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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松澤   正議員)

プラスチックごみ問題について

Q   松澤   正   議員(自民

近年、プラスチックほど短期間で経済社会に浸透し、我々の生活に利便性と恩恵をもたらした素材はないのではないでしょうか。しかし、リサイクルされずに廃棄されるプラスチックごみも多く、自然には分解しにくい性質もあり、生態系への影響が懸念されるところです。特に、海に漂っている海洋プラスチックごみが海の生物に与える影響について、連日のように報道されております。
海洋プラスチックごみは陸上生活で発生したごみが大半であると言われており、中にはまちのごみ箱からあふれた散乱ごみや不法投棄されたごみが川を通じて海に流れ込んでいるものもあります。世界全体では年間800万トンを超えるプラスチックごみが陸上から海洋に流出しているとの推計も出されています。このままでは、2050年までには魚の重量を上回るプラスチックごみが流出することが予想されるなど、地球規模での環境汚染が懸念されております。ウミガメやクジラがプラスチックごみによって傷ついたり、飲み込んでしまったことで衰弱している報道を目にするたびに非常に心が痛みます。
こうした現状を受けて、国は本年5月31日に海岸漂着物処理推進法に基づいた海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針の変更案を閣議決定しました。この変更の大きなポイントの一つが、陸域でのプラスチックごみ対策が加えられたことです。国内から発生する海岸漂着物等は、山、川、海へとつながる水の流れを通じて海岸に漂着したものであって、海のない埼玉県に住む我々にとっても他人ごとではないのです。幸いなことに、川の国である埼玉県では、川の国応援団として地域の河川の清掃などに関わる民間の団体が活躍しており、県内の多くの河川で清掃活動を行っています。川の国応援団の皆さんの活躍により、県内の河川のごみの不法投棄の状況は、この10年ほどで大変改善しているように感じています。
しかしながら、埼玉県を代表する河川である荒川は、都市化の進んだ地域を流れ、流域人口は1,000万人を超えています。川からプラスチックごみが流れ出ないようにするためには、より多くの県民が川の国応援団に参加し活動するとともに、川の国埼玉に住む県民一人ひとりがプラスチックごみがまちの中から流れ出ている実情を知って、自らの問題として意識し、行動を起こすことが必要であると考えます。
そこで、このプラスチックごみ問題にどのように取り組んでいくのか、環境部長に伺います。
また、プラスチックごみについては、地球規模で問題となっている使い捨てプラスチックの象徴的な存在であるレジ袋の削減について取り組むことが重要であると考えています。レジ袋は大変便利なものですが、海の生物がクラゲと間違えて捕食し、消化器官を詰まらせて死んでしまうものもあると言われております。
国では、6月3日にレジ袋有料化のための法整備を行う方針を発表しました。私の地元吉川市でもレジ袋を有料としているところもありますが、まだ普及していない店がほとんどです。
そこで、削減に向けたこれまでの県の取組と、それを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか、環境部長に伺います。

A   小池要子   環境部長

まず、「プラスチックごみ問題にどのように取り組んでいくのか」についてでございます。
議員お話しのとおり、プラスチックごみ問題の解決には、一人ひとりが自らの問題として捉えることが不可欠です。
そこで、本年は5月30日から6月8日までを「埼玉県プラごみゼロウィーク」と設定し、様々な活動を行いました。
例えば、川越市の新河岸川や上尾市の鴨川で、親子連れなど地域住民や地元の高校生、川の国応援団のメンバーと一緒に、川を流れるごみを調査いたしました。
参加者全員で回収したごみを分類し、2カ所合計でペットボトル70本、レジ袋270枚など、漂着したプラスチックごみが風雨にさらされ劣化しつつある状態を目の当たりにいたしました。
また、「川の国応援団」や「地域清掃活動団体」と連携し、県内全域でのごみ拾いも行いました。
県が把握しているだけでも、延べ100カ所以上の会場で約2,000人の方に参加していただきました。
参加者からは、自らのライフスタイルを見直そうと思ったなどの声が寄せられ、正に行動を変えるきっかけになったと考えております。
今後も、県民の方と一緒に取り組むイベントや3R講座など、様々な機会を捉えて、プラスチックごみの削減、適正処理について訴えてまいります。
次に、「レジ袋の削減に向けたこれまでの県の取組と、今後どのように取り組んでいくのか」についてでございます。
県では、平成20年度からスーパーマーケットなどと協力してレジ袋削減の取組を行ってまいりました。
その結果、現在では県内に店舗を構えるスーパーマーケットの9割でレジ袋の有料化やポイントの付与など、対応をしていただいております。
一方、コンビニエンスストアなどでは利用者が外出先から立ち寄るケースが多く、なかなかレジ袋削減が進んでいない状況です。
今年の彩の国だよりの5月号では「できることから始めよう!ごみを減らす生活」を特集いたしました。
その中で、マイバックの利用を呼び掛け、例えばレジ袋を一人1日1枚断ると、県全体で年間約2万6,000トンのごみの削減につながるとお知らせいたしました。
これは、10万人規模の市の1年間のごみの焼却量に相当する数字になります。
国が現在進めているレジ袋の有料化の動きも踏まえながら、レジ袋削減に向けて事業者と県民の双方に積極的に働き掛けてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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