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掲載日:2024年1月25日
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6月下旬、植付けの数日前に種芋を準備します。種芋は前年のくわいから傷や病気のないものを選び、貯蔵しておいたもの。
貯蔵には昔ながらの「むろ」と呼ばれる地下に作った穴が利用されます。気温の変動の少ない地下の穴は、芋の貯蔵に最適です。
むろから種芋を上げてくるから、むろ上げ。その様子をご紹介します。
高台にあるくわい農家のお宅の裏にむろがあり、仲間にむろを貸していらっしゃいます。大きな栗の木の根元に、むろの入り口があります。
安全のため、ふたがしてあります。パイプの間からむろをのぞくと、クモの巣の下に深い穴が続いています。
朝8時、むろを借りている農家が集まってきました。今年も種芋はうまく保存できているでしょうか?
重たいふたを男性二人で開け、はしごを穴に入れます。3m以上あるはしごが入りました。
万が一、むろの穴にガスが溜まっていると、酸欠になる恐れがあります。確認のため、ろうそくとマッチを持って入ります。地上に残る人と、むろの中に入る人に分かれます。
真っ暗な穴の中に電気も引っ張り、中を照らします。昔はろうそくの光だけが頼りだったそうです。
さて、準備ができました。
むろ上げにはロープが大活躍。むろから芋を引き上げます。
まずは地下まで届く、長いロープを下ろしていきます。ロープの先端には鈎針がついています。
「はい、引き上げてー!」地下から大きな声が聞こえます。
「OK、上げるよー」掛け声とともに、するするとロープを手繰り寄せます。
ひもの先には、網に入った種芋が鈎針で結び付けられています。農家さんは軽々引き上げますが、2~3kgあるようです。
鈎針をはずして、またロープをむろの中へ。引き上げた袋は、各自の軽トラックに積み込みます。
むろの中はどうなっているのでしょうか?中に入らせていただきました。
はしごで狭い縦通路を降り下まで着くと、左右に穴が分かれました。Tの字が逆さまになった構造です。むろは予想外に広さがありました。高さは約1m、片側2~3mありそうです。
天井にも壁にも、樹の根が見えます。上の栗の木の根がしっかり張っているため、むろが崩れないのだそうです。外は梅雨の晴れ間で25℃を越えていましたが、中はヒンヤリ。17℃位だそうです。
ライトを照らし、酸素確認のろうそくをともしながら、作業が続けられていました。
網に入った種芋は、土を浅くかけて保存してあります。土の中から袋を取り出し、縦通路のある引き上げ場所に移動させます。
ロープに袋をつなぐ係が待っています。降りてきたロープの鈎針に袋を引っ掛け、地上の人に引き上げてもらいます。
作業が終わると地上の人に声をかけ、はしごを入れてもらいます。お疲れ様でした!
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