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掲載日:2025年7月4日
Q 小川寿士 議員(民主フォーラム)
近年、食事を粒のないペースト状にして、おなかに穴をあけた胃ろうからシリンジ(注射器)で注入する方法が注目をされています。胃ろうを介したペースト食のシリンジ注入は本来の食事に近く、栄養面だけではなく、食育の観点からも優れた方法とされています。このため、各地域の特別支援学校においても、この方法の導入の広まりがございます。
私が調べましたところ、関東近隣の自治体では、神奈川県教育委員会が平成31年に作成した「医療的ケア児に関する手引き」にこの方法を盛り込み、県内の特別支援学校では、現在は普及しているということでありました。
また、東京都では、令和3年度より都立肢体不自由特別支援学校で実施をされており、いずれの自治体でも、学校の教職員が対応しているということであります。また、千葉県、静岡県でも同様の対応が学校職員によって実施をされているということを確認いたしました。
埼玉県立特別支援学校では、医療的ケア実施ガイドラインにシリンジ注入に関する具体的な指針が示されておりません。そのため、個々のペースト食の内容や学校の体制などを考え、個別に対応が検討されているということでありますが、この結果、実施が難しい場合は、保護者に対応をお願いしなければならない状況が現状であります。そしてそのほとんどが、保護者の方が対応しない限りは利用できないということであります。
先月、県立特別支援学校小学部のお子さんに保護者がペースト食を注入する場に立ち会う機会がございました。そのとき、これは私が撮影した写真でありますけれども、この上の部分が、保護者の方が行かれるということで、こうしたペースト食が用意をされておりまして、これは当日、同じクラスのお子さんが給食のメニューにありましたスパゲティ、野菜スープ、そしてデザートにメロンでした。できるだけ同じクラスのお子さんと同じメニューになるように、学校で調理した冷や麦を使った麺がゆにナポリタンの具、野菜スープ、そしてメロンは、メロンではなくメロンゼリーをこれらのペースト状にされて、そしてお母さんが食べ物の説明をしながらシリンジを注入して、さらに少量、スプーンを口に持っていって、子供さんに話しかけながら、これはみんなと同じメロンだよと話しかけながら、そして口にちょんちょんとつけながら、おなかでそっと注入をされていくと。もう本当に子供さんが、正に食事を楽しんでいるということが私にも伝わってまいりました。
しかし、大多数の場合がこの下にあります栄養剤です。みんなクラスの子供たちは、こうしたメニューを食べているけれども、ほぼほぼこのお子さんたちはこの栄養剤です。ずっと栄養剤です。そんな状況であります。
神奈川県や東京都、静岡県、千葉県で導入されている方法を埼玉県が実施できない理由はないものと考えます。是非、埼玉県の子供たちについても、家族対応ができない場合においても、学校の教職員によって胃ろうからのペースト食のシリンジ注入が実施できるよう、埼玉県教育委員会としてガイドラインの策定に取り組む必要があると考えます。教育長の見解を伺います。
A 日吉亨 教育長
議員お話しの、医療的ケア児が、同じクラスの児童生徒と同じメニューの学校給食を食べることは、食育の観点からも、意義があると考えます。
ご指摘の通り、本県では現在、個別に検討の上で看護教員がシリンジ注入を実施している事例もありますが、現行の医療的ケア実施ガイドラインでは、シリンジ注入に関する指針を示しておりません。
さらに、シリンジ注入による給食を安心安全に提供するためには、給食室での衛生的な調理体制の確立、そのための施設設備の整備、注入を担う学校職員の技術向上、そして人員の確保が必要となります。
今後、これまでの実施事例や、近隣自治体の取組を参考にしながら、安心安全なシリンジ注入の方法について、ガイドラインに位置付けてまいります。
再Q 小川寿士 議員(民主フォーラム)
このペースト食をお子さんに食べさせていらっしゃるお母さんがおっしゃいました。お子さんが3歳のときに胃ろう手術をされたそうですが、我が子のおなかに穴を空けるというのはとてもつらいことだというふうに思いますけれども、この子においしいものを食べさせてあげたいという思いで決断したということでありました。
一食一食が本当に大切な食事です。今、御答弁では、やや前向きな、ガイドラインに策定するというような御答弁でありましたけれども、再質問させください。
この子供たちについては、本当にもう一食一食が大事なんです。いつそのような対応を実施していただけるんでしょうか。教育長、明確にお答えいただきますようお願いします。
再A 日吉亨 教育長
ガイドラインに位置付けるためには、医療的ケア児の状況や、学校の実施体制などの課題につきまして、検討する必要がございます。
これらの課題について、丁寧に検討しながら、スピード感を持って取り組んでまいります。
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