令和6年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（鈴木まさひろ議員）

日本ブランドの成功を埼玉の発展に活かす-「埼玉のブランド力」の発信強化について-

Q　鈴木まさひろ　議員（自民）

昨年11月、世界最大規模の世論調査企業の一つであるフランスのイプソスグループが、幅広い観点から国の魅力を計る国家ブランド指数を発表し、日本が初めて総合評価世界1位を獲得しました。このランキングは19年前の調査開始以来、アメリカとドイツ以外にトップを獲得した例はなく、日本の首位獲得は初めての快挙です。
この調査を実施しているイプソスは、90か国以上に拠点を持ち、大企業や各国政府に対して長年信頼性の高い調査・分析サービスを提供しており、今回のランキングも世界で6万人以上を対象に実施された調査に基づいています。
自国のすばらしさは、ふだんの生活の中では気付きにくいものですが、日本は長年、秩序ある社会が築かれ、犯罪率が極めて低く、多くの人々が安全で清潔で、総体的に快適な生活様式を手にしている重要な成功例であることが示されています。外国の人々にとって日本人への信頼も非常に厚く、また、四季の変化による自然の美しさも魅力です。
さらに、豊かな文化や伝統が息づく各地域への関心も強まっています。これらの幅広い魅力は、日本が世界に誇るべき戦略的資産であり、更なる発展の礎となるものです。
ここで、県の役割は極めて重要となります。なぜなら、国家ブランドは単に中央政府の政策や外交努力だけで作られるものではなく、各地域が持つ独自の文化や経済活動などが国家全体の魅力を構築する基礎をなしているからです。
特に、埼玉県は人口730万人を超え、その経済規模はポルトガルやギリシャにも匹敵する大規模自治体であることからも、埼玉が日本のブランド力と県の強みを真に活かし、国内外へ戦略的にアプローチしていくことは重要な視点であると考えます。
そうした背景も念頭に、以下4点、質問を行います。
（1）「埼玉のブランド力」の発信強化について。
改めて、国家ブランド指数の首位獲得に象徴されるように、日本の総合的な魅力が諸外国から一段と注目を集める中、埼玉県が単なる首都圏の一角ではなく、埼玉があるからこそ日本はより輝くと国内外で認識されるよう、本県の多様な魅力を最大限に生かし、埼玉のブランド力の発信を強化することが重要と考えますが、知事の総合的な見解を伺います。
あわせて、日本が国家ブランド指数で初めて世界1位を獲得したことについて、国内有数の大規模自治体を率いる立場から、知事としての御所見をお聞かせください。

A　大野元裕　知事

まず、「日本ブランドの成功を埼玉の発展に活かす」のお尋ねのうち、「埼玉のブランド力の発信強化」についてでございます。
人口減少・超少子高齢社会を迎え、我が国の国際競争力は、相対的に低下傾向にあり、IMD世界競争力ランキングではバブル期には日本が世界1位であったものが、2024年には38位と低迷をしています。
他方、議員御指摘の「国家ブランド指数」においては、2023年調査で60か国中1位という評価を受けました。
これは、6年連続で1位であったドイツを抜いたもので、我が国には課題が山積するものの、アジアとして初めて日本が世界のトップブランドと認められたことは、画期的であり、すばらしいことだと思います。
グローバリゼーションが進み、世界が一つの市場となった現代において、国家のイメージは、投資や人を呼び込んだり、あるいは自国製品やサービスを売り込んだりする上で非常に重要な財産であり武器となるものであります。
今後は、我が国の課題の解決につなげるべく、世界が日本に対して抱いている良好なイメージを最大限活用する必要があると思います。
そして、我が国が「日本ブランド」として世界から広く認知され、日本のイメージがポジティブな今こそ、埼玉県が持つ多様な魅力を発信し、埼玉のブランド力を強化する大きなチャンスといえます。
埼玉県は日本の発展のエンジンである首都圏の一角を占めるだけではなく、埼玉オリジナルの強みをいくつも持っております。
例えば、新幹線や高速道路で全国にアクセスできる日本トップレベルの交通利便性、比較的災害が少なく、大雪もあまり降らない恵まれた自然環境、そして何より、733万人の人口集積があり、生産年齢人口の割合が61％と全国で4番目に高く、若い力が豊富なことも大きな強みであります。
また、日本三大銘茶の狭山茶や世界が認めたベンチャーウイスキーのほか、日本一おいしいイチゴや第3回全国梨選手権で最高金賞を受賞した埼玉オリジナル品種「彩玉」など「埼玉ブランド」といえる多彩な魅力にあふれています。
県といたしましては、世界が日本を評価しているこの好機をしっかり捉え、埼玉の持つ高いポテンシャルや埼玉のブランド力を様々な機会を通じて国内外に発信し、埼玉の魅力をより深く浸透させることで、埼玉県の更なる発展へとつなげてまいりたいと考えております。

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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