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ページ番号:201164

掲載日:2024年7月4日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(守屋裕子議員)

荒川調節池とJR川越線架け替えについて

Q   守屋裕子 議員(共産党)

2019年の台風第19号により、荒川水系では、入間川流域の支川7か所、越辺川2か所、都幾川5か所の越水、決壊が発生、内水被害もありました。私の地元川越市でも甚大な被害があり、2度とあのような被害を繰り返さない、その思いで質問をいたします。
荒川第2・第3調節池は、2030年度完成予定と伺っております。さいたま市羽倉橋から上尾市開平橋までの調節池は、荒川河川敷の中に囲繞堤という巨大な堤防を建設、貯水することによって、笹目橋地点の水位を80センチ引き下げ、東京都と本県戸田市、和光市、川口市などの決壊リスクを抑えるものです。
一方、第1調節池と違って、囲繞堤を積み上げるだけでほとんど掘削はしないので、調節池の上流側では計画高水位よりも高くなるということです。
そこで、質問させていただきます。
第2調節池予定地上流には、入間川と荒川の合流地点があります。入間川流域では、先ほど申し上げたように、一昨年、堤防決壊による大きな被害がありました。第3調節池上流には、上尾市平方のように無堤地区もあります。調節池の上流部で水位がどのように変化するのか、上流地域の堤防強化や河道掘削はどの程度の規模を想定しているのか、県土整備部長の答弁を求めます。
次に、JR川越線の荒川橋りょうですが、この橋りょうと周辺の堤防は高さや幅が不足しており、堤防と川越線をかさ上げする必要があります。そのため国土交通省は、川越線橋りょう架け替えを実施すると公表しています。架け替えの新設ルートなどの具体的計画スケジュールは、今年度中公表と聞いていますが、いつ明らかにされるのか、御答弁を求めます。
架け替えと同時に複線化を図ることについても、企画財政部長の答弁を求めます。
調節池建設とJR川越線架け替えは同時並行で行われるとのことで、完成年度は2030年の予定ですが、これではあと9年間は、橋りょうと堤防は低いままということになりかねません。その間、どのように決壊を防ぐのか、住民は本当に心配しています。早急に対策を求めますがどうか、県土整備部長の答弁を求めます。

A 北田健夫 県土整備部長

調節池の上流部で水位がどのように変化するのか、上流地域の堤防強化や河道掘削はどの程度の規模を想定しているのかについてでございます。
国では、調節池の整備によって河道が狭まることにより、調節池より上流部において水位が上昇しやすくなるものの、洪水を安全に流すことができるよう、河道掘削など必要な対策を行うと聞いております。
調節池より上流部の堤防強化や河道掘削の具体的な規模については、現在、検討しているとのことです。令和3年度は、開平橋上流の左岸側の無堤区間において、夏頃から暫定的な小堤整備を行うとともに、本堤整備のための用地調査等を実施する予定と聞いております。
次に、「調節池とJR川越線の荒川橋りょうの架け替えが完成するまでの間、どのように決壊を防ぐのか」についてでございます。現在、国において荒川の改修が下流から順次進められており、堤防整備のためにJR川越線の荒川橋りょうの架け替えが必要ですが、橋りょうの架け替えには一定程度の期間を要するため、ソフト対策が重要となります。具体には、豪雨が予想される場合、荒川の水位を下げるよう、令和2年度に締結した「治水協定」に基づく事前放流を実施し、荒川水系の国や県などが管理する8つのダムの容量を確保してまいります。また、荒川上流河川事務所や各県土整備事務所、さいたま市や川越市の水防団体では、荒川の堤防の合同点検や水防訓練を実施し、洪水への備えを強化しております。
今後も、調節池の工事に当たっては、囲ぎょう堤の整備と併せて河道掘削や築堤など上下流の治水安全度のバランスを考慮しつつ、早期に効果が発現できるよう国に要望してまいります。

A 堀光敦史 企画財政部長

架け替えの新設ルートなど具体的計画やスケジュールについてお答えを申し上げます。
JR川越線荒川橋りょうの架換えの具体的計画やスケジュールは、荒川調節池事業の実施主体である国土交通省が決定するものでございます。昨年11月に、県、国土交通省、さいたま市、川越市及びオブザーバーのJR東日本の5者による「JR川越線荒川橋りょうの複線化仕様での架換えに関する協議会」を設置いたしました。その中で、国土交通省から、荒川調節池事業の進捗状況と今後のスケジュールについて説明がありました。その際に示された資料によりますと、今年秋頃までに新設ルートを決定し、概略設計に着手する予定とのことでございました。
県といたしましては、今後も協議会等を通じて国土交通省から情報を収集し、事業の具体的計画やスケジュールの把握に努めてまいります。
次に、架け替えと同時に複線化を図ることについてお答えを申し上げます。
川越線の複線化につきましては、基本的には鉄道事業者であるJR東日本が判断いたします。JR東日本としては、「今あるまちづくりの計画を踏まえても複線化の検討が必要な状況にはない」という考え方を示しております。同社が複線化を検討するには、さいたま市及び川越市のまちづくりにより利用者を増加させる取組が何よりも必要です。今年度、県では両市とともに、荒川橋りょうの複線化仕様に関する調査を実施し、関係5者による協議会において、橋りょうの複線化仕様での架換えに向けたあらゆる可能性を検討していく予定でございます。今後、両市の意向を踏まえつつ、複線化の期待に応えるため、協議会での議論などを通じて、荒川橋りょうの複線化に向けて粘り強く交渉を行ってまいります。

再Q   守屋裕子 議員(共産党)

荒川調節池とJR川越線架け替えについてのことなんですが、これは今、5者協議をしたりいろいろしていくという中で、問題は、それが9年かかると、これから今後9年かかってやるというところで、川越の古谷地域のほうというのが、荒川橋りょう、鉄橋のところの堤防が低いということを認めているわけですよね。
ところが、それに対して、水害がこれからもいつ起こるか分からないというところで、古谷の地域では新興住宅地も出てきて、そういう住宅が内水で前回のときに相当、あの周りが一面水に浸ってしまったんですね。それでもう移りたいということだけれども、引っ越ししたいという不安も抱いているけれども、実際には価格が下がって、そして移れない状況になっているという相談も来たんです。
そういう点では、この状況の中で9年間その水害がまた繰り返されることが、それでいいのかということなので、ここのところについて、先ほどちゃんとした具体的なお話、聞いていなかったような気がするんですが、それに対する話は、荒川の上流河川事務所でお話し聞いたときには、要は避難しろということなんですよ。市も言って、地域でも、自治体で避難をするしかないというような話が出たので、これはとんでもない話だと思いまして、何としてもこれについてはきちっと県としても対応すべきじゃないかということで、再度これについてはお話を、対応をどうするのかお聞きしたいんです。これは県土整備部長にお話、聞きたいと思っています。

再A 北田健夫 県土整備部長

荒川の改修は下流から順次進められており、橋りょうの架け替えを含め、河川改修が完了するまでには多くの時間を要します。そのため、国の改修、県の改修、順次進めさせていただきますので、ハード整備については御協力いただきたいと考えております。
ご質問のあった、整備完了までの間の対策については、答弁のとおり、ダムの事前放流や水防活動で対応してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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