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ページ番号:201161

掲載日:2024年7月4日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(守屋裕子議員)

児童養護施設などでの虐待をなくすために

Q   守屋裕子 議員(共産党)

2月定例会における予算特別委員会の場で、我が党は、児童養護施設における虐待を取り上げました。施設内虐待は、2014年度から2019年度の6年間で14件発生し、被害児童31名と非常に深刻です。虐待から逃れた児童が、児童養護施設で再び虐待を受けるような事態は何としてもなくさなければなりません。
川越市にある埼玉育児院は、2004年、当時の施設長と職員の虐待により、改善委員会が立ち上がりました。現施設長は、改善委員会の委員長に要請され、統括主任としての任に就き、2016年、外部から施設長に就任しました。現施設長は、「力の支配があるところに虐待がはびこる。職員と子どもとの関係はもちろん、職員同士、子ども同士でも暴力は許さない。力の支配しか知らない子どもたちが、関わりの中で力の支配でない方法を学んでいく」と話しておられました。
施設内虐待を根絶させるためにも、問題のあった施設には積極的に外部スーパーバイザーを入れるべきです。また、職員の悩みを聞き、子どもへの対応を相談する外部相談員も置くべきと考えますが、福祉部長の答弁を求めます。
厚労省の有識者会議が、子どもアドボケイト(意見表明支援員)の配置を都道府県などの努力義務とするよう求めています。子どもの声を聞き、権利が守られるように周囲に働き掛ける人がアドボケイトです。大分県では、養成と派遣を大分大学に委託し、研修を受講した大学生や社会人らが一時保護所や里親家庭、児童養護施設などで活動を行っています。本県においても、アドボケイト養成と派遣を行っていただきたい。福祉部長、お答えください。
埼玉育児院の施設長は、今後、児童家庭支援センターをつくりたいと話しておられました。児童家庭支援センターは、1997年の法改正によって制度化された地域相談機関です。児童の保護者をはじめ、里親の相談や必要な支援も行います。関係機関の連絡調整も行います。現在、千葉県には児童家庭支援センターが13か所もありますが、埼玉県には3か所しかありません。児童家庭支援センターをせめて千葉県並みにすべきではないですか。答弁を求めます。

A 山崎達也 福祉部長

外部のスーパーバイザーや相談員を入れるべきではないかについてでございます。
児童養護施設に入所している子供の約6割が虐待を受け、約3割の子供が何らかの障害を抱えているなど対応が難しい子供が増えています。中には、自分の思い通りにならないと癇癪を起こしてしまい、職員に対して暴力をふるってしまう子供もいます。そういう子供たちへの接し方や感情の受け止め方などに悩んでいる職員や経験年数が浅い職員が、思わず子供に手を上げてしまうというケースが発生してしまうことも考えられます。
力量のある外部の方が、スーパーバイザーとして職員を指導し、処遇力の向上を図り、あるいは、相談員として精神的なサポートをすることで施設の体制強化につながるものと考えます。既に外部のスーパーバイザーや相談員の協力の下に、職員の資質が向上したり、施設内の子供が安定した生活を取り戻すなどの成果を上げている施設もございます。これらの情報を他の施設にも提供し、外部のスーパーバイザーなどの活用を働き掛けてまいります。
次に、アドボケイト養成と派遣を行うことについてでございます。
アドボケイトは、行政機関などに対して子供の意見を代弁して表明するなど、子供の最善の利益を実現する上で重要な役割を担います。国の有識者会議は、アドボケイトの配置などによる子供の意見表明権の保障やそのための権利擁護機関の整備等について、本年5月に提言をまとめました。提言の中では、都道府県などへの配置の努力義務化を検討していくべきとする一方で、制度の仕組みについては様々な選択肢が示されており、引き続き制度化に向け議論される予定です。
アドボケイトの養成と派遣については、その前提となる国の制度設計を踏まえるとともに、大分県の先行事例も情報収集し、検討してまいります。
次に、児童家庭支援センターの設置数を千葉県並みにするべきではないかについてでございます。
児童家庭支援センターは、専門的な知識・技術を要する家庭からの相談や市町村への技術的助言を行うほか、要保護性のある児童や保護者の指導などを行う児童福祉施設です。また、この施設は心理治療を目的とした親子カウンセリングやプレイセラピーなど、子供や家族への具体的な支援も通所で利用できます。児童虐待や親の養育不安が増加している中、こうした施設を充実させていくことが子供や親の利益に繋がるものと考えます。本県の児童家庭支援センターは、児童養護施設等に併設されています。そこで県では、地域への支援を適切に行うことができるよう、児童養護施設等に、児童家庭支援センターの設置を働き掛けてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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