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掲載日:2019年6月26日
Q 細田善則議員(自民)
昨年度、埼玉県の犬猫の殺処分数はピーク時の25分の1、1,705頭となりました。しかし、動物を取り巻く環境はまだまだ課題が多く、昨年度は猫パルボウイルスが流行したことにより、順調であった譲渡の数が伸びずに、例年に比べると殺処分数減少のペースが落ちるなど、防ぎようのない感染症の問題や、ほかにも例えば動物が保健所や指導センターではなく、警察署に持ち込まれた場合には、遺失物届の有無、そして鑑札、名札等の所有者明示の有無、そして拾得者がその権利を放棄するかしないかによって、拾得動物というくくりか、もしくは動物一時預かりという法律上異なる扱いで動物が扱われることであったり、また犬の場合はすぐに保健所が署に引き取りに来てくれるが、猫の場合は警察自身が移送の手配をしなければならないという違いがあり、引渡しの処理に労力がかかってしまうという事例もあると聞いております。
これから本気で殺処分数をゼロにするためには、取り組みを更に深化させていかなければなりません。ですが、取組を始める前に、そもそもの現在の殺処分数というのがどのようにカウントされているのか、正確に理解し、目標を設定する必要があると考えます。
ほかの自治体では、到底回復の見込みのないけがをした個体も、積極的に受入れをする愛護団体があるなどの事情で譲渡数が非常に多くなるということも聞いております。また、負傷等で収容した後に施設内で自然に死亡した個体の数は自然死ということで殺処分数に含まないなど、自治体ごとに殺処分数の定義が一律ではないのではないかと感じております。ちなみに、埼玉県では生まれて一日、二日の子猫が負傷して瀕死の状態で持ち込まれて、よそに譲渡することができないという判断の下、やむを得ず殺処分とした数も今現在では含んでいるということです。それによって、埼玉県では譲渡することが適当でない個体が一頭でも持ち込まれる限り、殺処分数ゼロという目標は達成できないというジレンマにぶつかっています。
私は、これまでの殺処分数の値とともに、例えば新たな指標として譲渡することができたにも関わらず、やむを得ず殺処分数となった数を併記し、その数値をゼロにするということが適切な目標設定になると考えますが、保健医療部長の御見解をお伺いいたします。
これは、指標を変えて数字のマジックで見せかけのゼロにするというのではなくて、今後の取組とその成果が正しく評価できる指標として持っていなければいけないものだと考えるわけです。よろしくお願いいたします。
A 三田一夫 保健医療部長
県では、犬猫の殺処分ゼロを目指し、安易に保健所等に持ち込まれた飼い主に対して引き続き飼い続けるよう再考を促しております。
また、迷子となった犬猫を飼い主の元へ返還し、あるいは収容されたものを新たな飼い主に譲渡する取組を進めてきました。
その結果、平成18年度の9,118頭から平成27年度には1,705頭まで削減することができました。
なお、平成27年度の収容数は3,448頭で、そのうち飼い主にお返しできたのは701頭、新たな飼い主にお譲りできたのは910頭、残念ながら収容後の保護期間中に死亡したものは132頭でした。
残りの1,705頭、すなわち、最終的に殺処分するしかなかったものは、犬は381、猫が1,324で、その中には、議員お話しのように母猫による授乳が必要な生後間もない子猫や、事故などで瀕死の状態となり、安楽死させたものも含まれております。
殺処分をゼロに近づけていくためには、そのような犬猫も少しでも減らしていく必要があります。
このため県では、親猫に対する不妊去勢手術を行った上で、地域で管理する地域猫活動によって、不幸にも収容される子猫を減らそうとしております。
今後は、殺処分全体の数だけでなく、議員御提案の「譲渡することが出来たにもかかわらず、やむを得ず殺処分となった数」と安楽死させた数を新たに公表いたします。
心情的に申しますと、獣医師は子供のころから動物が好きで、動物を元気に育てよう、病になったら治してやろうと、そういう気持ちで国家資格を取ってまいりました。
たまたま配属された動物指導センターで現在の職務についております。
安楽死させることは部下たちにとっては、あるいは忸怩たる思いもあろうかと思います。
しかし一方で、地域で御尽力いただいている皆様の中には、これだけ努力しているのになぜゼロにならないのかと思われる向きもあろうかと思います。
そこで、取組状況をつまびらかにお示しすることで、県の殺処分ゼロに向けた取組、今日の悲しみを明日に続けない取組を深めてまいります。
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