知事にお尋ねさせていただきます。
上田知事は、暑さが厳しい熊谷での対策について、「ヒートアイランド対策の見本市に」との見解も示されておりますが、改めてこのヒートアイランド対策にどのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いさせていただきます。
A 上田清司 知事
ご案内のとおり、ヒートアイランド現象は、建物の集積や舗装面の拡大、エアコンや自動車の排熱の増加など、都市化に伴って生じる現象と言われております。
特に熊谷市では最高気温が35度を超える猛暑日が、最近5年間の平均で24日もあり、50年前の平均3.4日から約7倍に増加しております。
そこで「暑いぞ!熊谷」の熊谷市で開催されます2019年ラグビーワールドカップ大会で、ヒートアイランド対策のモデルを創ったらどうだという企画も出てまいりました。
会場となる熊谷スポーツ文化公園では、「木陰の創出」、「涼しさの体感」、「水素エネルギーの活用」という三つの柱で暑熱対策を進めようという企画がございます。
一つ目の「木陰の創出」ですが、公園の中を移動する観客の流れなども考えながら、並木をつくっていく。
その並木も単純な並木ではなくて、高木から中木、低木を順次、配置するなど、緑のボリュームを生かした立体感を創出して、並木のいわばモデルを創っていく。
こうしてできた緑の木陰では、体感温度が6度低下する効果があると言われております。
二つ目の「涼しさの体感」ですけども、観客が徒歩で移動する園路を中心に遮熱性の高い舗装を施し、路面に熱がこもる蓄熱を抑えようという話です。
この遮熱性舗装で路面温度が8度下がるという効果があると言われております。
これに加えて、従来にない新しいアイディアのミストなど、様々な暑熱対策も組み合わせて、暑さ対策の正に「見本市」にしていこう、このような企画を考えております。
熊谷駅に降り立つと35度であったものがラグビー場では30度に感じる、このようなことが肌で実感できる体感型のモデルを目指してみたい、このように考えております。
三つ目の「水素エネルギーの活用」ですが、例えば試合で必要な電力は、燃料電池で水素から発電するなど、環境負荷の少ないエネルギーの利用を目指します。
国際級の大型スポーツ大会での水素エネルギーの利用はいまだ例がありません。2019年のラグビーワールドカップがその先駆けとなります。
ヒートアイランド対策の「見本市」であります熊谷スポーツ文化公園で、世界中からのお客様を涼しさと新しい技術でお迎えできればと思っております。
ただいま大嶋議員から「バスや自転車の利用を拡大してヒートアイランド対策につなげる」という示唆に富んだ御提案もいただきました。
マイカー利用から自転車やバスへの切り替えが進めば、市街地の温度を上げる要因の一つであります自動車からの排熱を抑制できます。
また、地球温暖化の要因となるCO2の削減にもつながります。
熊谷スポーツ文化公園の見本市化と県民一人一人のエコ行動が結びつくことで、ヒートアイランド対策はより持続可能な広がりになっていくものと考えられます。
御提案については、地元の御協力が不可欠ですので熊谷市にもしっかりお伝えし、ある意味では市民参加のムーブメントとして育つように支援をしていきたいと考えております。
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