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ページ番号:201156
掲載日:2024年7月4日
Q 守屋裕子 議員(共産党)
新型コロナウイルス感染症の拡大により、「昼のバイトの収入が減り、夜勤してそのまま学校へ行く生活」「飲食店のバイトが週四時間ぐらい減ってしまった」などの声が今も寄せられています。大野知事は、党県議の12月議会の学生への緊急支援に対して、「生活に困窮する学生を誰一人取り残さず、夢と希望の持てる埼玉の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。」と答弁しております。しかし、県の機構の中には学生支援を行う部署がありません。是非この答弁に基づいて横断的な組織を立ち上げていただきたい。知事の答弁を求めます。
長崎県では、国の制度に上乗せして、経済的に困窮している私立専門学校生徒等の授業料減免をしています。補助率3分の2で、一人当たり上限6万5600円です。長崎県と同様に、本県でも実施することについて、総務部長の答弁を求めます。
また、学びの継続のための学生支援緊急給付金などの制度の拡充を求め、学生支援策について国へ要請すべきです。福祉部長、答弁を求めます。
次に、女性の貧困問題について伺います。
12月議会において、党県議が、コロナ禍で女性を取り巻く雇用状況や生活環境が急激に悪化し、自殺が急増していること、DV相談件数も増えていることなど、取り上げました。コロナ禍で、女性の貧困や暴力の問題が明らかであり、これを放置すればジェンダーギャップは更に開くだろうと世界的にも認識されています。
グテーレス国連事務総長は、新型コロナに関する全ての意思決定の場への女性の参画、コロナによる影響に対処する全ての枠組みへのジェンダー視点の主流化などを提言しています。コロナ禍の中で、ジェンダー平等と女性の貧困問題についての知事の認識についてお答えください。
具体的な問題として、今、生理用品の支援が全国各地で広がり、東京都では9月から実施すると聞いております。県内市町村でも無償提供の動きが始まっていますが、これらの取組について県としても支援するべきです。福祉部長、答弁を求めます。
我が党は、5月25日に県に緊急申入れを行い、生理用品の無償提供を求めており、県立高校への配布を知事は表明しています。これは高く評価するものですが、全ての県有施設において生理用品の無償提供を行うべきです。福祉部長の答弁を求めます。
A 大野元裕 知事
学生支援を行う横断的な組織を立ち上げるべきについてでございます。
学生を含め若者は日本の宝であり、私は誰もが未来に向けて夢と希望を持って人生を歩んでいただきたいと考えております。
しかし、コロナ禍により、親の支援が受けられなくなるほか、アルバイトの仕事が無くなる、学校で授業を受ける事ができなくなるなど、孤立・健康面など様々な支障が生じ、コロナ禍の長期化により深刻さが増しています。こうした状況を受け、県では学生向けのチラシを作成して、県内182の大学や専修学校等に配布し、相談先や支援制度をお知らせしてまいりました。
コロナ禍のような全県対応が必要な分野においては特に、対象を限定した専門部署を新設するというよりも、それぞれの専門分野から多面的・多角的にとらえつつ組織横断的に施策を検討することが適切であると考えます。そのため、今年度「コロナ禍における県内大学生のアルバイトマッチング支援」として、企画財政部と産業労働部が協力して県が実施する事業において県内大学生を積極的に雇用する仕組みを作ったところであります。
今後も、庁内での連携強化に努め、若者に対する機動的かつ実効性のある支援策を講じてまいります。
次に、コロナ禍の中でのジェンダー平等と女性の貧困問題についての認識についてでございます。
我が国には、そもそも女性が貧困に陥りやすい社会構造がございます。家事や育児などの多くを女性が担っている現状があり、就業が途切れやすい上、非正規雇用の率が高いため、男女間の賃金格差が大きい状況にあります。この背景には、「男性は仕事、女性は家庭」、「主な稼ぎ手は男性である」といった固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みがあると思います。
今回、コロナ禍の影響により、女性の就業が多いサービス業が打撃を受け、非正規雇用者を中心に「女性不況」に陥り、女性の貧困問題が顕在化したのではないかと考えています。女性が経済的に自立し、貧困を解消していくためには、性別にかかわらず自分の意欲や能力を発揮できる、ジェンダー平等の実現が不可欠だと思います。
私は就任以来、女性活躍を「共生社会プロジェクト」の重要なメルクマールの一つとして推進しています。
就業面では、女性の起業家や管理職の増加に向けたキャリア支援なども行ってまいりましたが、特にコロナ禍においては働き方が大きく変わるにあたり、テレワークなど多様な働き方の推進による女性支援、更には「女性不況」に対応すベく、正規雇用化への支援などに取り組んでまいります。
政策決定過程への参画については、県庁において女性職員の管理職の登用や、県政への意見をいただく審議会委員への更なる女性登用などを進めております。
ジェンダー平等を通じ女性の貧困問題の解消を図り、女性活躍がポストコロナの新たな日常となるよう尽力してまいります。
A 小野寺亘 総務部長
「私立専門学校生等の授業料減免を、長崎県と同様に本県でも実施すること」についてお答えを申し上げます。
「大学等における修学の支援に関する法律」に基づき、令和2年度から年収約380万円以下の世帯を対象に大学生、専門学校生の授業料等の減免、給付型奨学金の支給が開始されました。
県内にとどまらず広域的に選択されている大学、専門学校等の修学支援は、国のスキームに基づき実施されています。
県では、令和4年度に向けた国への要望において、「高等教育の修学支援新制度の拡充」として、所得基準や奨学金の給付額の引き上げなどを新たに盛り込みました。
意欲ある若者が経済的な理由で進学を断念することが無いよう、引き続き、国に支援の拡充を求めてまいります。
A 山崎達也 福祉部長
まず、学生支援策の国への要請についてでございます。
新型コロナウイルス感染症が拡大する中、学生の不安は、生活全般、学業、就職、健康など様々な分野に及ぶものになっています。 県では、これまで、学生も含め、生活にお困りの方に対し、資金や住まいなど様々な支援を行ってまいりました。
コロナ禍で学生が経済的な理由で学業を志半ばで断念するようなことがあってはなりません。未来を担う学生たちが安心して学生生活を送ることができるよう、その支援策について、関係部局と連携し、国へ積極的に要望してまいります。
次に、県内市町村の生理用品の無償提供の取組に対する県の支援についてでございます。
本年5月に実施された内閣府の調査によると、県内では31市町において生理用品を配布していますが、生理用品が用意できないため配布していない市町村もあります。このため、県が防災基地などに災害用として備蓄してある生理用品を、市町村へ提供することといたしました。現在、市町村に提供希望の打診を行っており、配布に向けた調整を始めたところです。
次に、すべての県有施設における生理用品の無償提供についてでございます。
生理の貧困問題で大切な視点は、真に必要としている方へしっかり配布すること、単に配布で終わらせるのではなく他に抱えている困りごとについて把握し、必要な支援に繋げる機会とすることです。この対応の一環として、教育委員会では女子生徒が在籍する県立学校の全校に生理用品を配備することといたしました。また、県の男女共同参画を推進する拠点施設であり多くの女性が訪れる「WithYouさいたま」にも配備をしたところです。
さらに、県所管である町村部の自立相談支援窓口に配備するとともに、各町村の社会福祉協議会にも配備する準備を進めております。市の自立相談支援窓口に対しては配備を依頼します。生理の貧困は単に経済的な問題だけではなく、女性の尊厳にかかわる重大な問題です。根本的な問題解決には様々な課題がありますが、できることからしっかりと対応してまいりたいと考えております。
再Q 守屋裕子 議員(共産党)
学生・女性の貧困への緊急対策を求めるところで、県庁の中でのそういう部局というか、中につくるべきじゃないかということで提案しましたけれども、横断的に行うという知事の答弁だったんですね。これについて、なぜ質問を行ったかといいますと、なかなか学生を担当する部署がないんですね、埼玉県には。大学生は国が見るということで、県内では大学に対するものがないと。
先ほど知事のほうでも、ほかのほうでも、チラシを大学生のほうに配ったりと、これは12月議会で村岡県議がいろいろと言いまして、福祉課のほうで、大学のほうにもチラシで、福祉協議会からお金を貸すことができますというようなチラシが、初めて大学のほうにチラシが入ったという中身なんです。しかし、よくよく見ますと大学生本人じゃないんですよ。福祉協議会ですから、世帯主に対してお金を貸すという中身なんです。
ですから、そういう点では、本当にもっと県が、埼玉県内にいる方たちの大学生に対して、どのように対応するかということをもっと県庁内できちっとすべきではないかというふうに私は思っているんですね。そういう点では、横断的なと言うけれども、それなりのものがないと、未来、将来の方たちですから、きちっと対応すべきじゃないかなというふうに思っているので、もう一度、答弁を願いたいと思います。
再A 大野元裕 知事
先ほど御答弁させていただいた意図としましては、まず第一に守屋議員御指摘のとおり、学生に対する支援、取組の重要性、ここについてはまったく同感でございまして、共有をしており、特にこのコロナ禍において、大変厳しい状況に置かれている学生に対する取組は不可欠と考えております。
他方で、そのような中で御指摘いただきましたチラシに加えて、例えば県内の大学生が特に非正規分野での雇用が失われている一環として、アルバイト先がない、あるいは収入が絶たれている、こういった状況があるためにマッチングを行わなければならないという思いから、今回施策を講じましたが、その際には部がなくとも企画財政部と産業労働部が協力し、そして県内の国立・県立、そして私立等の大学等、適切な枠組みを作る事ができました。
このように実効性を確保する事が大切と考えておりますので、まずはこの段階では実効的な仕組みを作ることができるかどうか、ここにまずは注力をさせていただきたいと考えており、仮にそういったことが組織としてできないのであれば、改めて検討させていただきたいと思っております。
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