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掲載日:2024年5月9日
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キンギョのヘルペスウイルス病を耐過したアズマニシキからの産出仔は、抵抗性があることが確認され、次代に受け継がれることが確認された。
このことから、耐過魚の中から親魚を選抜することによって、キンギョのヘルペスウィルス病耐病性を示すキンギョを選抜できる可能性があることを明らかにした(2003)。
発病した群の耐過魚を親魚に育成し、その耐過魚同士の交配によって得た次世代を育成する。
このとき、以下の点に留意する。
(1)最初に選抜する耐過魚は、なるべく高い死亡率であった群からの選抜が良い。
(2)昇温治療や夏期の高水温によって治癒した群からの選抜では、遺伝的な耐病性獲得には効果がない。
リュウキン、オランダシシガシラ、クロデメキン、スイホウガンの生残魚の仔について、同様に選抜したが、ヘルペスウィルス病に耐病性を持つ群を得ることがまだできていない。
(図1)アズマニシキ親魚の発病歴と産出仔の耐病性
過去に発病歴のない系統のアズマニシキでは、ウィルス液に浸漬し感染させた時の生残率はほぼ0%であったが、自然発病時に耐過した親魚の産出仔(F1)は50%以上の生残率を示し、さらにF1にウィルスを感染させて得た耐過魚の産出仔(F2)では、約80%の生残率を示した。
(図2)耐過魚の産出仔の品種と耐病性
アズマニシキ以外の品種(リュウキン、クロデメキン、オランダシシガシラ)では、感染させた耐過魚産出仔のほとんどが死亡してしまい、耐病性を持つ群を得ることができていない。
平野部(キンギョ生産地域全域)
耐過魚による選抜効果が高い品種;アズマニシキ
選抜効果が低い品種;リュウキン、オランダシシガシラ、クロデメキン、スイホウガン
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