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掲載日:2024年10月17日
Q 山本正乃 議員(民主フォーラム)
埼玉県は都心近くに位置しながらも豊かな自然に恵まれ、多様な野生動植物が生殖、成育しています。森林面積は県土の約32%を占めていますが、都市化が進んでいる平野部では、2005年度までの30年間で山手線の内側とほぼ同じ約6,500ヘクタールもの緑が失われています。そのため県では、2008年4月から自動車税収入の一部を財源として彩の国みどりの基金を創設し、「みどりの再生」に取り組んでいます。世界的に脱炭素社会への転換が求められる中、「みどりの再生」の重要性はより重みを増しています。
2013年11月には、埼玉県で第37回育樹祭が開催され、国民参加の森林づくりの推進、多様で健全な森林整備と木材などの森林資源を積極的活用する循環型社会の実現、森林づくりを担う青少年の育成に一層努力すると宣言しています。私も当時、県議会議員としてこの全国育樹祭に参加させていただきました。当時の皇太子殿下、現在の天皇陛下の御臨席もあり、大変感動したことを記憶しています。
このたび埼玉県が2025年に開催される第75回全国植樹祭の開催県に内定したことは、非常に明るいニュースで嬉しく思っています。全国植樹祭は、埼玉県の特色を全国に発信する絶好の機会だと思います。例えば埼玉県ゆかりの偉人や県民の活動などをPRしてはいかがでしょうか。
埼玉県出身の本多静六博士は我が国最初の林学博士で、日本の公園の父といわれています。近代林学の基礎を築き、日比谷公園や大宮公園の設計、明治神宮の森の造成などを手掛けています。県では、本多静六博士が県へ寄贈してくださった山林から生ずる収益を基に設立した本多静六博士奨学金の貸与や、博士の精神を受け継ぎ緑と共生する社会づくりに貢献した個人又は団体を表彰する本多静六賞を設けています。
さらに、県民主体の森づくり活動も盛んです。秩父地域では、特定非営利法人秩父100年の森が秩父の森でどんぐりを集めて畑で育て、大きくなった苗を森へ返す、秩父の森による秩父の森づくりを進められています。苗から森へ、10年以上の時間を要する困難な活動に継続して取り組んでいただいています。また、狭山丘陵では、市民や企業の寄附金からなる公益財団法人トトロのふるさと基金が、雑木林の買取りや保全活動を続けられています。
2025年に行われる全国植樹祭には、本多静六博士のパネル展示や県民の皆様の森づくりの活動のPRなど、開催県として特徴のある内容にしていただきたいと思います。
そこで、全国植樹祭の具体的な内容について今後どのように検討していくのか。また、本県独自のカラーをどのように打ち出していくのか。農林部長の御所見をお伺いいたします。
A 強瀬道男 農林部長
具体的な内容について今後どのように検討していくのかについてでございます。
今年度は、全国植樹祭の開催理念や開催候補地を定める「基本構想」の策定を行います。
この基本構想を検討するため、去る9月14日、高柳副知事を委員長として学識経験者や関係団体の代表者などで構成する準備委員会を設置し、検討を始めたところです。
令和4年度からは知事を会長とする実行委員会を設置し、式典や植樹行事などの具体的な内容を定める「基本計画」について検討を行い、開催2年前にあたる令和5年度中に基本計画を策定する予定です。
次に、本県独自のカラーをどのように打ち出すのかについてでございます。
議員お話しのとおり、本多静六博士は本県の偉人の一人であり、また、本県のみどりは、奥地の水源林から平野部に残る里山・平地林まで多彩な姿を見せ、県民参加の森づくり活動も進んでいます。
こうした本県の特色を踏まえ、本県独自のカラーについて準備委員会や実行委員会において検討し、緑化運動の推進やSDGsへの貢献につながる全国植樹祭となるよう準備を進めてまいります。
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