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掲載日:2023年12月18日
Q 辻浩司 議員(民主フォーラム)
現代日本において働くというと、企業などに雇われて働くという働き方を思い浮かべる人が多いと思います。雇用されるとどうしても経営者の意向が強くなります。高齢者や出産育児世代の女性や障害者など、働く上で様々な配慮が必要な人たちは、どうしてもそういった労働の場からはじき出される傾向があります。
これに対して、働く人たち自らが出資という形でお金を出し合って組合を作り、働く人たち自身が経営することを基本原理とする「労働者協同組合」という考え方があります。日本においては、ワーカーズコープやワーカーズコレクティブと呼ばれる事業体がこの理念の下に数多く活動しており、福祉や子育て支援、若者の支援、地域の居場所づくりや見守りなど、営利企業が手を出しにくいが地域にとっては必要なサービスを提供しています。
しかしながら、この「労働者協同組合」は法律で定められた法人格ではなく、これらの事業体は便宜上、NPO法人や企業組合法人などの法人格を取得したり、人格なき社団として活動してきました。この「労働者協同組合」を法制化しようと、1990年代から法制化を求める運動が始まり、様々な政局の波に左右されながらも、粘り強い運動が続けられてきました。そして、今月4日の臨時国会において、ついに労働者協同組合法が全会一致で成立しました。
現代のコロナ禍において仕事を失う人も増えている中、新たな仕事起こしとして、この「労働者協同組合」が期待されるところです。法律公布後、2年以内に施行されるとされておりますので、県としては、事業者への普及啓発や設立の相談など積極的に起業支援をしていただきたいと考えます。
また、その内容が多岐にわたるため、担当部局の設置のみならず、横断的な協議会の設置なども必要と考えます。自治体職員対象の学習会なども必要と考えます。
広島市では、労働者協同組合の設立を後押しする「協同労働」プラットフォーム事業を実施しています。私も以前視察しましたが、この事業によって、地域住民による竹やぶの間伐整備や土砂災害被災地での食堂、地域のサロンなどの事業が支援を受けて展開していました。
埼玉県として、新しい働き方であるこの「労働者協同組合」をどのように推進していくのか、知事の御所見をお伺いします。
A 大野元裕 知事
先日、国会で成立した労働者協同組合法は、労働者協同組合を設立し、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的としています。
働く人自らが出資し、自らの意見を反映した事業に従事する労働者協同組合は、仕事と生活の調和を図りながら、意欲と能力に応じて働くことができることから、多様な就労の機会の創出につながります。
また、労働者協同組合は、幅広い分野で事業が実現できることから、地域における多様な需要に応じた事業が行われることが期待され、地域貢献的な事業から地域における新しいベンチャーとして、活性化を作り上げていくことが期待されます。
私自身、国会議員時代に、協同組合振興研究議員連盟の幹事として、法制化に取り組んできたこともあり、当時の思いを考えれば、今は隔世の思いであります。
県といたしましては、このような新しい働き方となる労働者協同組合について、まずは、地域課題の解決に取り組む県民の皆様に説明会などを開催して、しっかり周知を図ってまいります。
また、組合の設立に関する相談に対応するほか、庁内横断的な会議を立ち上げるとともに、市町村向けに研修会も実施してまいります。
広島市では、主に60歳以上の方々による協同労働の仕組みを活用した地域課題解決のための事業に対して、既にきめ細やかな支援を行っています。
これらの先進事例についても情報収集し、今後の県の支援策について検討します。
多くの労働者協同組合が設立され、その活動を広げ、地域課題の解決の担い手から多様な役割を担える本来の労働者協同組合の役割が果たされるよう積極的に取り組んでまいります。
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