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掲載日:2024年10月17日
Q 山本正乃 議員(民主フォーラム)
文部科学省は、ESDを世界的な気候変動や生物多様性の創出、貧困の拡大といった現代社会の問題を自らの問題として主体的に捉え、身近なところから取り組むことで問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動と定義しています。
2020年から2030年におけるESDの国際的な実施枠組みである持続可能な開発のための教育、SDGs実現に向けて「ESD for 2030」が、2019年の第40回ユネスコ総会で採択されました。「ESD for 2030」においてESDは、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」のターゲット4.7に位置付けられ、SDGsの実現に向けた役割を担うこととなりました。
また、日本でも2016年に発表された中央教育審議会の答申では、「持続可能な開発ための教育(ESD)は、次期学習指導要領改訂の全体において基盤となる理念である」とあります。答申に基づき策定された学習指導要領には、「持続可能な社会の創り手の育成」が明記されています。
今年4月に株式会社電通が発表したSDGsに関する生活者調査によると、SDGsという言葉の認知率は54.2%で、2020年に行われた前回調査の29.1%からほぼ倍増しています。一方で、「内容まで含めて知っている」については、20.5%にとどまっています。児童生徒が内容を理解し行動していけば、家庭内でも理解が進み、内容を含めた認知度が向上すると考えます。そのためには、更なるESDの推進が必要です。
そこで、埼玉県内の学校教育におけるESDの取組状況と今後について、教育長にお伺いいたします。
A 高田直芳 教育長
議員お話のESDの理念は、現行の学習指導要領にも位置付けられており、子供たちが将来持続可能な社会の創り手となるためには、大変重要であると考えております。
各学校では、環境や人権、貧困などの課題について、子供たちが自分自身の問題として捉え、自分にできることを考え行動する学習を行っております。
例えば小学校では、県内の大学と連携して、SDGsの17の目標の理解を深める学習をクイズ形式で行ったり、身近なごみの問題から、リサイクルやごみの減量化について学び実践する学習を行ったりしています。
中学校では、気候変動や生物の多様性、平和などのテーマについて、自分たちで調べ、自分のまちをより良くするための提案を、保護者や地域の方々に発表する取組を行っています。
また、県立高校では、海外のNGOと連携し、現地の高校生とフードロスなどについてディスカッションを行う取組や、女性が活躍する社会のテーマについて、グループで調べ、解決策を英語で発表する取組などを行っております。
今後、このような取組は益々重要となるため、より良い授業方法の確立に向けた検討を行うとともに、学校や市町村の担当者が集まる会議での好事例の周知などを通して、ESDに係る教育の一層の充実を図ってまいります。
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