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掲載日:2023年12月28日
Q 吉良英敏 議員(自民)
知事がもう一つ、よく使われる言葉で「ワンチーム」という言葉がございます。県庁だけでは課題解決ができない問題、あるいは学校だけでは解決できない、だからこそ庁内がしっかりと連携し、社会全体、県民一体となって取り組んでいくということかと思います。
この「ワンチーム」という言葉、単なる掛け声なのか、それとも具体的な戦略や取組があるのか、知事にお伺いします。
A 大野元裕 知事
まず、ワンチームという言葉で示しているのは戦略ではなく体制だと考えています。このワンチームという言葉を用いる場合には、県内部の取組の場合と外部との連携の場合の両方があると思います。
具体的には、県庁ワンチームと申し上げる際には、部局横断で一丸となって取り組むことを示しており、最も典型的なものは日々全部局が連携をし、ワンチームとして毎日のように議論を重ね、対策を行ってきた新型コロナウイルス感染症対応であります。
他にも、所属する異なる職員同士が交わることによって、部局の縦割りを超克した新たな価値の創造に取り組み、時代の変革に対応するプロジェクトを実施しており、1期目から開始をさせていただいている埼玉版スーパー・シティプロジェクトなどに加え、令和5年度から新たにアグリテック・フードテックプロジェクトなどを立ち上げました。
また、先ほど申し上げたもう一つの外部との連携につきましては、例えば、産・官・学・金・労の皆様に御参加を頂いている「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」があります。
会議の構成体を中心に全国初となる「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結するなど、他の都道府県のモデルとなる取組を行ったところであります。
さらに、危機や災害対応といった点におきましても、埼玉版FEMAでは、県が平時からシナリオ作成や図上訓練を繰り返すことによって、消防、警察、自衛隊など関係機関、いわば外部機関との強固な連結を推進し、県全体の危機・災害対応力の強化を図っています。
また、先日発生した高病原性鳥インフルエンザでは、平時から関係者と協定を結び、突発的な事案発生時への体制を整えていたことで、県建設業協会、地元市町などの応援を得て迅速に対応することができました。引き続き、部局連携の強化を図るとともに、市町村や団体、民間事業者など、関係するステークホルダーと連携をし、ワンチームで重要課題の解決に取り組んでまいりたいと思います。
再Q 吉良英敏 議員(自民)
知事からですね、戦略ではなく体制である。また、部局横断、また、1期目から取り組んでいるというお話を頂戴いたしました。
私ですね、この議場でいろいろと話を聞いていたときに感じることの一つに、答弁で様々な要因が複雑に絡み合ってなかなか解決が難しいというような類いの御答弁を、本当に多く聞くようになってきたなというふうに思っております。これは何かというと、いわゆるこの今の社会課題に組織が合っていない、ついていけていないんじゃないかなっていうふうに感じるんです。
そのときに、知事のおっしゃるワンチームというのは、本当にある意味、自立分散型の柔軟で自発的なですね、このいいチーム、ワンチーム、部局横断してやっていくのかなというふうに私は捉えているんですけれども、それを更に私はレベルを上げるようなことをしていかないと社会課題は解決していかないんじゃないかなというふうに思っております。
この辺は考え方様々あるかと思いますけれども、再度ちょっと御答弁いただければと思います。
再A 大野元裕 知事
議員御指摘のとおり、複雑な要因が絡み合う昨今の問題に関しましては、自律分散型で柔軟な体制というものは私も極めて重要だというふうに考えております。
また、これらの複雑な問題に対して、一長一短では、なかなかいろいろな要素があるとは思いますけれども、レベルを上げるということも御指摘のとおりだと思っています。
それを踏まえて申し上げれば、それぞれの問題に対して単に多くの方々が集まればワンチームになるのではなくて、問題意識を共有をし、さらにはいわゆるロードマップをしっかりと考えて、そしてたどり着くべきゴールというものを共有していくことが大変重要だと思います。
その意味で、例えばプロジェクト型のチームというものを昨年から進めておりますが、その場合にはプロジェクトマネージメントの原則であるPMBOKというのがありますけれども、そういったルールを適応することによってワンチームは体制であるんですけれども、そのなかでさらにレベルを上げてゴールに対して共通で向かえる、そういった工夫をしているところでございます。 正直、さまざまなワンチームの体制につきましては試行錯誤もございますが、議員御指摘のように、さらにレベルを上げる取組を進めたいと思います。
再再Q 吉良英敏 議員(自民)
この件はせっかく取り上げていることもございますし、様々あるからこそですね、少し議論を深めたいというふうに思っております。
ちょっと切り口を変えますと、私、このワンチームっていうので言えば、例を挙げるとですね、今の体制ですね、チームで勝利するのではなくて、各部局である意味ホームランを狙っちゃっているんじゃないかなというふうに思っています。ホームランを打つことが目的になってしまっている。ここで言うホームランとは、例えばヤングケアラーとか、いじめだとか、不登校だとか、個別の課題であります。それを解決することが大切なんですけれども、それにこだわり過ぎて、それぞれ担当部局がホームランというかですね、ホームランを、ヒットを打たなきゃと思っていながら打てていないみたいな。
もっとチーム全体で勝つためには、全体的な視野あるいはゴール、それを例えば、ケアで言えば安心できるケアにするために、あるいは子供たちで言えば安全な環境をつくるとか、そういった全体のゴールをしっかりと見据えていかないとばらばらに動いてしまっていてもチームとして進んでいかないのではないかなというふうに思っております。
加えて言うとですね、私、ヤングケアラー支援をやっていて実感するのは、ヤングケアラーの問題が解決されたときには、例えば、いじめ、不登校、虐待、貧困、みんないい方向にいくような気がします。そして、現場で支援している人こそですね、こういう実感を持っているんじゃないかなというふうに感じます。
全体のゴールを見る、チーム一丸となって本来の試合に挑む、これですね。再度、ワンチームの体制とか全体のイメージをお聞きしてみたいと思います。お願いします。
再再A 大野元裕 知事
チームとして目標を達成する場合に、時に御指摘のように一つの部局のホームランでそれが達成される場合もあろうかとは思います。
しかしながら、ワンチームとして目指すべきものは組織としてそこに向かうことであり、そこで議員が御指摘のような例えばヤングケアラーやいじめといった問題は、社会の一つだけの切り口ではなく、多様な側面が絡み合っておりますので、必ずしも単一の部局のみで解決が図られるものではない、というふうに思います。
そこで、例えば、先ほど申し上げたプロジェクトチームを作る時にはPMBOKの原則を申し上げましたが、ガントチャートを作って、例えば日程をきちんとどの部局がどういった形をするとか、こういった準備が必要です。
さらには、協議等が必要であり、そしてそれに対して先ほど申し上げた「強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議」などでは、決まったことの責任分担表を作って、どの組織が何をやるかということを外の組織も含めてお願いをするということで全体の成功あるいは全体の前進を図っていってまいりました。
このような形で、私共といたしましてはイメージとしては全体での目標の達成というものを行えるような、道筋や体制やルールを作っていくということが重要だというふうに考えております。
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