トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年6月定例会 > 6月15日(水曜日) > 大嶋和浩(県) > 平成28年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (大嶋和浩議員)
ここから本文です。
ページ番号:71013
掲載日:2019年6月26日
Q 大嶋和浩議員(県民)
2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、かつて経験したことのない高齢社会を迎えます。2025年までの間に、医療や介護の提供体制をいかに構築していくかということは大きな課題です。毎年の県政世論調査でも、県民の医療に対するニーズは常に上位にランクされており、高い関心があることが分かります。
そのような中、埼玉県の救急搬送件数も増加の一途をたどっております。全国一とも言われるスピードで高齢化が進む本県においては、今後も救急搬送件数は大幅に増加するものと見込まれます。私の地元の県北地域では、平成28年1月1日現在の高齢化率は、県平均が24.4パーセントのところ、26.1パーセントとなっており、更に高齢化が進んでおります。2025年には31パーセントにまではね上がるという推計もあり、非常に危機感を持っております。
地元の皆様からは、万が一のとき身近なところで医療を受けたいという声もよくお伺いし、私自身も、救急車が群馬県へ向かい、利根川を渡る光景を多く目にしております。県北地域の救急搬送は、隣接の群馬県に相当程度頼っているという現実にあるのも事実です。
そこで、保健医療部長にお尋ねいたしますが、県北地域の救急医療の現状についての認識とその充実にどのように対応していくのか、お尋ねいたします。
また、県立循環器・呼吸器病センターの救急医療についてお尋ねします。
県立循環器・呼吸器病センターは、県北地域の高度専門医療機関として重症の循環器系疾患や呼吸器系疾患の救急患者を受け入れておりますが、県立循環器・呼吸器病センターでは、県北地域の救急医療の充実について今後どのように取り組まれていくのか、病院事業管理者にお尋ねをさせていただきます。
A 三田一夫 保健医療部長
県北地域の救急医療の現状についての認識と、その充実にどのように対応していくのかについてお答えを申し上げます。
まず、県北地域の救急医療の現状についてです。
県北地域の救急搬送は、そのうちの15%が藤岡市や伊勢崎市など群馬県の医療機関に搬送されています。
軽症患者に対応する初期救急から重篤患者に対応する救命救急まで、それぞれに対応できる医療機関がございますが、必ずしも地域内で救急患者を受けきれていないと認識しています。
次に、県北地域の救急医療の充実にどのように対応していくのかについてです。
救急医療の充実には医師の確保が重要です。
これまで県では医学生に対して奨学金を貸与するに当たり、条件を付すことで、卒後、医師を県北地域の病院へ誘導してまいりました。
また、救命救急センターである深谷赤十字病院には医学部附属病院から医師を派遣していただきました。
このたび1年生のときから貸与してきた医学生が医師免許を取得し、4月から深谷赤十字病院で研修医として勤務を始めており、これまで打ち込んできた施策がようやく芽を出してきたと感じております。
さらに、搬送先がなかなか決まらない場合、原則として断らずに受け入れる医療機関として、行田総合病院を指定いたしました。
一方で、現状を考えますと、群馬県との連携は欠かせません。
そこで、平成26年4月からタブレット端末を利用した救急医療情報システムについて、群馬県との相互利用を開始し、県域を越えて円滑に搬送できる体制を整えました。
平成27年3月からは、群馬県とのドクターヘリの広域連携を開始し、相互にカバーし合う体制を整えました。
救急医療に携わる医師を確保するため、引き続き奨学金の貸与や大学医学部を活用した医師の確保を進め、県北地域の救急医療体制の充実に努めてまいります。
現在、県では地域医療構想の策定に取り組んでいます。
2025年を見据えて、今のうちに患者それぞれの状態にふさわしい、良質かつ適切な医療を提供する体制を整えていく必要がございます。
熊谷市を含む北部医療圏は病床過剰地域でございますが、既存の一般病床の利用率は71.0%で県平均の74.1%より低く、10圏域中9番目となっております。
今後は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の各医療機能の分化と連携を進め、限りある医療資源が救急医療分野にも有効に提供されるよう、各医療機関に働きかけてまいります。
A 名和 肇 病院事業管理者
「県立循環器・呼吸器病センターの救急医療について」お答え申し上げます。
循環器・呼吸器病センターは第3次の高度専門医療機関として地域医療機関では受け入れが困難な循環器系及び呼吸器系疾患の救急患者を積極的に受け入れております。
平成27年度は4,124名の救急患者を受け入れており、そのうち救急車による搬送患者は1,104名となっております。
また、救急患者のうち60%近くが入院を要する重症患者であることが循環器・呼吸器病センターの特徴でございます。
こうした高度専門医療機関としての役割を果たし、できる限り多くの重症患者を受け入れることができるよう機能の充実を図るため、現在、新館を整備しているところでございます。
具体的には、呼吸器系疾患の重症患者への対応を強化するため、呼吸器専門ICUを新設し、さらなる受け入れに努めてまいります。
また、循環器系疾患では心臓カテーテルによる内科的治療と外科手術による治療とを組み合わせた、ハイブリッド手術が可能になる設備を整備いたします。
これにより、緊急時の心臓血管の治療に対し、より安全で患者の身体的負担を軽減した治療を行うことができます。
さらに、患者の隔離が必要となった新型インフルエンザや、MERSなどの感染症への対応強化として、感染症病床を21床新設いたします。
引き続き、重症な循環器系及び呼吸器系疾患の救急患者の受け入れのため施設の整備を行うとともに、体制の確保に努め、救急医療の充実に取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください