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掲載日:2024年7月4日

令和3年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(山根史子議員)

子宮頸がんを予防するHPVワクチン接種の周知等について

Q 山根史子 議員(民主フォーラム)

HPVワクチンは、平成25年4月に小学校6年生から高校1年生までの女性を対象とした定期接種となり、公費の助成が可能となりました。ところが、接種後に健康被害が生じたという報告を受け、同年6月から現在に至るまで積極的な推奨の差し控えが継続している状態であります。
ワクチンには2種類の感染症を予防する2価と4種類の感染症を予防する4価があります。そして、この2月からは9種類の感染症を予防する9価の販売も始まりました。男性でも4価と9価を接種すれば、咽頭がん、肛門がん、陰茎がんの予防につながり、もちろん子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染も予防されます。
スウェーデンの全国民、レジストリを用いた疫学研究によると、4価のHPVワクチンを接種した方々は接種しなかった方々に比べ、浸潤がんの発生率が大変低いという結果が得られています。具体的には17歳から30歳で接種した人の63%、17歳までに接種した人では88%も発生率が低く、若いうちに接種することで子宮頸がんに高い予防効果を発揮することが明らかになっております。日本ではかつて約80%だった接種率が、1%未満にまで落ち込んでしまいました。
一方で、先月の毎日新聞には昨年の10月から12月の接種率は20%近くだったという記事がありました。記事では、増加の理由については定かではないとしております。しかし、実は昨年十月、厚労省がHPVワクチンの定期接種対象者へ子宮頸がんやワクチンに関して個別通知で確実に知らせるように自治体に依頼しております。つまり、定期接種の存在自体知らなかったが、自治体からの個別通知によって定期接種の存在を知り、接種を受けた方々が一定数いたことが接種率の上昇につながったと推察されます。
日本では年間約1万人の女性が子宮頸がんにり患し、約2,900人がお亡くなりになられております。定期接種の存在を知っていれば、救えた命があるかもしれません。私は、子宮頸がんで苦しむ女性を減らすために、一人でも多くの女性が若いうちにHPVワクチンについて正しい情報に接した上で接種を検討していただくことが重要だと考えます。
そこで、保健医療部長へ2点お伺いいたします。
1点目、HPVワクチンの定期接種が受けられることを知らない方も多々いらっしゃいます。接種を希望する人が定期接種の機会を逃さないよう、定期接種の内容に加え、そのメリットやリスクなどを定期接種の対象時期を迎える前に対象者やその保護者などへしっかりと情報提供するべきだと考えます。そして、正しい理解の下で接種の要否を選択していただきたいと思いますが、県としてどのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか。
2点目、HPVワクチンの定期接種が継続していたことを知らずに接種機会を逃してしまった人もいらっしゃいます。そういった方々へ支援を行うことはできないでしょうか。

A 関本建二 保健医療部長

接種希望者が正しい理解の下で接種の要否が選択できるよう県としてどのように取り組んでいるのか、についてでございます。
予防接種の実施主体は市町村であり、予防接種法施行令では接種対象者が法律で定められている定期接種を行う場合、予防接種を受けるに当たって注意すべき事項など必要な事項を接種対象者又はその保護者へ周知することを市町村長に義務付けております。
このため、市町村においてはHPVワクチン接種について国の方針に基づき積極的な勧奨を差し控えてはいるものの、接種対象者に必要な情報を提供しております。
県では厚生労働省からの通知を受け、昨年10月と今年2月に、定期接種ワクチンの一つにHPVワクチンが位置づけられていることや、ワクチン接種の有効性・安全性、リスクなど接種の判断に必要な情報を接種対象者へ届けるよう、改めて市町村あてに依頼しております。また、HPVワクチン接種の有効性とリスク等について県ホームページで分かりやすく解説し、接種を希望する方が接種機会を逃さないよう広く周知を図っております。
次に、HPVワクチンの定期接種が継続していたことを知らず、接種機会を逃してしまった方に、支援を行うことはできないのかについてです。HPVワクチン接種は、予防接種法に基づく定期接種として位置付けられておりますが、国からの通知に基づき、平成25年6月以降、積極的な接種勧奨を差し控えているところでございます。そのため、定期接種の機会を逃した方への支援については、原則国で検討されるべきものと考えます。
県といたしましては、今後の国の動きを注視してまいりたいと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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