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掲載日:2023年10月20日
Q 水村篤弘 議員(民主フォーラム)
公契約条例とは、自治体が発注する公共工事や業務委託等に従事する従事者の賃金や報酬下限額を設定し、自治体・受注者の責任等を契約事項に加えることを定めた条例です。県は、公契約の発注者として入札の手続の透明性や競争性を確保するとともに、落札業者が各種法令を遵守しているか、また、品質の低下や下請業者等へのしわ寄せが生じることがないか、チェックしていく必要があります。雇用や労働条件を守るだけでなく、住民がより良い公共サービスを受けるためにも有効な条例です。
こうしたことから、今年7月時点で10県を含む全国80以上の自治体で制定が進んでいます。県内では、草加市や越谷市が公契約条例を制定しています。公契約条例の制定については、2020年12月議会の一般質問でも提案をさせていただきました。
昨年から急速に進む原材料高やエネルギー価格高騰等による物価上昇の局面で、生活が厳しくなってきている方がいらっしゃいます。公契約事業に携わる方の賃金の引上げにもつながるといわれている、実効性のある公契約条例の必要性がますます高まってきたと考えます。
日本弁護士連合会は、日本で最初に最低賃金を盛り込んだ公契約条例を制定した千葉県野田市では、最低賃金ぎりぎりであった業務委託の賃金が時給で100円程度アップしていますなどと報告しています。適切な価格転嫁促進のためにも、公契約条例は有効だとの指摘もあります。
以上を踏まえて質問は、以前の私の一般質問で大野知事から「埼玉県では、実効的な公契約条例とならなければ意味がなく、まずは法令の遵守について周知徹底するとともに、今後研究をしてまいります」と答弁がありましたが、その後どのような研究をしてきたのか、お伺いいたします。
A 大野元裕 知事
本県では、庁内関係課による「公契約条例に関する庁内研究会」を立ち上げ、他県の取組内容や現状における評価、条例制定に当たり留意すべき事項などを議論しているところであります。
公契約条例は、労働者賃金の下限額を定める規制型と、公契約の公平性や透明性の確保、労働者の労働環境の向上などの取組方針を定める理念型とに整理ができます。
規制型は、政府答弁で最低賃金法の趣旨に反するとの見解が示されているほか、先行して制定済みの10県では市場の適正な競争環境をゆがめるなどの意見も出ており、全て理念型となっております。
他方で、理念型は、競争の公正性や不正行為の排除、品質及び価格の適正さなど条例に定める基本方針が浸透したとの声があるものの、実効性の確保が課題として挙げられております。
実効性確保の前提としては、最新の労務単価、資材等の実勢価格を基にした予定価格の設定、最低制限価格制度の運用などが必要となります。
さらには、適正な価格転嫁に向けた働き掛けや、適正な賃金、報酬の支払いが担保されることが重要であります。
これらの取組の実効性を担保するため、例えば本県では令和4年9月に産・官・金・労の12団体で全国初となる「価格転嫁の円滑化に関する協定」を締結し、オール埼玉で取り組んでいます。
また、建設工事等で実施してきた最低制限価格制度について、令和5年6月から全ての業務委託契約での試行を開始をいたしました。
今後の研究会の取組として、公契約条例の制定を要望している労働組合の御意見を伺うことも既に開始をいたしました。
引き続き、関係機関の御意見も参考にしながら必要な取組を検証し、研究を進めてまいりたいと考えております。
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