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掲載日:2023年10月18日

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所沢市 「エコタウン× エリマネで住宅地の価値をUP」

緑豊かな街並みやコミュニティを維持するため、住民と企業が協働して住宅地型エコタウンで稼ぎ、多様なサービスを展開できるエリマネを目指します。

説明資料

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発表概要(グラフィックレコーディング)

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発表

所沢市

所沢市街づくり計画部市街地整備課の坂本です。同じく谷です。同じく山賀です。よろしくお願いします。所沢市は「みどり豊かな環境・街並みを維持したい、土地区画整理事業後のエリアマネジメント」と題しまして、発表します。

まず、所沢市について紹介します。所沢市は、首都東京から30キロ圏内にあり、池袋駅まで電車で約20分で到着する、非常に交通の利便性が高い場所です。一方で、豊かな自然や、湖、丘陵地帯が広がり、自然と調和した都市として多くの魅力を持っています。そして、現在では人口34万人を超える街であり、埼玉・県南西部の中心都市として発展しています。

早速本題に入ります。まず、提案の背景について説明します。所沢市では組合施行の土地区画整理事業により、緑豊かな街並みが創出されたエリアがあります。今回は、航空公園駅から徒歩20分ほどの場所に若松町というところがありまして、そちらを例にして説明します。

組合施行の土地区画整理事業とはどのようなものかといいますと、土地を持った地権者が組合を作って、「組合が土地をきれいな道路と住宅街などに整備していく事業」です。これによって、土地が整備されて価値が上がります。

では、どのようにしてみどり豊かな街並みができたのか流れを簡単に説明しますと、所沢市の環境基本計画に基づいて、ハウスメーカーが街並みづくりのガイドラインを作成し、これに沿って住宅が建てられたことで統一感のあるみどり豊かな街並みができました。

ハウスメーカーが作成したガイドラインはどのようなものかといいますと、例えば、敷地にシンボルツリーを植栽してくださいといったルールを設けていたり、敷地のコーナー部分と道路から近い部分を緑化エリアとして、低木などを植樹するようなルールを設けています。このようにして、街路樹を植えるための道路幅員を確保できない道でも、沿道緑化ができるように工夫を行っています。

また、エリアごとに季節を感じられる樹木を選んで植樹するようなルールも設けています。例えば、春をテーマにしたエリアではハナモモ、夏はサルスベリ、秋はヤマボウシといった樹木を指定しています。

こうして、ハウスメーカーがガイドラインに沿って約150戸のまとまった住宅を先行的に建設して、自然と調和した統一感ある街並みが実現しました。

続いて、実際にどのような課題があるのかというのを紹介します。先ほど言ったとおり、土地区画整理組合が土地の整備をして、それが終わると、組合は解散してしまいます。その後は、家を買った人たちが敷地内の樹木や街の管理を担うことになり、この人たちは「私たちだけで庭木の手入れなど続けられるかな?」といった不安を抱えることになります。

課題を整理しますと、「整備された緑豊かな街並みを維持する仕組みが整っていない」といった問題があります。その原因として考えられるのが、例えば「地区計画を設けていますが、緑化のルールまで指定していない」ことであったり、また、「景観法で規制する方法もあるが、現実的ではない」といったことが挙げられます。

もう少し課題をイメージしやすいように、助けたい人物像(ペルソナ)を作ってみました。対象は、新しく地区に引っ越してきたファミリーです。現状は「新しい住まいで新生活をスタート」「2人の子供はまだまだ遊び盛り」「夫婦共働きのため忙しい」という状況です。

そして、心の中では「みんなで作っている、みどり豊かな街並みは住み心地がいいな」と感じている一方で、「庭木の手入れをしたことがないし、時間の余裕もない」といった心配を抱えています。

この人たちは「もっと楽に庭木の管理ができないかな」と考えています。先ほど言ったとおり「夫婦共働きのため忙しいので、植栽管理の負担を軽減したい」と考えています。それから、年齢を重ねるごとに植栽管理の負担は増していくので、これも不安だなと感じています。

こうした住民が抱える課題あるのと同時に、自治体として抱える課題もあります。1つは、コミュニティの維持や活性化です。それから、地域の防災やごみ問題といったものがあります。今回は少し欲張って、できればこういった課題も先取りして、一緒に解決したいと考えています。

そこで、私たちが目指す未来として考えているのが「住民主体の自立した、緑豊かな街づくり」です。どのような内容かといいますと、まずは、植栽管理をきっかけにエリアの価値を維持し、さらに拡大して、自立したコミュニティによって防災やごみ問題なども含めたエリアマネジメントを行っていく仕組みをつくることができたらいいなと考えています。このコミュニティというのは、自治会であったりNPO法人であったり、様々なケースが考えられると思います。

もう少しわかりやすいように図にすると、これはあくまで一例としてなのですが、例えば、住民と企業が協働して、植栽管理などのサービスを提供します。そのサービスに対して、植栽管理費などの収益を得て、さらに、この収益を植栽管理やコミュニティの運営に還元するといったサイクルを地域の中でぐるぐる回して、地域の価値を上げていくような仕組みです。自立したエリアマネジメントを持続するためには、何かしらのお金を稼ぐ仕組みがないと、基本的には企業も付いていけないですよね。なので、このように、住民と企業が協働して地域で稼ぎ、それを元に整備された緑豊かな街並みを維持する仕組みづくりを目指します。

もう少し具体的に話しますと、例えば、多くのお金は出せないけど、皆で少しずつお金を出し合いサービスを受ける。ここでは、(仮称)エコまちサブスク、月額800円とします。どのようなサービスを受けられるかといいますと、年に2回の植栽剪定であったり、脚立や台車といった物品のシェアを受けられます。

ちょっとここでスライドを変えまして、私たちは次の3点が提供可能だと考えていまして、まず1つは、実証実験フィールドの情報提供と調整です。それから実証実験のPRも、もちろん一緒にやらせていただく予定です。そして、一番大きく使えそうなものが、土地区画整理事業で整備した公園なので、これを使っていただくというのを考えています。

ちょっとここでスライドを戻りまして、黄色いラインの一番下の方ですね、「公園などの公共用地を活用して稼ぐ」というところです。例としては、指定管理、カーシェアリング、太陽光発電、イベント開催といったことが挙げられます。これらのサービスによる収益を植栽管理やコミュニティの運営に還元して、地域の価値を高めることを目指しています。さらに欲張ると、自治体が抱える課題である、地域の防災やごみ問題なども含めたコミュニティを形成したり、イベントなどによって地域のコミュニティを発展できると良いですよね。もっと言うと、この素晴らしい仕組みを、将来にわたって残したいと考えています。

続いて、企業に期待すること(一緒にチャレンジしてほしいこと)を3つ紹介します。1つは「街並みの維持」です。住民主体の自立した仕組みをもって、みどり豊かな街並みを維持したいと考えています。2つ目が「地域で稼ぐ」です。エリアマネジメントにおける地域住民の負担を軽減するためにも、先ほど例で出したようなサブスクや公園の活用などで資金を稼げるような仕組みを、是非とも取り入れていただきたいなと考えています。最後に「コミュニティの持続」です。長くエリアの価値を維持するためにも、エリアマネジメントのノウハウを継承できる仕組みづくりができると理想的だなと考えています。

次に「企業のメリット」です。まず、モデルケースの構築実績が得られます。

こういった区画整理事業に伴う問題は、所沢市だけでなく全国で同様に起こっているので、サービスを他自治体へ展開できるといったメリットも考えられます。

最後にまとめです。課題は「整備されたみどり豊かな街並みを維持する仕組みが整っていない」ことです。目指す未来は「住民主体の自立した、みどり豊かな街づくり」です。企業に期待することは「住宅地のエリアマネジメントの仕組みづくりと収益化」です。最後に、企業のメリットは、先ほどの説明したとおり、モデルケースの構築実績とサービスを他自治体へ展開できるといったことです。

最後に一言、言わせてください。住宅地のエリアマネジメントという難しい課題ですけれども、私たちと一緒に是非、前向きにチャレンジしていただける企業を募集しています。所沢市の発表は以上です。ありがとうございました。

質疑応答

モデレーター

所沢市ですけど、ここから質疑応答というか、気になる点がたくさんあるかなと思うので、いきましょう。

全体像として言っていることは分かるって感じなんですけど、みどり豊かなまちにしていくってのは分かるんですけど、企業からすると、言っていることは分かるけど、一歩目としてどんなことを想定していけばいいのかなとか、企業として仕組みづくりとか収益化っていうのはもちろん分かるけど、そのための1歩目ってどんな企業と自治体の取組を想定されているかとか、より具体なところでどんなことがありますか。坂本さん。

所沢市

一歩目としては、具体的にそこまで明確にはまだ考えていないんですけど、今回上げている課題は、現状、問題がまだ発生しているわけではなくて、将来起こり得るであろうものと想定しているものです。なので、一歩目としては、企業とともにまず、住民の意見を丁寧に汲み取って、課題にアプローチしていきたいなと考えています。

モデレーター

なるほど。一緒になってやっていくっていう中で、例えば、企業側にどういったことを求めているのかっていうのも、なかなか今のだと企業の皆さんには分かりづらいかなと思うので、改めてそこをもう少し聞ければなと思うんですが。例えば、そのコミュニティの運営支援とか活性化支援のために、住民がなかなか参加してきてくれないんだよねっていうのがあるので、「そうした参加を促すような案内をどんどんやっていきたい」みたいなこともあれば、「いやいや、先ほど言ったように、住民の声を聞くっていうのがなかなか難しいので、そもそもその声を聞くっていうことを一緒になって、企業の力を使いながらやっていきたいんだよね」「マーケティングの力とか広報の力とかデジタルの力を使って住民の声を集めていきたいんだ」とか、何かそういった、より具体で、よりイメージしやすい形で言うと坂本さんいかがですか。

所沢市

今おっしゃっていただいたように、まず住民の意見を聞くのが重要かなと思いますので、その分析をサポートしていただければなと思います。

モデレーター

今回、埼玉版スーパー・シティプロジェクトとして、仕様書を作ってどこかに委託するとかではなくてですね、一緒になってまずは実証実験から連携、共創をやっていきましょうみたいな取組なんですけど、このガバメントピッチって。では、仕様書作ってそういうこの収益化モデルやってくださいとか、維持管理やってくださいっていうのは、ハウスメーカーのアフターフォロー的にやってもらうとかハウスメーカーに委託するって考えはなかったんですか。

所沢市

発表にあったとおりですね、例えば、敷地の樹木の管理っていうのを、ハウスメーカーさんの方で、例えば月々幾らかお金をいただいて剪定を、といったサービスを行っていただいたりといった、具体的なサービスを行っていくのが一番分かりやすい例かなと思っています。

モデレーター

ハウスメーカーさんも今、協力はしてくれているって状況なんですかね。アフターケア、アフターサービスみたいな形で。

所沢市

ハウスメーカーさんは一度敷地内に樹木とか植えて作っていただいて、そのあとは手が離れている状態で、サポートは今、全くないような状態なんですね。なので、そのあとのサポートをしていただければなというところです。

モデレーター

なるほど。何かここで地域住民との対話の場であったりとか理解の促進をやっていかなきゃいけない、コミュニティの持続のためにそういうことをやっていくんだ、企業が代替してごみ拾いしてくださいとか、なんかそういう話じゃないってことですよね。

所沢市

そうですね。

モデレーター

そういうわけですよね。ここでイベントをやってほしいんだとか、住民が住みやすいようにごみ拾いやってほしいんだとかっていうわけではないですよね。

所沢市

そういったものも含めてですね。まず植栽管理をきっかけにして、そのあと晝田さんがおっしゃっていただいたような、ごみ拾いですとか、町並みをもっと良くしようっていう取組を、その地域の住民で、コミュニティを作って、広げていただけたらなと。

モデレーター

なるほど。そこのコミュニティの持続をやっていくに当たって、この住民との間に、当然、いきなり企業さんが来ると「何で」みたいな話になると思うんで、そこの住民とのつなぎであったりだとか、住民との対話の場の設計、設定であったりだとか、そこの住民たちとの場づくりみたいなことっていうのは、所沢市の坂本さんたちが、十二分に協力いただけるってことなんですよね。

所沢市

そうですね。住民の方たちと会話の場や、住民理解の促進っていうのは自治体の協力が必要だと思いますので、所沢市が間に入って、一緒に信頼関係を築けていければなと思っています。

モデレーター

これ、もし今の状態で木が倒れましたとか、何か枝が道路に落ちましたとかなったら、その家を買った住民の責任になるんですか。

所沢市

おっしゃるとおり、敷地内に埋められているシンボルツリーですとか、物になりますので、倒れた場合は、その敷地を管理されている方、住民の方の責任になります。

モデレーター

なるほど。というわけでですね、あっという間の時間になってきたんですけども、最後に、改めて坂本さんたちの思いを共有していただけると嬉しいです。

所沢市

このまちづくりの課題として、このエリアマネジメントというのは昔から挙げられているものですけれども、特に住宅系のエリアマネジメントというものに関しては、なかなかこれといった解決策がない難しい課題だと思います。まずはスモールスタートでいいですので、一歩ずつ一緒にこの課題に取り組んでいただけるような企業様をお待ちしております。以上です。(終)

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