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掲載日:2019年7月12日

令和元年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)

学校における働き方改革について

Q   水村篤弘   議員(民主フォーラム

教職員の長時間労働や業務量の増大など過酷な勤務実態が広く認識されるようになり、全国で学校における働き方改革の取組が進められています。本県でも県人事委員会勧告で、過去4年にわたり学校現場における教職員の負担軽減について言及されています。この中では、教職員の勤務実態の客観的な把握とそれに基づく勤務時間管理が早急に必要であることなどが指摘されています。
国では、本年1月25日の中教審答申を受けて、3月18日に文科省より「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」という通知が各都道府県教育委員会教育長などに出されました。この中では、1、勤務時間管理の徹底と勤務時間、健康管理を意識した働き方の推進、2、学校及び教師が担う業務の明確化、適正化、3、学校の組織運営体制の在り方、4、学校における働き方改革の確実な実施のための仕組みの確立とフォローアップなどの大きく4点にわたり取り組みが求められています。
そこで、教育長に4点質問をいたします。
1点目は、埼玉県教育委員会として国の通知で求められている4点について、具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。
2点目、この働き方改革を推進していくには、その重要性を理解していただくためにも教育長がリーダーシップを発揮するべく、教育長を本部長とするような対応が必要だと考えますが、どのような体制で改革に取り組んでいくのでしょうか。
3点目、過去の議会での答弁では、教員の業務削減を進めるための目標値が示されていません。具体的な削減目標を設定して取り組まなければ改善が進まないと考えます。また、教職員の方からも、具体的に何時間分に相当する業務を削減するのか目標値を示してほしいとのお声もお聞きしています。具体的な削減目標、何時間分なのかお示しください。
4点目、教員採用試験の倍率の低下が埼玉県も含めて大きな社会問題になっています。特に小学校の教員のなり手が減っています。教員の過酷な勤務実態がマスコミなどで大きく報じられていることも倍率低下の要因だと言われています。優秀な人材の確保のためにも他県に先んじて働き方改革を進め、働きやすい県であることをアピールする必要があると思います。県教育委員会として倍率低下の原因をどのように捉え、どのように改善していくのでしょうか。

A   小松弥生   教育長

まず、「4つの取組について、具体的にどのように取り組むのか」についてでございます。
現在、県では、これまでの県議会の御議論や国の通知を踏まえ、「学校における働き方改革基本方針」を策定しているところです。
御質問の4つの取組については、この「基本方針」に盛り込んでまいります。
1つ目の「勤務時間管理の徹底と健康管理を意識した働き方の推進」については、平成31年2月定例県議会の附帯決議を踏まえ、トータルケア体制の確保とあわせた「勤務管理システム」の導入を検討しているところです。
また、長時間在校している教職員については、産業医による面接指導に加え、今年度から新たに、全県立学校を対象に保健師が要請訪問による相談を実施しております。
2つ目の「業務の明確化・適正化」については、学校・地域・保護者が適切に役割を分担し、一体となった学校運営を行うことができるよう検討しております。
3つ目の「学校の組織運営体制の在り方」については、教職員の業務の平準化を一層進めるよう、校長会議などで指導を徹底してまいります。
4つ目の「働き方改革の確実な実施のための仕組の確立とフォローアップ等」については、「基本方針」の策定後、教育局内に委員会を設置し、効果検証を行ってまいります。
また、これらの取組については、市町村立学校においても同様に進められるよう、市町村教育委員会に対して積極的に働き掛けてまいります。
次に、「教育長を本部長とするなどの体制で取り組む必要があるのではないか」についてでございます。
学校における働き方改革は、非常に重要な課題と考えておりますので、フォローアップ委員会を指導しながら、私自身が、しっかりとリードして取組を進めてまいります。
次に、「具体的な削減目標を何時間分と示すべきではないか」についてでございます。
教職員の業務には、授業準備など、子供のために丁寧に行う業務もございますので、すべての業務について、一概に削減目標を示すことは難しいと考えております。
しかしながら、目標設定が可能な業務もございますので、例えば、調査回答に要する時間の2割削減など、可能な限り、削減目標の設定に取り組んでまいります。
次に「教員採用試験の倍率低下の原因をどのように捉え、どのように改善していくのか」についてでございます。
本県の小学校教員の試験の倍率は、大量退職が始まる前の平成10年には11倍でしたが、平成15年以降3倍から3.9倍で推移し、今年度は2.8倍となっております。
原因といたしましては、近年は企業の採用が好調なことに加え、教員の働き方に対して多くの学生が不安を抱いていることも一因となっていると認識しております。
この状況の改善に向けては、まずは働き方改革をしっかりと進め、その取り組みや成果を発信することが最も重要だと考えております。
それに加えて、本県で進めている教材や指導案の共有、教員同士の学び合いのネットワークづくりなどをアピールし優秀な人材の確保に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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