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掲載日:2022年3月1日
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限られた研究資源で、効率的かつ効果的な研究開発を実施するために、研究課題の評価(以下「課題評価」という)を実施しています。課題評価において適切な助言を得ることで、研究員の創造性が十分に発揮できるように活用するものです。
ここでは、課題評価の透明性を高めるとともに、試験研究について多くのかたに知っていただくために、ホームページで公開いたします。
当研究室では、「埼玉県農林水産試験研究機関研究課題評価実施要領(平成27年4月1日最終改正)」に基づき、厳正かつ公平性、客観性を確保するため課題評価を行う組織として、外部の有識者等で構成する研究等評価委員会(以下「評価委員会」という)を設置しています。令和3年10月7日に評価委員会を開催しました。
令和3年度の評価委員会構成は、以下の3名です。
氏名 |
現職等 |
---|---|
後藤 晋 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 付属演習林教育研究センター 准教授 |
原口 雅人 | 埼玉県中央部森林組合 森林管理アドバイザー |
永沢 晴雄 | 埼玉県山林種苗協同組合 理事 |
※所属は、令和3年10月現在のものです。(敬称略)
評価委員会で行う課題評価には、下記の3つがあり、このホームページで公開するのは、令和元年度に終了した研究課題を対象にした「事後評価」です。
事前評価 |
新たに実施する研究課題について、県民ニーズなど農林水産行政からみた緊急性や重要性、本県農林水産業への貢献の可能性、技術的な達成の可能性等、多様な観点から、課題化の妥当性を評価します。 |
---|---|
事後評価 |
研究終了後、当該研究の成否について総括するとともに、新たな研究計画の策定等に活かすため、研究目標の達成の度合い、研究成果の波及効果、県民生活や本県農林水産業への貢献度など研究内容の全般について、総合的な観点から評価します。 |
追跡評価 |
事後評価だけではその成果が確定できないと判断された研究課題については、研究終了後一定期間経過後に、追跡評価を実施します。 |
<評価基準(事後評価)>
評価基準は「総合評価」と、「要素別の評価」があります。
評価基準表
評価基準 |
総合評価 |
A |
優れた研究成果で活用が大いに期待できる |
|
---|---|---|---|---|
B |
良好な研究成果で活用が期待できる |
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C |
一部の研究成果で活用が期待できる |
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D |
不十分な研究成果で活用が期待できない |
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評価の要素 |
目標達成度 |
a |
大いに認められる |
|
b |
認められる |
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c |
やや欠ける |
|||
d |
認められない |
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活用見込み |
a |
大いに認められる |
||
b |
認められる |
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c |
やや欠ける |
|||
d |
認められない |
研究課題名 |
低コスト広葉樹林更新技術の確立 |
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---|---|---|
研究担当 |
森林環境担当 |
|
研究期間 |
平成28~令和2年度 |
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研究概要 |
(1) スギ・ヒノキ人工林伐採跡地の広葉樹林化技術の検討 シカの影響のあるミズナラ・サクラ植栽地で坪刈りを実施したところ、坪刈り区ではシカ侵入防止柵から侵入したシカによる被害が大きく、作業のため刈り払った部分に誘導された可能性が考えられた。そこで苗木の周囲を刈り残し、頂芽周辺のみ刈り払う「坪残し刈り」、対照として無下刈り区をミズナラで比較したところ、坪残し刈りでは樹高成長量が有意に高かった。根元成長量も高く、枯死率、被害率が低い傾向があった。放置林分状況調査では全体の種数は18種となり、2016年から3種減少した。モミジイチゴ等の先駆樹種の本数の減少が大きかった。高木性樹木の侵入は2年目以降新たな樹種は確認されず、放置状態ではまだ初期の遷移段階にあると考えられた。 (2) 高齢化したコナラ林更新技術の検討 高齢コナラ林伐採跡地において各成長期後に萌芽調査を実施した結果、高齢になるほど萌芽発生率、萌芽枝本数が低下した。一方で残った萌芽枝は伸長成長を示すことが判明した。67年生の萌芽発生率は1成長期後41.9%から5成長期経過後に22.6%、68年生では14.3%から4成長期後に9.5%、76年生では10.4%から3成長期後に10.3%まで減少した。伐採から3成長期が経過した時点では、伐採高が高く幹本数が多い株ほど、萌芽枝サイズは大きくなった。全体として60年生を超えると萌芽更新は難しいものの、40~50年生程度では萌芽が発生する可能性があり、その際、伐採株1株あたりの幹本数が成否を検討する指標となり得ると考えられた。 カシノナガキクイムシのモニタリング調査では、調査地点6カ所のうち、所沢市で捕獲があった。県内のボランティア団体等の協力を得て実施した初発日調査では予想以上に早く、4月下旬にカシナガが確認された。また、令和2年度までに17市3町までナラ枯れの疑いが報告され、10市1町でカシナガが確認された。 |
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研究評価 |
評価の要素 |
目標達成度:c |
活用見込み:c |
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総合評価 |
C |
平成30年度 終了課題はありませんでした。
平成29年度 終了課題はありませんでした。
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