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掲載日:2024年11月1日
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かつて盛況だった歴史ある旧宿場町の大通りに賑わいを取り戻すため、地域・企業・行政一体で 「始めたい」「繋がりたい」という想いの拠点となる玄関口作り に取り組みたい。
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小鹿野町
皆さん、こんにちは。小鹿野町役場総合政策課の五十嵐と申します。本日は「旧街道を「集い」「挑戦する」玄関口に!」「新たな取組みを生み出す好循環の第一歩」としてお話させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
まずは小鹿野町を御紹介させていただきます。小鹿野町は埼玉県の北西部に位置し、面積は171.3平方キロメートル、人口は10,207人となっています。主な産業のうち農業においては、特に「秩父きゅうり」や「黄金のかぼす」などが有名です。
町の大きな特徴としては、江戸時代から武蔵、信濃、甲斐、上野の交通の要衝であり、絹の市場町として栄えた歴史があります。220年前から伝わる歌舞伎や丸神の滝など、伝統文化と自然に囲まれた町です。
そんな中で、今回皆様にお伝えしたい舞台が大通りです。大通りは、町の中で「中心市街地ゾーン」とされたエリアにある交通拠点かつ生活拠点で、まさに県内各都市や都心部からの玄関口に当たります。大通りは旧街道筋である約1キロメートルの通りで、2軒の老舗旅館を中心に、今なお昔ながらの由緒ある蔵作りの建物や町屋・長屋建物が建ち並んでいます。右側の写真が役場に隣接する「観光案内所」、左が旅館をリノベーションした「観光交流館」になります。
続きまして、共創の提案をさせていただく背景について説明いたします。小鹿野町では、急激な人口や観光客の減少によって、町全体の経済が低迷し、平成22年に比べ令和2年の卸売業・小売業が23パーセント、経済を司る昼間人口が17パーセントも減少してしまいました。既存店舗の廃業も進み、新規起業も少ないことで、人の来訪が減少するという悪循環が生じている状況です。
10年前の大通りは3軒のスーパーを中心に、生活に必要な機能が揃い、駄菓子屋に多くの子どもたちが集い、賑やかな声が響き渡っていました。隣接する店舗同士の交流も盛んで、活発なコミュニティも形成されていました。しかし現在、スーパーも閉店し、買い物客や観光客の姿がなくなってしまいました。町民アンケートでは、41.6パーセントの人が「買い物の利便性に不満」があると答え、空き店舗や空き地が目につくようになりました。
このままでは町の中心市街地である大通りにも関わらず、訪れる人がいなくなってしまうことが懸念されています。大通りの店舗は、10年前から比べて47パーセント減と、ほぼ半減している状況です。10年間で廃業した店舗を黒く示していますが、一目で分かるとおり、まさに「歯抜け」の状態となってしまっています。
このような大通りについて、町民へのヒアリングを行ったところ、大通りの実情が浮かんできました。ここでは代表として2人の人物像を御紹介します。まず、小鹿野在住で個人商店を営む60代の小鹿野太郎さんです。先代から引き継いだ家業の後継者がおらず、廃業を考えている一方、できるなら自分の店舗や所有する空き地を利活用してもらいたいと思っています。ただ、知らない人に貸すのはちょっと気が引けるという思いもあり、悩ましいところです。
もう一人は、小鹿野出身で現在は町外へ出てしまっている20代の小鹿花子さんです。大学を卒業後も東京で働いていますが、できれば町に戻り自分の店を持ちたい、ただ、現状ではためらってしまう、という彼女。小鹿野での起業も考えていますが、一人で始める不安に加え、空き家や共に支え合う地域のプレイヤーに関する情報も少なく、一歩を踏み出せない状況です。
大通りの現状やこのような声をもとに、町では「自然と集まる」「自然と始まる」大通りを目指していきたいと考えています。将来の姿として「人と想いが集い、繋がる」、「空き家となっている歴史ある古民家が活用されている」、そして「自然と足が向かう」かつての街道を彷彿とさせる大通りを実現したいのです。
そのための必要な第1歩目として、知る、繋がる、始める、これらのハードルを下げることから始めたいと考えています。地域の情報を知り、プレーヤーや想いを持つ人が繋がり、小さくても新たな一歩を踏み出す、そのためのハードルを下げる仕組みを、皆さんと一緒に作りたいと思っています。
そのための共創について、町として考えていることをお伝えします。事業者の皆さんには、是非、以下のような仕組みを御提案いただきたいと考えています。まず「新たな活動や起業がしやすい仕組み」。二つ目が「貸したい、借りたい、を繋げる仕組み」。そして三つ目が「多様な人や情報と繋がる仕組み」です。
例えば、若者や女性がスモールビジネスなどに低リスク、低コストでチャレンジできる場や仕組みづくり。また、空き家・空き店舗の貸し手と借り手が、信頼できるお互いの情報をもとにマッチングするような仕組み。そして、イベントや取組みの情報を発信したい、探したい人が繋がるための仕組みなどの御提案をいただきたいと思っています。
共創に向け、町からは実証用物件として大通りにある「観光案内所」や昔ながらの趣を残す「観光交流館」を提供します。また、事業の本実施や展開のために必要な予算の確保を庁内で進めると共に、役場内部では組織の垣根を超えてスピード感のある意思決定をお約束します。そして、事業の中で必要となる町内のプレーヤーとの連携では、町が率先して調整を行い、地域の一員としてまちづくりに参画することで、町民と一体となったまちづくりが実感できるものと思っています。
御提案に当たっては、これまで生まれてきた取組も御活用いただけると考えています。例えば、実証用物件である観光交流館では、これまでも地域イベントの拠点などとして活用されているほか、町を盛り上げようと、UIターンしてきたメンバーが主体となった団体も今まさに動き出したばかりです。行政だけでなく、このようなプレイヤーを含めた地域や町民とも共創していただけるよう、町が全面的にバックアップいたします。
最後に改めて、本日お伝えしたことをまとめさせていただきます。小鹿野町は、「自然と人が集まり」「自然と取組みが始まる」そんな大通りの姿を目指しています。一方で、新たな取組を始めたい人が一歩を踏み出す場や仕組みが足りていません。取組を始めたい人が、必要な情報や人と繋がり、一歩を踏み出すハードルを下げるための仕組み、そんな提案をお待ちしています。
最後に小鹿野町からの想いになります。小鹿野町は歴史と伝統文化そして豊かな自然に囲まれた町です。都会で生活する多くの人に、昔ながらの素朴さや温かみを感じてもらえるよう足を運んでほしい。町民、町、事業者と協働して新たな取組を実現したいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
以上で小鹿野町の発表を終了させていただきます。
モデレーター
それでは早速、またグラフィックレコーディングから共有していきたいと思います。旧街道を「集い」「挑戦する」玄関口に、挑戦するということで、繰り返しの言葉が耳に残ったんですけども、ハードルを下げる“仕組み”、活動が起こりやすい“仕組み“、とにかく”仕組み“が重要なんだということで、ここからまた質問が寄せられるまで、私のほうで質問をさせていただきたいと思います。
仕組みの話となると、デジタルプラットフォーム的なものを用意して、通常であれば出会えない人同士がそこで出会うという仕組みが一つ考えられますし、それがあっても、人がアクセスしてくるっていう視点で言うと、コミュニティ的なというか、みんながそこを”頼りにする”空気作り、コミュニティ作りも大事かなというふうに思います。
その視点で「今新たに取組を始めたいけれど、できなくて困っている」という方、こういう方をこの仕組みに取り込んでいきたいといった時に、この方が具体的にどのようなニーズを持っているのか、どのような方なのか、何をしたいと思っているのか、といった具体的なイメージ、人物像を、五十嵐さんの主観で構いませんので共有していただけますでしょうか。
小鹿野町
発表にもあったペルソナの2名の方のように、地元にいて空き店舗・空き家が多くなったところをどうやって利活用したほうがいいか、どうやって繋げたらいいのかっていうところがまず一点、もう一点は外に出てしまった方が戻ってくるための繋がり、そういった方が新たな取組を進めていきたい、そのためにどうしようかというところを考えていきたいなというふうに思っています。
モデレーター
そういった方が潜在的にいらっしゃるということは、役場の最前線にいる五十嵐さんの直感として確信がありますか。
小鹿野町
商店街へのヒアリングなども行っていますが、そういった意見があるということは把握しています。
モデレーター
今、まさに関連するような御質問をいただいていますけれども、やはりこういうことを本気で取り組もうとすると、行政が旗を振るだけでは空回りすることが多い、地域側のカウンターパートである民間セクターが非常に重要になると考えています、というような御質問者の考えがあった上で、そういったカウンターパートとなり得る主体又は候補が地場にいらっしゃいますか、という御質問ですが、いかがですか。
小鹿野町
まちの中でキープレイヤーとなる方が活動を始めているところです。資料にもありましたとおり、「おがのお節介じょしーず」っていう新たにUターン、 Iターンをしてきた方が主体となっている団体さんや、地元で活躍している「小鹿野地域ネットワーク」という団体さんが7団体いらっしゃいますので、そういった方と繋がりをもってできるというのが強みかなと思います。
モデレーター
7団体というのは、地元の団体が7団体ですか。
小鹿野町
そうですね、それぞれの各地域での7団体です。
モデレーター
空き家や空き店舗の活用という視点で、例えばリノベーションによって新たな活用方法を自ら事業者として担っていこうというような地域のプレイヤーなどはいらっしゃるのでしょうか。
小鹿野町
空き家・空き店舗に関しては、そういった新たな利活用に向けての取組はなかなか動き出しておりませんので、そういったところの提案などもいただきたいと思っております。
モデレーター
ソフト部分では地域を元気にする、例えばイベントを催す、人を集める、みんなでコミュニティを作るといった視点では、ある程度活動されている方がいらっしゃるけれども、そこに根ざして事業としてやっていくんだというところに関しては、地場の方々や外の企業さんを含めて大きくしていきたいという理解でよろしいですか。
小鹿野町
そうですね、そういった地場を広げていくと同時に、その情報を外にも出していきたい、外部の方との繋がりもできるようにしていきたいとも考えています。
モデレーター
ありがとうございます。それでは最後になりますけれども、集まっていただいた企業の皆さんにメッセージをお願いします。
小鹿野町
私も小鹿野町で生まれ、小鹿野町で育った人間として、10年前の賑わいを取り戻したいと思っております。小さなまちだからこそ、皆さんと一緒にできる事業を展開していきたいと思いますので、是非、小鹿野町にお力添えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。
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