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掲載日:2025年3月27日
Q 細川威 議員(民主フォーラム)
中小企業は現在、原材料費やエネルギー価格の高騰、人手不足、円安の影響など、厳しい経営環境に直面しております。その中で、取引先との適正な価格交渉が行われるかどうかは、企業の持続可能性を左右する重要な要素となっています。こうした背景を受けて、国の制度としてパートナーシップ構築宣言が導入されました。
埼玉県においても、産業界と連携しながら価格転嫁の円滑化を図るため、価格転嫁の円滑に関する協定を締結し、県内企業が適正な価格交渉を行える環境を整備してきましたが、実際に現場では特に中小企業において価格転嫁が十分に進んでいないという声も聞かれます。
そこで、お伺いします。
埼玉県では、令和4年から令和5年にかけて県内企業を対象に、パートナーシップ構築宣言に関するアンケート調査を実施しました。その結果、当時既に登録していると回答した企業は全体の5パーセントにとどまったものの、今後登録を予定している、又は登録を検討中とした企業は5割を超え、多くの企業が前向きな姿勢を示していました。一方、価格転嫁については60パーセントの転嫁を実現できた企業が4割以下にとどまるなど、当時多くの企業が依然として厳しい状況に直面していることが明らかになりました。
この調査から約2年が経過し、社会情勢も変わり、企業の登録状況や価格転嫁の実施状況にも変化が生じているものと考えます。そこで、県としてこの2年間、どのような施策を講じ、宣言企業の拡大に向けた取組を進めてきたのか、その現状と施策についてお伺いします。
次に、この制度の今後の方向性についてお伺いします。
製品の原材料、部品の調達から販売に至るまでの一連の流れであるサプライチェーンは、埼玉県内にとどまらず全国を対象とするものです。こうした実態を踏まえ、県としても他の都道府県に働き掛け、宣言企業の更なる拡大を促す取組が必要だと考えます。この取組により、県内外の取引関係の透明化と安定化が進み、県内企業における価格転嫁の円滑化にもつながることが期待されます。
そこで、県外の自治体との連携を強化し、パートナーシップ構築宣言をより広域的に推進するための取組について見解をお伺いいたします。
A 目良聡 産業労働部長
まず、県としてこの2年間、どのように宣言企業の拡大を進めてきたのかについてです。
県では、令和4年9月に国や経済団体等の12者による「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結し、パートナーシップ構築宣言の登録など、県内企業の価格転嫁の取組を促進してまいりました。
これまで、12者連名で約4万社の企業に通知し、電話や訪問により宣言の登録を働き掛けるとともに、取引先との交渉に活用していただこうと、原材料1,422品目の値動きが一目で分かる「価格交渉支援ツール」や「収支計画シミュレーター」を開発してきました。
また、企業には取引金融機関から働き掛けることが効果的と考え、令和5年9月に金融機関と連携して価格転嫁サポーター制度を創設しました。現在、約4,300名のサポーターが県内企業に宣言の紹介や登録サポートなどを行っております。
このほか、宣言のインセンティブとして、県補助金の審査や入札参加資格の格付に加点措置等を設け、登録を後押ししております。
こうした取組により、本県の宣言企業数は、協定締結時の537社から大幅に増加し、現在6,100社を超え、47都道府県で2位となっております。
次に、県外の自治体との連携を強化し、パートナーシップ構築宣言をより広域的に推進するための取組についてです。
議員御指摘のとおり、企業のサプライチェーンは全国に広がっていますので、他の自治体に働き掛け、一緒になって取り組んでいくことが重要と考えております。
埼玉モデルと言われます、様々な主体の連携による地域一体型の価格転嫁の取組につきまして、令和5年4月、日本商工会議所の小林健会頭に大野知事から説明する機会がありました。
私も同席しておりましたが、会頭からは、他県から相談があったら埼玉の例を紹介すると、大変高い評価をいただきました。
その後も、知事は全国知事会や九都県市首脳会議等、機会あるごとに本県の取組を紹介しており、それに呼応して他県からの照会が増加し、県職員も講演や説明会などに出向いて情報発信に努めた結果、埼玉モデルは現在40都道府県に拡大しております。
一方で、6割以上価格転嫁できている企業の割合は、ようやく5割に届いたばかりであり、上昇を続ける労務費の転嫁など、課題も多く残されています。
そこで、九都県市で検討会を設置し、本県が座長となって具体的な取組について議論を開始したところです。
全国の上場企業の6割超を有する九都県市が連携して、価格転嫁機運の更なる醸成や中小企業への様々な支援に取り組み、パートナーシップ構築宣言企業の一層の拡大に努めてまいります。
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