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掲載日:2024年5月9日
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~ギンブナ(マブナ)資源の回復~
県農林総合研究センター水産研究所では、河川池沼の護岸化等で減少しているギンブナ(マブナ)の人工産卵場造成技術と種苗生産技術を確立しました。
県内に生息しているフナ類はキンブナ、ギンブナ、ゲンゴロウブナの3種類がいますが、近年、河川池沼の護岸化が進み、フナ類の産卵場所が減少してきています。ゲンゴロウブナ以外のフナ類は種苗生産技術がまだ確立されていないため、キンブナ・ギンブナの増殖は困難でした。
そこで、県水産試験場では次の増殖方法を開発しました。
フナ類の産卵期である4~6月に河川池沼で護岸化された水域にポリエチレンシートを加工した人工魚巣(ぎょそう)を設置して、フナ類に産卵させる方法です。本方法で産卵させると水域面積1平方メートル当たり、1.1~0.13尾のフナ資源が増加します。
関東周辺のギンブナの親魚はほとんど雌だけが生息しており、繁殖する場合は他魚の雄の精子を借りて受精する特異な産卵生態をもっています。そこで、雄にキンギョのコメットを用いて産卵させると、全てギンブナの稚魚が生産されました。約100gのギンブナ親魚を用いて産卵させると、1尾当たり約2000粒、稚魚までの歩留まりは約70%でした。
ギンブナ(マブナ)の種苗生産技術の確立により、フナ釣りの水域が拡大し、身近な場所で釣りが楽しめるようになります。
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