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掲載日:2019年7月12日
Q 水村篤弘 議員(民主フォーラム)
先日、会派で兵庫県立有馬富士公園を視察調査させていただきました。有馬富士公園は2001年に開園、開園当初より県民の参画と協働による公園運営を行っています。日本の市民参加型パークマネジメントの先駆け的存在と言われています。こうした運営が行われている背景には、1995年に阪神・淡路大震災があり、災害救助や復興に多くのボランティアの方が参加をしてボランティア元年と呼ばれて以来、行政で全てをやる時代ではないとの認識から、住民の知恵を生かしたまちづくりを行う流れになってきていたことを挙げていました。公園で活動しているグループの代表や一般公募の住民、学識経験者などで構成される公園運営協議会が、具体的な管理、運営計画などについて検討をしています。
そして、ありまふじ夢プログラムという住民グループが、公園を舞台に主体的に自主企画運営する事業の実施プログラムについて協議会が認証して、協議会共催プログラムとして実施をしています。活動事例としては、天体観測や図工教室、里山レンジャーなどで展示系のイベントが人気とのことです。公園のカレンダーを見ると、毎週末はもちろん平日もイベントがいっぱいです。そして公園利用者は開園当初の約2倍に増えています。
開園後の運営計画の作成を依頼されたコミュニティデザイナーの山崎亮氏は、「ディズニーランドのように、ようこそといって誰かが迎えてくれるような公園にしよう」と考えたそうです。普通の公園であれば、公園管理者がいて、そこを利用するゲスト、お客さんがいるだけですが、公園管理者のほかに様々な活動プログラムの企画や実施を行うキャストもいる公園にしようと考えたそうです。そして、キャストには公園の近くでサークル活動やNPO活動などをしている方々が無償でなっています。
埼玉県内にも数多くの県営公園があり、多くの県民に親しまれています。私の地元の所沢市にも航空記念公園があり、多くの市民に親しまれています。そして、公園を使って地域のコミュニティづくりをしたいなどの御意見もいただいています。私は、県営公園で住民参画と協働による運営を行うことによって公園がより一層魅力的になり、活性化すると同時に、公園を中心に地域のコミュニティも強くなっていくと考えます。
そこで、都市整備部長に3点質問をいたします。
1点目、県営公園活性化のために、有馬富士公園のように地域の方の意見を取り入れられるよう運営協議会を作れないでしょうか。
2点目、現在でも公園を使用しての大きなイベントなどが開催されていますが、地域の団体などから公園を使ってイベント、行事を行いたいと提案があった場合に、もっと積極的に共催事業プログラムと位置付けて盛り上げていくことはできないでしょうか。
3点目、所沢航空記念公園を住民参画と協働による運営のモデル事業として位置付けて取り組んでいくことはできないでしょうか。
A 和栗 肇 都市整備部長
まず、県営公園に地域の方の意見を取り入れられるような運営協議会を作れないかについてでございます。
議員お話しの有馬富士公園の協議会は、開園の2年前から準備し、住民が公園運営に主体的に参画する仕組みづくりを長い時間をかけて進めてきたと伺っております。
現在、この協議会は天体観測や里山の保全再生など住民団体による手作りプログラムの認証を行ったり、住民参画型の計画や管理運営を協議するなど、よりよい公園づくりを担っております。
また、現場での運営には、協議会の他に住民による主体的な事業の企画などをサポートするコーディネータの存在も欠かせません。
有馬富士公園の場合、その役割は指定管理者が担っております。
本県のまつぶし緑の丘公園にも、開設当初から地域住民で構成される利用促進委員会があり、指定管理者と連携しイベントや清掃などの活動を主体的に行っております。
県営公園は、場所や施設の特徴などは様々であり、利用状況も異なります。
県営公園に運営協議会をつくることにつきましては、それぞれの公園の特徴、主体的に関わりたい団体や住民、指定管理者の体制、地元市町村の協力状況などを踏まえ検討してまいります。
次に、地域の団体などからの提案に対して、積極的に共催事業・プログラムと位置付けて盛り上げていくことはできないかについてでございます。
本県では現在、地域の団体などからご相談があった場合、内容に応じて共催などの協力を行っております。
さらに、例えば、狭山稲荷山公園では毎年、指定管理者が実行委員会を組織し、東日本大震災復興支援チャリティイベントを地元の方々と実施しております。
県営公園を多くの方にご利用いただけるよう、地域の方々からのご提案に対し共催だけでなく、どのように連携し盛り上げていけるのか、指定管理者とともに考えてまいります。
次に、所沢航空記念公園を住民参画と協働による運営のモデル事業として位置付けて取り組んでいくことはできないかについてでございます。
この公園は、芝生広場を始め大変多くの皆様にご利用いただくばかりでなく、花壇整備やドッグラン清掃など多くのボランティアの方々が関わっております。
今後、公園を利活用したい方々、市や指定管理者の意向を踏まえ、モデル事業としての位置付けも含めて住民とどのような協働体制ができるのか、検討してまいります。
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