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ページ番号:227638

掲載日:2022年12月22日

令和4年12月定例会 「福祉保健医療委員長報告」

委員長 細田 善則

福祉保健医療委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案5件及び請願1件であります。
以下、これらの議案等に関して行われた主な論議について申し上げます。
まず、福祉部関係では、第171号議案について、「送迎バスについて、会社を退職した高齢の方が運転手を務めることも多いが、タクシーなどのように講習を受け適任者判定を行う基準を作るべきではないか」との質疑に対し、「高齢の運転手が増えており、安全性の確保は重要になっている。県独自に基準を設けることは困難であるが、現在国で策定している安全管理マニュアルや安全装置の仕様に関するガイドラインを周知していく中で、運転手の運転技術や適性を確認するよう、事業所に働き掛けていく」との答弁がありました。
また、「事業所に対して、どのように働き掛けを行っていくのか」との質疑に対し、「児童を送迎バスに置き去りにした事故を踏まえて、送迎バスの安全確認用のチェックリストを送付し、必ず点呼確認をするよう求めている。また、送迎バスの運用状況調査を継続し、事業所監査時における現場での実地指導でも確認し、厳しく指導していく」との答弁がありました。
次に、保健医療部関係では、第138号議案について、「医療提供施設光熱費等高騰対策支援事業では、有床の医療機関とその他施設で補助単価が異なるのはなぜか。また、今後もエネルギー価格高騰が予想される中、よりきめ細かい対応を考えていく必要があると思うがどうか」との質疑に対し、「当該補助単価については、施設種別ごとの光熱費等の高騰分に基づき算定している。また、光熱費の高騰は、全国規模の問題であることから、全国知事会や関東地方知事会を通じて、臨時的に診療報酬を早急に改定するなどの全国一律の対策を要望している。引き続き、物価高騰の影響等を注視しながら、継続して国への働き掛けなどに取り組んでいく」との答弁がありました。
また、第140号議案について、「本補正予算により、令和3年度末に121億円あった財政安定化基金のうち109億円を取り崩すと12億円しか残らないが、今後、どう対応するのか。また、市町村の国民健康保険税の引上げにつながることはあるのか」との質疑に対し、「令和6年度から3年間で市町村の納付金により基金を復元するが、予算不足等の不測の事態が生じた場合、国庫返還額を除いた令和3年度の決算剰余金の活用も検討していく。また、基金の取崩しは、保険税の引上げ要素になり得るが、最終的には市町村の判断になる」との答弁がありました。
このほか、第139号議案及び第165号議案についても活発な論議がなされました。
以上のような審査経過を踏まえ、本委員会に付託されました議案5件について採決いたしましたところ、いずれも総員をもって、原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
次に、請願について申し上げます。
議請第4号につきましては、不採択とすべきとの立場から、「当県議会では、コロナ禍においても、県民の生活を守り、生活を支えるために日々奮闘するエッセンシャルワーカーをかけがえのない存在と考え、支援に取り組んできた。これまでに令和3年6月定例会に『医療従事者等への更なる支援を求める意見書』、令和4年2月定例会に『介護従事者の処遇改善に関する手続の簡素化等を求める意見書』、令和4年6月定例会に『保育士の人材確保及び処遇改善等を求める意見書』を議決し、国に継続して処遇改善や支援を求めている。国においても、令和3年11月19日閣議決定『コロナ克服・新時代開拓のための経済対策』及び令和3年12月21日『公的価格評価検討委員会中間整理』を踏まえて、エッセンシャルワーカーの処遇改善に向けた取組を継続しており、こうした取組を注視し、必要な働き掛けを行っていくべきと考える」等の意見が出されました。
次に、採択すべきとの立場から、「食料品や水道光熱費、ガソリン代などの物価高騰が国民の暮らしを直撃している中、暮らしを守ろうと欧米では賃金の引上げを求める声が高まり、フランスとドイツでは、今年に入り、最低賃金を3回にわたり引き上げた。10月に各都道府県で最低賃金が改定されたが、平均31円、3.3パーセント増であり、最低賃金の水準では生活が成り立たない。また、看護師、介護士、保育士などのケア労働者の賃上げ補助が始まっているが、全国平均の水準にはほど遠い状態である」との意見が出され、採決いたしましたところ、賛成少数をもって不採択とすべきものと決した次第であります。
次に、当面する行政課題として、予算特別委員会の附帯決議に関連して保健医療部から「埼玉県コバトン健康マイレージ事業の効果検証について」の報告がありました。
その中で、「年間で歩数を送信した回数が最多である参加者の実績及び医療費抑制効果があった参加者の年間送信実績はそれぞれ何回か。また、今回の検証では、3年間送信を継続した参加者と1年間に1回送信した参加者が同様に扱われており、医療費抑制効果が本事業によるとは限らないと考えるがどうか」との質問に対し、「参加者一人当たりの送信回数については把握しておらず、医療費抑制効果のあった参加者の送信実績についても把握していない。今後、効果検証の委託先とも協議し、最終報告書に向けた検討を行う」との答弁がありました。
以上のような質問の後、委員から「年間1回しか歩数実績を送信していない参加者も同様に扱うなど、今回の事業効果検証の中間報告では事業の優位性は確認できなかった。引き続き、事業の優位性を示す条件で効果検証を行い、事業の在り方について更なる検討を求める」旨の発言がありました。
このほか、福祉部から「医療的ケア児等支援センターの開設について」、保健医療部から「順天堂大学附属病院整備の進捗状況について」の報告があり、種々活発な論議がなされましたことを申し添えまして、本委員会の報告を終わります。

 

  • 注意:氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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