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ページ番号:201327
掲載日:2024年7月4日
Q 山根史子 議員(民主フォーラム)
性の悩みは幅広いですが、なかなか人に相談しにくいものです。体に変化が現れる10代には様々な悩みが生まれます。体の各部位について形が人と違うのではないかとか、体毛の悩み、月経痛や経血の量、パートナーとの性交に関してなど、誰にでもあり得る悩みだと思いますが、果たして誰に相談できるのでしょうか。
初めて産婦人科を訪れるとき、それはそれは勇気の要るものです。私は20歳で子供を産んでいます。初めての産婦人科を受診したのは10代のときでした。誰にも言えずに受診しました。病院の入り口のドアを開けるときには、人に見られていないか確認して入りました。産婦人科の待合室では、周りの視線がとても気になりました。あんなに若いのにとか、ぐれているのかしらとか思われているのではないかなと思いました。いざ診察のときには、そんな年で妊娠してと先生に怒られるのではないかなと思っていました。しかし、先生は知識の乏しい10代の私に対し、丁寧な説明とともに温かい言葉をかけていただきました。あのときのほっとした気持ちは今でも忘れられません。
私は、若い女性が何かに悩んだとき、すぐに相談したり受診したりできる施設が必要だと考えております。スウェーデンでは1970年代から10代、20代の若者を対象に性や避妊、妊娠に関して無料で相談できる公的な医療機関、ユースクリニックが設置されております。ユースクリニックには助産師、看護師、臨床心理士、産婦人科医などが待機し、避妊具の提供や性感染症の検査、治療、妊娠に関するケアを行っております。それ以外にも家庭や学校での悩み相談、アルコールとの付き合い方や摂食障害など、若者が抱えやすい心、体の問題に幅広く対応しております。また、性的マイノリティ、いわゆるLGBTQの方々には思春期に違和感がはっきりしてきて悩まれる方が多いと言われております。ユースクリニックではジェンダーに関する悩み、相談についても、トレーニングを受けた職員が対応してくれます。
私は、若者たちが自分の心や体、性について悩んだときに気軽に専門家に相談できるユースクリニックを日本にも是非広げるべきだと考えております。
そこで、保健医療部長に伺います。日本においても産婦人科クリニックや薬局などで、ユースクリニックや思春期外来の取組を実施しているところがあります。また、産婦人科の中でも若者が受診しやすいように待合室を分けたり、若者のために診療時間を設けたりしているところもあります。若い女性が気軽に受診できるようにするため、こういった産婦人科の取組について県としての周知や支援ができないでしょうか、お伺いいたします。
A 関本建二 保健医療部長
学齢期・思春期は、生涯を通じた健康づくりのスタートとなる重要な時期であり、特に10代になると、女性は、月経などの体の変化や避妊、性感染症など性に関する様々な悩みが生じてまいります。このような場合は、必要に応じて産婦人科を受診することになりますが、若い女性にとって、なじみのない産婦人科は敷居が高く、受診につながりにくい面もございます。
本県では、産婦人科の医師や看護師に対し、ハイリスク妊産婦への対応に必要な知識や技術を習得する研修だけでなく、若者の性教育の現状についても研修を行っております。こうした場を活用し、思春期の体の悩みについて診療時間を設定して対応する思春期外来の取組や、若い女性が産婦人科を気軽に訪れ、相談や受診ができるような工夫などについて周知してまいります。
また、研修では、若者の心に寄り添った支援や受診に対する抵抗感を軽減するための配慮の必要性を伝えるとともに、思春期特有の体や性の悩みについても改めて見識を深める場とするなど、支援してまいります。
このような取組を進めることにより、若い女性が安心して産婦人科を受診できる環境づくりにつなげてまいります。
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