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ページ番号:260065

掲載日:2024年10月23日

令和6年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(鈴木まさひろ議員)

介護職の処遇改善と負担軽減に向けて-介護職の処遇改善策について-

Q 鈴木まさひろ 議員(自民)

現在、介護現場は正に危機的な状況に直面しています。日本の急速な高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者の数は増加の一途をたどり、その結果、介護職員にかかる負担も年々大きくなっています。
直近の介護労働実態調査では、約65パーセントの介護事業所が人手不足を実感しており、そのうち34パーセントが「大いに不足」又は「不足」と回答されています。特に、訪問介護の現場では、約81パーセントの事業所が深刻な人材不足に直面しているという厳しい現実が浮き彫りになっています。
このような人材不足の影響で、介護職員1人当たりの業務負担が著しく増大している現状は、極めて深刻です。職員が過労によって疲弊し、離職が相次ぐような状況が続けば、介護サービスの質は必然的に低下し、その影響を最も強く受けるのは高齢者やその御家族です。これらの課題に対し実効性のある対応がなされなければ、地域全体の介護基盤がぜい弱化することは避けられません。
そこで、以下3点、質問を行います。
まず、(1)介護職の処遇改善策について伺います。
本県においても、介護人材の確保に向けた様々な施策が講じられていますが、その根本的な課題は賃金の総体的な低さにあります。賃金水準の低さは離職の主な原因の一つであり、この改善が介護職員の定着率向上に大きく寄与することは明白です。
もちろん、介護職員の賃金は国が定める介護報酬を原資としており、賃金の改善は一義的には国の責任においてなされるべきものです。しかし、実際には国の画一的な制度が地域の実情に対応し切れていないのが現状であり、地域の介護体制に深刻な影響を及ぼしています。
こうした中で、県が果たす役割は極めて重要です。地域ごとの実情を最も把握しているのは常に自治体であり、県こそが地域の課題に対して柔軟に対応できる立場にあるからです。何より介護職は、高い専門性と人間性が求められる職務であり、相応の処遇がなされるべきです。
改めて、県として介護職の処遇改善策を講じるべきと考えますが、知事の御所見を伺います。

A 大野元裕 知事

次に、「介護職の処遇改善と負担軽減に向けて」のお尋ねのうち、「介護職の処遇改善策について」であります。
介護職員の処遇を改善するためには、原資となる介護報酬が適切な水準で設定されている必要があり、国において措置が講じられるべきです。
議員から、「国の画一的な制度が地域の実情に対応しきれていない」とのご指摘がありました。
介護報酬では、事業所が所在する市町村ごとに人件費などサービス提供に要する平均的な額を勘案して8段階の地域区分が設定されております。
私は、この地域区分に地域の実情が適切に反映されていないとの認識の下、これまで再三にわたり国への見直しを要望してまいりました。
この結果、今年度から新たな特例が設定され、川口市、戸田市、草加市などの級地が引き上げられた一方で、所沢市など特例の対象とならず低いままの級地とされている市があり問題だと思います。
特例の適用を拡大するなど、地域の実情を踏まえた級地の変更を可能とすることを含め、処遇改善につながるような介護報酬とするよう、引き続き機会を捉えて強く要望してまいります。
また、令和6年度の介護報酬改定において、職員の賃金体系や昇給の仕組みを整備することで得られる介護職員等処遇改善加算の充実が図られました。県では、社会保険労務士など専門家の派遣や研修動画の配信などを通じて、より多くの事業者に対し加算の取得を促すことで介護職員の処遇改善を図ってまいります。

再Q 鈴木まさひろ 議員(自民)

介護職の方々の処遇改善について、知事は国の責任において改善されるべきものという趣旨での御答弁でしたが、現在の介護人材不足の状況を鑑みても、国の動きに依存しているだけでは地域の課題に十分な対応ができないことは明らかです。現場では地域ごとに異なる生活コストや実情に対応した賃金改善が必要ですし、その範囲で補完的な役割を果たすのが県の責務ではないでしょうか。
介護は私たちの社会の持続性を支える極めて重要な職種です。知事としてもう一歩踏み込み、介護職の賃金改善に向けて対策を検討する余地はないか、改めて知事の御見解をお聞かせください。

再A 大野元裕 知事

埼玉県におきましても、介護職の処遇改善につきましては、さきほどご答弁をさせていただいたとおり、私どもといたしましても極めて課題が大きいと考えております。 
そのため、この地域区分に対し、地域の実情が適切に反映されていないとの認識のもとに、これまでも再三、国に対し見直しを要望してきたところでございます。
特に、議員ご指摘のとおり、地域ごとの要件、地域ごとの状況を適切に反映することが大切であるということから、その前に、介護事業者に対する報酬は、そもそも低いという前提の上に立って、地域ごとの状況がやはり反映されるべきという議員のご指摘はそのとおりだと思っております。
そこで、級地差が大きい地域について問題提起をさせていただくだけではなくて、その隣り合う地域との格差についても、私どもとしては提言をさせていただいているところであり、一義的には国が検討するべき、この財政的措置につきましては、地域ごとの状況について丁寧にお伝えをし、強く求めていくことが、私どもが考えている補完的な役割であると思っております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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