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掲載日:2024年1月17日
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キンギョのヘルペスウイルス性造血器壊死症は、1999年に埼玉県でも発生が確認され、キンギョ養殖に大きな被害をもたらしている。これに対しては、卵と養殖池の消毒と隔離飼育などの防疫に取り組んできたが、発生を完全に抑えられていない。本病の主な発生時期は春と秋であり、夏期の高水温期には比較的発生が少ないことから、水温と発病の関係について調べた結果、飼育水温を上昇させることによって本病の治療が可能であることが判明した(2004)。
発病したアズマニシキ0年魚について、最初の死亡が確認されてから3日目の群を用いて、33℃及び35℃で4日間昇温管理した。その結果、常温区では、ほぼ100%の個体が死亡したのに対して、昇温区での死亡魚はほとんど見られなかった。
カラムナリス病との混合感染により発病したオランダシシガシラ0年魚について、33℃で4日間の昇温管理した。その結果、常温区では95%以上の死亡であったが、昇温飼育区の死亡率が20%以内と、昇温の顕著な効果が確認された。さらに、昇温直後にニフルスチレン酸ナトリウムで薬浴した群では死亡率が数%で、昇温治療と薬浴の併用で効果が高くなった。
実験による攻撃試験では、感染して発病後3日後から、33℃で4日以上の昇温飼育を行うと、常温に戻しても死亡しないことが確認された。
昇温飼育日数と昇温処理後の死亡率
病気の診断と治療に当たっては、農林総合研究センター水産研究所の指導を受けること。
「水田養魚システム化に関する研究」のうち「魚病防除システム確立試験」(2002~2003)養殖担当
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