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掲載日:2022年10月25日

令和2年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(藤井健志議員)

競輪事業の在り方について

Q  藤井健志  議員(自民)

競輪事業は昭和23年の自転車競技法に基づいて事業がスタートしました。かつて競輪場は全国で50施設ありましたが、現在は43まで減少しております。これは利用者の高齢化や娯楽の多様化による売上げの減少等を背景としており、現時点でも存廃を議論している競輪場が複数存在しております。
埼玉県の状況については、今年の9月定例議会の総務県民生活委員会において所管事務調査が行われました。本県の売上げは、平成3年の約707億円がピークであり、少し回復しつつあるとの報告もありましたが、令和元年度は約275億円、ピーク時の39%まで落ち込んでおります。さらに、収益のピークは平成2年の約57億円です。令和元年度は2億円弱、実に約3%まで減少しております。また、入場者数では昭和49年の280万人をピークに、令和元年度は11万人、ピーク時の4%まで落ち込んでおります。
施設の利用状況では、年365日のうち、レース利用は50日を下回っております。これ以外はアマチュア選手の練習の場として利用されてはおりますが、行政の所有する施設として全体の稼働状況を考えると、市民、県民のために有効に活用されている施設とは言いがたい、こういった指摘もございます。
施設の老朽化も著しく、例えば今から約70年前に設置された大宮競輪場は、修繕工事費が近年かさんでおります。大宮競輪は県に施設使用料の支払いを行っているものの、その施設使用料を上回る額を県が負担している現状も近年見られるようになりました。
以前、高木真理議員の競輪事業の存廃を問う一般質問に対して、執行部から、「大宮公園の維持管理費は年間4億円ですので、競輪事業が県に支払う約2億円の施設使用料により、半分程度が競輪による収益で賄われていることになります」といった趣旨の答弁がありましたが、県がもらう施設使用料を上回る改修費を県が負担しているわけですから、適切な答弁であったとは思えません。
「財務情報がマネジメントへ適切に活用されていない」、このことも厳しく指摘せざるを得ません。
本来であれば、競輪事業のポテンシャルは低くないと思うのです。オリンピック競技のケイリンと日本の競輪は異なる部分があるものの、日本の競輪選手の中にメダリストがいます。ほかにも、昨今の自転車ブーム、車券が販売できるといった様々なメリットもあります。
しかし、こうした現状を招いたのは、在り方の検討を加えてこなかったことが原因ではないでしょうか。今後の43競輪事業全体の在り方については、経済産業省に置かれた車両競技小委員会でも検討がなされております。全ての結論が出たわけではありませんが、施設が多過ぎるのではないかといった意見が出ていると側聞しております。
また、先ほども言及いたしましたが、他の自治体でも存廃の議論をしている競輪場が多数あります。例えば奈良県営競輪は、平成24年に奈良県営競輪あり方検討委員会を設置し、平成28年に報告書をまとめました。5年間は事業を継続するが、この間に検討を進めるといった趣旨の報告を行っております。
そこで、知事に質問いたします。
まずは、経営戦略を確立するために、財務情報を含めて情報の整理・公開を適切に進めること。また、売上げや来場者の劇的な減少、施設の老朽化に伴う経費の増大、施設が県民、市民に有効に使用されていないなど様々な要因がある中、本県の競輪事業の今後の在り方について大宮と所沢の統廃合、又はより有効な活用策を含め、将来を見据えた具体的な検討を行うべきと考えますが、御所見を伺います。
大野知事は、現在、全国43施行者で構成される公益社団法人全国競輪施行者協議会の会長をお務めであります。是非、会長自らが改革の旗手としてその手腕を発揮していただきたい、このように存じます。

A  大野元裕  知事

財務情報を含めた情報の整理・公開についてでございます。
全国の競輪の売上げにつきましては、ファンの高齢化や娯楽の多様化により平成3年度をピークに減少していましたが、平成25年度を底に増加傾向にあります。
本県においても、平成26年度を底に少しずつではありますが売上げは増加傾向にあり、令和元年度は単年度で約1.9億円の収益を確保しております。
競輪事業の財務情報については、条例により設置された埼玉県公営競技事業特別会計の決算書などにより適切に整理して、ホームページなどで公開しています。
また、施設の老朽化が進んでいることは議員お話しのとおりです。
大宮競輪で使用している双輪場

の維持管理費や修繕費などを合わせた経費は、直近5年間の平均で年間3.5億円となっています。
一方、競輪事業から県に支払っている双輪場

の使用料と、一般会計への繰出金を合わせた直近5年間の平均額は年間7.1億円となっており、双輪場

の維持管理費や修繕費などの経費を上回っています。
議員から財務情報を含めた情報の整理・公開について御指摘がありました。
今後は競輪事業会計と双輪場に関わる経費との関係、競輪事業の収益や繰出金の状況、金額の推移などの情報についても整理して分かりやすくお示しできるよう努めてまいります。
次に、競輪事業の今後の在り方の検討についてでございます。
議員御指摘のとおり、私も競輪事業の将来を見据えた検討を行う必要性を認識しております。
近年はインターネットで競輪を楽しむ方が増え、コロナ禍においても売上げは安定しています。
このような時だからこそ、目先の売上げだけにとらわれず次のステップに進むための在り方を検討することが重要だと思います。
議員から具体的な御提案もいただきましたので、まずは有識者から競輪事業について御意見をいただく場を設けたいと考えております。
現在、経済産業省では競輪施行者を対象にした来年度以降の「新しい生活様式を意識した中期基本方針」の策定作業を進めています。
また、本県では大宮スーパー・ボールパーク構想の検討を進めています。
それらの状況などを踏まえながら、今後の競輪事業をどのように展開していくかについて検討してまいります。
競輪事業は地域雇用の場の一つとなるなど、地域経済の一躍を担う側面もあります。
当面は今ある施設を有効活用し、少しでも売上げを伸ばし公営競技の本来の目的である財政貢献を着実に果たせるよう、しっかりと競輪事業に取り組んでまいります。

 

 

 

 

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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