トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和6年9月定例会 > 令和6年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 10月1日(火曜日) > 水村篤弘(民主フォーラム) > 令和6年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(水村篤弘議員)
ここから本文です。
ページ番号:259714
掲載日:2024年10月23日
Q 水村篤弘 議員(民主フォーラム)
私は、これまで何回も一般質問でカスタマーハラスメント対策について取り上げてまいりました。客の悪質な行為、カスタマーハラスメントは、従業員の精神的、身体的健康を損ない、職場環境を悪化させるだけでなく、企業の生産性やサービスや品質にも悪影響を及ぼします。
厚生労働省では、カスタマーハラスメント対策企業マニュアルが作成され、それぞれの企業で規定を設けることを推奨しております。また、カスタマーハラスメント防止のための法整備の検討も進められているようです。しかし、報道などによれば、従業員を守る措置を事業主に義務付ける内容にとどまるようです。
これまで埼玉県では、動画の作成やセミナーの開催など、従業員を雇用する事業者向けの対策に取り組み、事業者間では、カスハラ防止に対する意識は一定程度高まってきたと思います。
しかし、現実にはマニュアル作成と活用は難しいようです。例えば、スーパーで従業員がカスタマーハラスメントを受けたとき、Aスーパーでは、「当社の規定によりカスタマーハラスメントになりますよ」とお客様にお伝えしても、お客様より「隣のBスーパーではそんなものはないよ、もうここには来ない」ということも起きかねず、企業独自で規定することは、法律や条例などの後ろ盾がないと難しいとの現場の声も頂いております。
9月18日には、東京都が都議会にカスタマーハラスメントを防止する条例案を提出しました。ポイントは、「何人も、あらゆる場において、カスタマーハラスメントを行ってはならない」と明記したことです。また、条例の実効性を担保するために、都が、カスハラに当たる内容を示したガイドラインも作成するとのことです。成立すれば、カスハラを禁止する条例としては、全国初となります。都では、昨年秋から、公、労、使や有識者なども含めて、カスハラ防止対策に関する検討部会を立ち上げ、検討を重ねてきたとのことです。三重県や北海道でも、条例制定に向けて動き出しました。
大野知事は、2期目の選挙に当たり、これからの4年に向けという公約で、「職場や学校、社会におけるあらゆるハラスメントを防ぐ取組を進めます」と掲げています。
埼玉県でも、公、労、使などによるカスタマーハラスメント防止条例制定やガイドライン作成なども視野に入れた検討部会を立ち上げ、3者の共通認識の下、カスタマーハラスメントの起点となる消費者への教育も含めて、カスハラ対策に総合的に取り組んでいくべきだと考えますが、知事の御見解を伺います。
A 大野元裕 知事
まず、「カスタマーハラスメント対策の推進について」のお尋ねでございます。
顧客等からの著しい迷惑行為、いわゆるカスタマーハラスメントは、働く人の安全を脅かす重大な人権侵害であるとともに、事業活動へも影響を及ぼすものであり、その防止は社会全体で取り組むべき課題と認識しております。
県におきましては、経営者にカスタマーハラスメント対策の重要性を認識していただくため、対策のポイントをまとめた動画を作成し、9月から、県ホームページで公開するとともに、事業者向けの公式LINEを活用し、周知を図っております。
また、12月には、埼玉県公労使会議の枠組みで、経営者向けセミナーや個別相談会を開催し、国や経済団体、労働団体等と連携して、企業の取組を支援してまいります。
他方、カスタマーハラスメントは、小売業、医療や福祉、公共交通機関、学校現場等、幅広い業種・業態で見られることが指摘されており、その実態は様々であります。
業界によって求められる基準が異なることや、単独では対策を講じることが難しい小規模事業者もあることから、ガイドライン策定に向けた、業界ごとの事例の収集が必要であると考えます。
同時に、消費者の理解を促進し、カスタマーハラスメントをなくしていくという気運を醸成することも重要であります。
県といたしましては、法整備に向けた国の動向を注視しつつ、業界団体や有識者等の意見を聴きながら、条例制定も視野に入れ、検討会議を設置し、全庁一丸となって、総合的な取組を検討してまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください