令和2年12月定例会 「新型コロナウイルス感染症対策特別委員長報告」

委員長　小島　信昭

新型コロナウイルス感染症対策特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されております案件は、「新型コロナウイルス感染症対策等に関する件」でありますが、今回は、9月定例会で執行部へ送付した提言に対する対応状況や考え方について審査を行いました。
審査に当たりましては、執行部から詳細な説明を受け、その後、質疑を行いました。
以下、主な論議について申し上げます。
まず、「感染者用の必要病床数1,400床の確保が目的化してしまい、本来向けられるべき治療に人が割けなくなることを懸念している。コロナ以外の患者の一般医療を守った上での1,400床の確保であるべきと考えるがいかがか」との質問に対し、「コロナと一般医療との両立は、病床確保において最も重要な点と考えている。そのため、病床確保計画を策定する段階から一般医療を圧迫する部分を少しでも減らし、感染者数の増加に伴いコロナ病床を増やしていく計画とした」との答弁がありました。
次に、「12月14日現在の宿泊療養施設の確保数711室に対し、229名しか入室していない。入室待ちの自宅療養者702名を施設での療養に切り替えられない理由は何か。また、家庭内感染が多くなっていることからも、宿泊療養施設の確保についてはフェーズ3の1,450室に移行すべきと考えるが、その時期の目安はあるのか」との質問に対し、「療養者の退去後に、消毒、清掃などを行うため、どうしても一定期間使えない部屋が出てきてしまう。そこで、退所時期を見越して早めに消毒や清掃の予約を入れ、できる限り時間のロスをなくすなど、効率的な運用に努めていく。また、フェーズ3への移行については、現段階で時期を明確にすることはできない。宿泊療養施設については、地元との調整や医療スタッフの確保などの課題があるが、速やかに開設の準備を進めていく」との答弁がありました。
次に、「『強い経済の構築に向けた埼玉県戦略会議』の中で、景気浮揚の観点からどのような議論があったのか。また、県内の中小・小規模事業者の声がどれだけ会議に反映されているのか」との質問に対し、「会議では、中小企業の景況感等を説明した上で、本県の産業構造の実情や景気浮揚の視点を踏まえて意見交換をしている。そして、カンフル剤としての公共事業の必要性やIT関係の取組を推進することなどの具体的な意見が出された。また、11月から同会議の構成員を変更し、埼玉県商工会連合会、埼玉県中小企業団体中央会や埼玉中小企業家同友会に参加してもらっている。そのほか、具体的な施策を検討するワーキングチームに金融機関に参加してもらうなど、可能な限り様々な声が議論に反映できるように努めている」との答弁がありました。
次に、「県内経済の活性化を図るためには、県内の中小・小規模事業者に照準を合わせてデジタルトランスフォーメーションの推進を図り、新しい価値を生み出していく必要があると考えるが、どのように取り組んでいくのか」との質問に対し、「デジタルトランスフォーメーションについては、コスト削減や業務の効率化に加え、デジタル化により得られたデータを使って新たなビジネスモデルを作っていくことなどのメリットを、経営者に理解してもらうことが大切である。そのため、経営者向けセミナーを開催するほか、規模や業種などにより異なる様々な企業ニーズに応じた効果的、効率的な支援が重要であると考えている」との答弁がありました。
その後、次回の審査については、新型コロナウイルス感染症の感染が再拡大している状況やワクチン提供などの新しい動きがあることを踏まえ、変化する状況への執行部の対応等を確認することと決しました。また、日程については、2月定例会中に開催することと決した次第です。
以上、審査経過の概要について申し上げましたが、「新型コロナウイルス感染症対策等に関する件」につきましては、今後とも引き続き審査する必要がありますので、閉会中の継続審査事項として御決定くださいますようお願い申し上げまして、本委員会の報告を終わります。

• 注意：氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。