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掲載日:2023年12月28日
Q 小早川一博 議員(公明)
一側性難聴、いわゆる片耳難聴の方は、音の方向や距離感が捉えにくく、騒音下では聞こえにくさがあります。学校生活では聞こえるときと聞こえないときとがあり、周囲から理解されにくいことがあります。この状態は500人から1,000人に1人という比較的高い頻度で見られ、もう一方の耳は正常に聞こえるため症状が目立ちにくく、就学健診などで見つかることもあります。
本県では、身体障害者手帳の対象外となる軽度中等度難聴児に対して市町村が補聴器購入費及び修理費の一部を助成する事業に補助金を交付しています。対象は、両耳の聴力レベルが25デシベル以上かつ18歳以上に達する日以降の最初の3月31日までの難聴児で、補聴器の使用により言語習得など一定の効果が期待できると医師が判断する方々です。この取組は県内全市町村で行われています。
先日、軽度中等度難聴児の保護者とのお話の中で、補聴器の修理助成に関して、夏場は特に汗が原因で補聴器が故障することがあるなど、意図せず故障してしまうことがあるので助かるとの喜びの声がありました。一方で、片耳だけの難聴児に対する補聴器購入の助成がない、制度の拡充を望んでいるという切実な声もありました。現行の制度では、片耳難聴への助成が行われておらず、これに対応する必要があると考えます。
佐賀県では、片耳難聴への助成を行っており、登下校時の安全やコミュニケーション、学業などに支障があるとの声を受けて、言語習得や教育において重要な時期にある子供たちの成長を支えていきたいとの考えから対象を拡充しました。一方で、本県は片耳を対象外としています。これにより、難聴児の言語の習得、教育等における健全な発達を支援するという本事業の助成制度の目的を本当に果たせているのでしょうか。
これまでに県では、「聴覚障害のある子供の支援のために」というリーフレットを作成し、その中には学校生活を送る上で配慮が必要と明記されています。配慮を必要とする子供や保護者が安心して学校生活が送ることができるよう、県としてどのような対応をしているのか、教育長に伺います。
また、片耳難聴の子供を持つ親は、補聴器の高額な費用負担に踏み切れず、不安な気持ちを抱えながら子育てをしています。どのような難聴児でも、生活しやすい環境を整えることが重要と考えます。現行の難聴児補聴器購入助成の要件において、聴力レベルの両耳を片耳に拡充すべきだと考えますが、福祉部長の見解を伺います。
A 日吉亨 教育長
一側性難聴の児童生徒については、「方向」や「距離感」をつかむことが苦手であったり、大きな雑音があると聞こえにくくなるなどの状況があることから、学校生活において配慮が必要でございます。
これまで県では、各市町村や学校に対し、聴覚障害のある児童生徒への支援に関し、適切な「合理的配慮」が提供されるよう、具体的な支援方法などを記載したリーフレットを作成し、周知するなどの対応を行ってまいりました。
一方では、小・中学校の通常学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の充実が一層求められる状況となっていることから、適切な支援がなされるよう、教員研修などを実施しています。
県では、今後とも、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな支援に向け、改めてリーフレットの活用などについて、市町村や学校に働き掛けるとともに、研修等において積極的に活用してまいります。
A 金子直史 福祉部長
身体障害者福祉法では、聴覚障害について、両耳の聴力レベルがそれぞれ70デシベル以上を身体障害者手帳の交付対象としており、補装具制度により補聴器の支給対象となっています。
議員お話しのとおり、県では、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度難聴児の健全な言語発達を支援するため、補聴器購入費用について市町村とともに補助しています。
これまで、他県に先駆けて、助成対象となる聴力レベルを軽度難聴の下限である25デシベルまで引き下げたり、対象機器を本体に加えて付属品にまで広げるなど、補助事業を拡充してまいりました。
聴覚は言葉やコミュニケーションの成長に関わる重要な感覚であることから、一側性難聴児についても、できるだけ早い段階から聞こえを補い、音や言葉に触れることが望ましいと考えます。
一側性難聴児を対象とすることにつきましては、佐賀県など対象としている他の自治体の実施状況や対象人数、効果等を調査するとともに、実施主体である市町村の意見を伺いながら検討してまいります。
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