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掲載日:2023年12月18日
Q 辻浩司 議員(民主フォーラム)
これまで障害のある児童生徒は特別支援学校への就学を原則とし、例外的に認定就学者として小中学校へ就学することを可能にしていた従来の学校教育法施行令が2013年に改正され、本人、保護者の意向を踏まえ、市町村の教育委員会が総合的な観点から就学先を決定するという形に変わりました。これにより認定就学者の定義も変わり、障害がある児童生徒が通常の学級で学ぶことは、法的にも例外ではなくなったと解釈できます。現在、障害がありながらも地域の小中学校の通常の学級に通う児童生徒は、直近の2020年2月の調査によれば、小学校が35名、中学校が12名、合計47名が在籍していると伺っております。
特別支援学級や特別支援学校は、少人数でも児童生徒本人のペースに合った教育を受けられるという側面もありますが、学び育つ場を分けられることで、障害のある子どもとない子どもが共に育ち合う機会が奪われるという致命的な欠陥があると考えます。教育という言葉は、教え育てると書きますが、私は、共に育つと書く共育の側面も重要な要素であると考えています。障害者は生きていても不幸と決めつけて犯行に及んだ相模原障害者施設殺傷事件の植松聖死刑囚に象徴される優生思想や様々な差別事件の背景には、子どもの頃から障害のある人と育ち合った経験がないことにあると思います。
私は、昨年6月定例会の一般質問で、障害のある子どもとない子どもが同じ教室で共に学んでいる様々な事例を紹介し、共有することを教育委員会として取り組むべきと提案し、当時の小松教育長からは、「障害のある児童生徒とない児童生徒が共に学ぶ好事例の共有をする」との答弁をいただきました。あれから1年半がたちましたが、その後の進捗状況について、新しく就任されました高田教育長にお伺いいたします。
また、2015年より教育委員会と障害者団体との間に、共に学ぶ教育の推進に向けた共同研究会という会を立ち上げ、通常の学級で障害のある子どもが共に学んでいる実態を把握し、公的な支援の在り方と子ども同士の助け合いのようなインフォーマルな支援の実態などを多角的に把握していく取組がなされていると伺っております。
しかしながら、この研究会での成果や検討の状況などを県のホームページ等で検索しても見つけることができませんでした。同研究会の中でも、学びの実態把握をするだけでなく、その内容を県民に発信していくことが課題となっていると伺っております。通常の学級で共に学ぶ実態を県民と広く共有していく情報発信について、教育長のお考えをお聞きします。
A 高田直芳 教育長
共に学ぶ好事例の共有の進捗状況についてでございます。
障害のある児童生徒が、通常の学級で障害のない児童生徒と共に学ぶことは、多様性を認め合い、将来、地域社会の一員として共に生活していく上で大変意義あるものと考えております。
議員から御提案をいただきました共に学ぶ好事例を共有することにつきましては、市町村の担当者を集めた会議を2回開催し、担当者からの好事例の発表や、事例についてのグループディスカッションなどを行ったところでございます。
例えば、障害の特性で友達との関わりが苦手な生徒への配慮として、学年集会で教員からコミュニケーションの取り方などについて具体的に指導を行うことで、生徒同士が自然に関わり合うようになった事例がございました。
また、音が聞き取りにくい児童への配慮として、補聴器を使用した時にどのような聞こえ方をするのかなどについて学級で説明することにより、児童同士が円滑に会話をすることができるようになった事例がございます。
今後も、このような好事例を積極的に収集し、共有を図ってまいります。
次に、通常の学級で共に学ぶ実態を県民と広く共有していく情報発信についてでございます。
障害のあるなしに関わらず、児童生徒が共に学び合う事例を広く県民の方々に知っていただくことは重要であると考えております。
これまでは、県教育委員会のホームページに、義務教育段階における特別支援教育の仕組や、障害のある児童生徒に対する教員向けの指導方法などを紹介してまいりました。
今後は、議員御指摘のとおり、これらの情報に加え、通常の学級で障害のあるなしに関わらず、児童生徒が共に学んでいる事例を積極的に発信してまいります。
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