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掲載日:2023年12月28日

令和5年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小早川一博議員)

ケアラー支援の取組について

Q 小早川一博 議員(公明)

家族介護者は全国で約653万人、国民のおよそ20人に1人に上ると言われ、本県においては2025年にかけて75歳以上の後期高齢者人口が全国一のスピードで増加することが見込まれております。それに伴い、介護が必要になる方や介護をするケアラーの増加も見込まれます。
実際に家族でケアをされている方は18歳未満のヤングケアラー、子育てをしながら介護をされているダブルケアラー、働きながら介護をされているビジネスケアラー、老老介護と言われる御高齢の方が高齢者の介護をされているなど、状況は様々です。自分の時間がなく、精神的な余裕がない、仕事が続けられないなど、それぞれ切実な悩みを抱えています。
厚生労働省では、第9期介護保険事業の基本指針に、ヤングケアラーも含めた家族介護者支援の強化が盛り込まれ、こども家庭庁ではヤングケアラー支援を所管、経済産業省ではビジネスケアラー支援の指針策定と、様々な角度からケアラー支援について議論されています。これから、ますますケアする側のケアラーに寄り添った支援が重要になると考えますが、県としてどのように捉えているのか。また、今後どのように取組を進めるのか、知事の御所見を伺います。
また、ケアラー支援はその人の人生を支える重要な取組であり、必要な支援は個々の状況によって異なります。行政の縦割り制度では限界が出てくるのではないでしょうか。各部署との連携という言葉を超え、総合力を挙げて全世代に共通したケアラー支援、それぞれの状況に応じた支援などをまとめていく必要性を感じます。
切れ目なく支援サポートしていくために、行政に限らず税理士や弁護士などの士業や、企業、医療機関や介護支援団体など民間も含めた様々な関係者をつなぎ、あらゆる支援や資源をコーディネートできる人材や体制づくりが重要であると考えますが、福祉部長の見解を伺います。

A 大野元裕 知事 

県では、ケアラー支援の重要性に鑑み、令和2年3月に全国で初めて制定されたケアラー支援条例に基づき、支援計画を策定し、積極的に取り組んでまいりました。
今後、介護が必要になる方やその介護を担うケアラーの更なる増加が見込まれており、ケアラーは特別な存在ではなく、誰もがその立場になる時代が到来をしています。
私の友人からも、親の介護のために退職せざるを得ず、その後、再就職しようとしてもなかなか難しいという話も聞いており、ケアラーに寄り添った支援の大切さを改めて認識したところであります。
また、議員お話しのとおり、省庁を超えてケアラー支援に取り組む動きがみえることは、支援の重要性への理解が進んできたということと同時に、ケアラー支援は、それだけ多方面に渡り、複合化・複雑化した問題であることを示していると考えております。
そのため、こうした課題に包括的に対応できる相談窓口の設置など、住民に身近な存在である市町村の体制強化を推進していくことが重要と考えます。
県では、アドバイザーの派遣や研修の実施等により、市町村を支援しており、その結果、令和5年4月1日現在、51市町村で総合相談体制の整備が進んでおり、他の市町での設置に向けても働き掛けを行っているところでございます。
また、ヤングケアラーに加え、最近ではビジネスケアラーが介護と仕事の両立ができずに仕事を辞めてしまう介護離職が課題となっており、労働力確保の観点からも深刻な問題であると私も受け止めております。
そこで、本年11月には、企業の経営者や人事担当者向けに、従業員の介護離職防止に向けたセミナーを開催したほか、県民向けには、介護の事前準備の重要性や両立のためのノウハウなどについて、テレビや動画配信などを活用し、広く周知を行いました。
現在策定中の次期ケアラー支援計画においても、ケアラー、ヤングケアラーに加え、新たにビジネスケアラー支援も計画の柱に据え、取り組んでまいります。
今後とも、国、市町村、事業者、関係機関、民間団体等と協力して、ケアラーを含む全ての人が自分らしい生活を送れるような社会の実現を目指してまいります。

A 金子直史 福祉部長

一言でケアラーといっても置かれている状況は多種多様であり、一つの機関等で対応することは困難なケースがほとんどです。
そのためケアラー支援にあたっては、議員お話しのとおり、多機関等が連携して支援に当たる上でのつなぎ役や調整役を担える人材が重要です。
県では、つなぎ役、調整役として期待される、地域包括支援センター等の福祉の専門機関のほか、主任児童委員、ケアマネジャー等を対象にケアラー支援のための研修を実施しております。
研修では、ケアラーや世帯全体を支援する視点、社会資源の把握のほか、多機関・多職種によるグループワークでの事例検討を通じて、連携しチームとして連携・対応にあたる重要性について学んでいます。
これにより、ケアラーから相談を受けた職員等が必要な機関につなぎ、また、状況に応じては調整の中心となれるよう育成を図っているところです。
今後は、実践的な内容も含めるなど研修内容のさらなる充実を図り、ケアラーに関わる関係機関等、それぞれがつなぎ役、調整役を担えるようにすることで、ケアラーの方がどこに相談しても、切れ目なく適切な支援につながる体制を作ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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